【まくら✖ざぶとん】㉝『節盆お化け』
さあさて十席ごとの節目に加えてゾロ目の回も力を入れようかって思いつきを掘り下げてみるに、九十九回から百回と連続する時期にゃ今の今から戦々恐々だが憂うのも時期尚早、何はさておき今の今たる日々のネタを探すっきゃなければ暦はちょうど十月の終わり、何があるかといやハロウィンだ。
この国じゃ子供を差し置き大人のほうが楽しんでるハロウィンは元をたどればケルト人の祭り、祖先の霊に供え物をするお盆と鬼を追い払う厄除けの節分、盆と正月ならぬ盆と節分を足して二で割ったような行事を掘り下げてみりゃ、我が国にも節分お化けなる似た行事があった過去を大発掘。
ゾンビにドラキュラ…西洋に追従してちゃ日本猿真似に烏帽子かぶせ、異文化上等!異国の風習を換骨奪胎して植え付けて根付かせるのが我が国の常套手段。しゃれこうべのスケルトンも完骨脱体だが西洋かぶれインスパイアからは完全脱退、腐ったゾンビにインスタバエはもうたからないってしゃれはさておき孫にも仮装よろしく子供向けの和式ハロウィンが仮想対象。
まずはシンボルのジャコランタン、南瓜ではなく西瓜をくり抜けば子供向け、和風に一新するならちりめんじゃこをまぶした白飯に卵を落としたジャコランハンはそのまま仏壇の供え物にもなって一石二鳥。
おそろしい格好をするおどろおどろしい行事の伝統はそのまま踏襲、厄除けに効く狐の面を子供につけさせたはいいが近所を練り歩いてトリック/トリートじゃネタバレさせるトリックたる芸も能もねぇなら、妖しい子狐たちが高い声で唱和するまじないまじえたわらべうた。
通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの細道じゃ
隣人さまの細道じゃ
ちっと通して下しゃんせ
御用のないもの通しゃせぬ
この弧の二択のまじないで
お菓子を集めにまいります
生きはよいよい 還ればこわい
こわいながらも
通りっく / 通りーと
えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!