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【まくら✖ざぶとん】⑭『〆さぼ』
巷じゃ毎月5と10のつく五十日(ごとおび)は道が混む、なんて言われたりもしますが、0のつく日に更新するこのまくら以外にもいくつかある〆切が一気に重なっちまったら困ったもんで、はて、こりゃいったいどうしたもんか、と悠長に構えてみせるのも束の間、貫(かん)と匁(もんめ)を増し増す重圧に押しつぶされそうになるや、やめだやめだ、もうあかんもんねと逃げ腰の及び腰、逃げても恥だし役にも立たねぇはずだが、追い込まれないとはじめられない性分ってのはまことに性質の悪いこと、まだいけるまだ大丈夫と作ってるフィクションの世界から逃げ出した先が現実だってんなら現実逃避ならぬ現実回帰、目と耳に入ってくるのは現実世界の情勢よ。
我が国にっぽんが築地市城の豊洲移転がどうの森友学園の豊中売却がどうの、と都知事や首相がくだらねぇ答弁を繰り返してる間に、海向こうではおとなり韓国の大統領が罷免されてお口パクパク、最高指導者の異母兄が暗殺された北朝鮮の核弾頭実験はあえなく失敗、WBCを制覇した米国の絵札新大統領は所信表明がてら核弾頭とくれば偽走モーションのしつこい北朝鮮を牽制球で一塁に釘づけ、国際政治ネタを連投するセットアッパーのシリアにいきなりの本塁打攻勢たるやさすが長距離砲揃いのお国柄。連盟脱退の大英帝国と難民受入の独逸連邦共和国が幅を利かせる欧州は野球よりも蹴球、南米のクラブをまるまる乗せた飛行機が先だって墜落した矢先だってのにテロリズムはとうとう我らが香川真二所属のチームバスにまで、まあ世界の動いてること動いてること。
ひたひたと迫り来る〆切に追われふためく中、世界的現実問題を傍目ごかしに眺め透かし、おいおい、こうも世の中おかしけりゃてめぇの仕事どころじゃねぇな、と昏迷を極める世界情勢にかこつけて仕事をサボりにサボるは政治用語のサボタージュにはじまってボイコットにストライキときたらそれに続くはクーデター、満を持して先方に空データを送りつけるしかあるまいか、と〆切だけに〆くくりたいところだがそんな都合のいい読み方はしちゃくれねぇってんなら、いっそのこと〆切などもう知らんぷりのお尻ぷりぷり、冬は北風、春は南風、〆切前はどこ吹く風がびゅんびゅん吹いてらぁ、とばかりにすっとぼけてすっぽかしてすっとばす、緊急事態とあらば世界各国どこの政府もおざなりお決まりお定まりの特例扱いは超放棄的措置ってことで、いっちょ許しちゃくれねぇもんかね。
えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!