【まくら✖ざぶとん】➊➑⓪『《デジャメ・ヴュ/存知夢》』純文喫茶➍
今日も今日とて純文喫茶には文学の徒がこぞって勢ぞろい、その中のひとり、日曜哲学者然とした御仁が得意気に含蓄のありげな薀蓄を披露。
私から命題提起させて頂くのは〈既視感=デジャ・ヴュ〉と〈未視感=ジャメ・ヴュ〉から派生した〈幻視感=デジャメ・ヴュ〉です。
初めて視るはずなのに視覚えがあるように感じるのが〈デジャ・ヴュ〉
視覚えがあるはずなのに初めて視るように感じるのが〈ジャメ・ヴュ〉
〈デジャ・ヴュ〉は、
自分の潜在意識が視た光景を、自分の顕在意識が視ている状態です。
〈ジャメ・ヴュ〉は、
自分の顕在意識が視た光景を、自分の潜在意識が視ている状態です。
(※この時、しばしば〈未視感〉が精神疾病として扱われますが、顕在の状態にあるはずの意識を潜在意識が乗っ取った状態にあります)
つまり、〈デジャ・ヴュ〉と〈ジャメ・ヴュ〉が起こる背景では、意識の主体の表裏が逆転している、ということで説明がつけられます。
このとき、両者の間にあるのが〈幻視感=デジャメ・ヴュ〉です。
前に視たようにも、初めて視たようにも感じるのが〈デジャメ・ヴュ〉
これって、何かに似ている気がしませんか?
そう、〈夢〉です。
顕在/潜在意識のあわいをさまようのが〈夢〉を観ている間ですからね。
そして、〈夢〉を観ている最中は人間の脳機能が別の次元空間にアクセスされるため、顕在意識では可視できないものを視るようなことが生じます。
たとえば、〈夢〉にも〈デジャ・ヴュ〉と〈ジャメ・ヴュ〉があります。
過去に起こりえた出来事がまざまざとよみがえる〈既知夢〉
未来に起こりうる出来事がありありと読み取れる〈予知夢〉
そして〈夢〉における〈デジャメ・ヴュ〉こそが、私の提唱する〈存知夢〉です。
今、その瞬間に起こっている出来事を呼び覚ますのが〈存知夢〉
〈予知夢〉や千里眼のような非現実的な効力が発現する超能力は、顕在意識と潜在意識のあわいでしか発揮されません。
そんな話を聞かされることを〈予知夢〉か千里眼さながら見越していたのかいないのか、純文喫茶のマスターが御仁の前に置いたのはティラミス風味のマスカルポーネクリームにコーヒーをかけてひたひたにしたアフォガート。
アフォガートは「溺れる」、
ティラミスは「私を引き上げて」って意味なんですよ。
それを受けて、御仁。
なるほど。まさに〈夢〉ですね。
うん、これはうまい。この甘味と苦味が混ざり合うあじわい…どこかで食べたことがあるような気もするし、初めて食べるような気もする…。
《本日のオススメニュー》
〈ティラミス・アフォガート〉
えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!