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【まくら✖ざぶとん】⑨⑧『飛脚稼業』

さてはて前夜祭聖夜本番が過ぎれば今年もあとわずか、そんな師走に師匠よりも走り回ったのは現代の飛脚こと配送業者配達員、ただでさえ歳末のお歳暮で忙しい時期だってのにXデーに間に合わせるXmasプレゼントも重なれば繁忙期も繁忙期、贈り物を送り届ける者たちの激動の一ヶ月。

時代は現代の消費社会、買いに出掛けずともネット通販でポチっと購入アマゾン大河から飛脚を商標に持つ一級河川佐川どんどんどんぶらこ、次から次へとれて来る荷こそまさに物流流量が多すぎればたちまち決壊してあえなく撤退クロネコの大和魂に譲って後を託すも受け皿が受けきれない状況に変化なし、かくなる上は賃上げ値上げの二者択一。

注文がある限り廃業はない配送業も運ぶ人手が足りなければ負け戦敗走業宅配エリアが拡大されたからには一個また一個と減らしたいのに時間指定の配達先に限って応答なし。ペライチの不在票を残して後に回すも荷受け人が受け取れない状況に変化なし、朝四暮三配達ペースが崩れズレ込み朝三暮四なら故事通りだが朝二暮五じゃ仕事が終わらず途方に暮れる。

かと思いきや一時間も経たぬうちに電話に次ぐ電話、「出んわ!」で済まない鬼電てんやわんやのてんてこまいまい、「戻って来い」の訴えを棄却できずに「はい、そうですか」と快活再配達、行きつ戻りつしながら進んでいくさまはさながら双六、BGMに流れるは三百六十五歩のマーチ。とにかく「待たせず・怒らせず・持ち越させず」こそ文字通りの飛脚三原則

やっとこさ配達を終えりゃあんよの痛いこと痛いこと、全身に残る疲れもまたうんゆ業界の宿命、それでも朝がくりゃ「えんやこら!」と満身創痍の身体に鞭打って今日も配達へ。用意しながら口ずさむは替え歌。

しあわせを待ってる日だよ
だから届けにゆくんだね
一日一周 三日で三周
三軒進んで 二軒もどる
宅配は ワン・ツー・パンチ
汗かき べそかき 運ぼうよ
あなたのまわった家々にゃ
きれいな笑顔が咲くでしょう

えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!