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医師の「理想」をカタチに。間接的に患者さんにも貢献できるご提案を志す、医療ITシステムコーディネーター

こんにちは。目利き医ノ助note編集部です。
目利き医ノ助では ” 専門のコーディネーター " が先生方のご相談を受け最適なシステム選びのお手伝いをしています。
そこで、ご質問をいただくことも多い「どんな人がコーディネーターをしているの?」という疑問にお答えするべく、またしてもインタビュー記事にしていただきました!
是非ご覧ください。


「製品を販売しない中立な立場」をコンセプトに、クリニックの医療ITシステム選定をサポートしている目利き医ノ助。今回は、実際に医師やクリニックの相談を承る「コーディネーター」としてご活躍されている滝村さんにお話を伺います。

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【滝村 卓(たきむら すぐる)さん】
会計分野のDX化に9年間、Webメディア運用に5年間従事し、システムコンサルティングや営業マネジメント、コンテンツマーケティングによる集客・販売促進の企画などに携わった後、中央ビジコム株式会社に入社。趣味は植物鑑賞と美術館へ行くことで、医療ITシステムのみならず、クリニックを彩る「お花選び」の相談に乗ることも。


医師が「本当に知りたい情報」をお伝えするコーディネーター

――本日はよろしくお願いします。早速ですが、滝村さんはコーディネーターとしてどのようなお仕事をされているのですか?

滝村:コーディネーターの仕事の大きな部分は「医師との面談」です。面談の中で先生方がどのようなクリニックを作りたいのか、描いている理想をお伺いし「システムを決める基準」を定めます。ここに、システム選定までの時間の大部分をかけています。

 それを定めずシステム選びを始めてしまうと、基準が曖昧なので失敗しがちです。医師が思い浮かべているシステムとメーカーさんの認識にズレが生じ、「導入後にイメージと違った」という事態はよく耳にします。

しかし、その前に目利き医ノ助を挟んでいただくと、製品を販売するメーカーではなく、俯瞰した立場でヒアリングを行うので、先生のイメージやニーズの確認ができます。つまり、導入を検討する一歩手前で双方の足並みを揃えられるんです。私はこの「足並みをそろえる作業」が目利き医ノ助コーディネーターの大きな役割だと考えています。


――実際に面談をしたクリニックや医師の反応はいかがですか?

滝村:目利き医ノ助は「製品を売らない中立的な立場」をコンセプトとしていますが、そこに共感してくださる先生方が多いように感じます。特に喜んでいただけるのは、「他院の事例を選定の段階で提示できること」です。

というのも、「成功事例」はメーカーさんのホームページなどに掲載されている場合もありますが、「もっとこうすれば良かった」という失敗談のような情報が開示されていることはほとんどありません。しかし、それはシステム導入を検討するクリニックが最も欲しい情報のひとつです。その情報があれば、より良いシステム導入のための工夫ができますから。

その点、私たちは全国各地であらゆる形態のクリニックの相談を受け、お困りのポイントや導入時の注意点を蓄積しています。うまくいったケースもうまくいかなかったケースもお伝えが可能です。そして、相談を受けた結果「導入の提案をしない」という選択肢をご提案できるのも、製品の販売を目的としない目利き医ノ助コーディネーターだからこそだと考えています。

撮影場所:Weworkリンクスクエア新宿


――「システム導入の提案をしない」というご提案とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

滝村:例えば「予約システムを導入したい」という相談があったとしましょう。しかし、実際にお話しを伺ってみると「それは予約システムを導入しても解決しないのではないか…」ということもあるんですね。

 そんなときは、これまでご相談を受けたり、システム導入のお手伝いをさせていただいたりしたクリニックの事例を参考にご提案をさせていただきます。「まずは予約システムではなく電話の仕組みを変えてみませんか?」「インカムをうまく使っているクリニックがありましたよ」といったように。
先生方が求めているのは必ずしも「システムの導入」ではありません。私は「先生方が本当に知りたい情報をお伝えして、クリニックの課題解決につながるご提案をする」という考えを軸に、お悩みを伺いたいと考えています。
 

会計分野から異業種である医療分野の世界へ

――以前は会計分野のDX化に従事されていたとのことですが、全く分野の異なる医療業界に転身されたのには、何かきっかけがあったのでしょうか?

滝村:実は、東日本大震災が発生したことが、きっかけのひとつなんです。震災直後は、東北の良さを発信したり、ECサイトを作って販路を拡大したり、といったマーケティング領域のニーズが急速に高まりました。

もちろん、長年勤めてきたのでコンサルティング領域の仕事に自信はありました。しかし、私は東北出身だったこともあり、マーケティング領域のニーズを強く感じたこと。そして、その「ニーズに応えたい」と考えたことから、未経験ながらマーケティングの会社に就職する道を選んだのです。そこで医療分野を担当したのが医療との接点でした。

––―未経験から医療分野に携わることになったのですね。会計分野とのギャップなどはなかったのでしょうか?

滝村会計と医療は全く異なる分野なのですが、実は似ていると思っています。会計事務所には会計士や税理士さんがいて、そのお客さんは企業や事業主さん。一方で、クリニックには医師がいて、その先には診察をする患者さんがいますよね。

私の仕事は昔も今も「先生」と呼ばれる、専門性が高いサービスを提供している方々を支える仕事なんです。もちろん、携わる分野が変わって覚えなければならないことはたくさんありました。しかし、どちらもいわゆる「縁の下の力持ち」的な存在なので、私の中で違和感はあまりなく、スムーズに移行できたと思っています。


–―分野は違えど会計と医療は似ているとのことですが、目利き医ノ助コーディネーターの仕事に活きているスキルはありますか?

滝村:前職も現職も一貫して「先生」からお話しを伺い、方針を聞き取る仕事です。その点に関してはコミュニケーション能力の経験が活きていると思っています。

実際、先生からお話を聞くとき「どうですか?」と問いかけると、意外と返答が出てこないケースも多いんです。例えば、新規開業する先生に「患者さんは1日に何人くらい来る想定ですか?」と聞いても、固まってしまいがちです。しかし、「1時間で何人くらい診察できますか?」「10分で2人くらい診られますか?」と、徐々に落とし込むと「いや、3人くらい診られる」と具体的な考えが伺えます。

 どういうボールを投げたらどんな情報が出てくるのか、ひとつずつ紐解くことを意識し、医師自身も気づいていないようなニーズを引き出せるような会話づくりを心がけています


システムが発展しても大切なのは「人」

――医療従事者ではない俯瞰した立場から見て「選ばれるクリニック」になるためには何が必要だと思いますか?

滝村:これは本当に難しい質問で、私がお聞きしたいくらいです(笑)。
医療ITシステムの選定に携わっている私が言うのもなんですが、個人的には選ばれるクリニックに根幹として大切なのは最終的に「人」にあるのではないかと思っています。「先生が親身になって話を聞いてくれた」とか「事務さんの対応が良かった」とか、今は患者さんがスタッフの情報を探せる時代です。

とはいえ、医療の現場は忙しいのが常。スタッフさんも余裕があれば丁寧な対応ができますが、難しいタイミングもあるでしょう。そんな忙しいスタッフさんを助けるのが医療ITシステムだと思うんです。

実際にクリニックのお悩みを伺うと「この業務を担当していたスタッフが辞めてしまったからシステムに頼れないか」といったように「人」に絡んだ相談が多い印象があります。それをシステムがお手伝いして解消できれば、スタッフさんにも患者さんにも「選ばれる」クリニックづくりができるのではないでしょうか。

撮影場所:Weworkリンクスクエア新宿


――最後に、医療ITシステムの導入に悩まれている医師にメッセージをお願いします。

滝村:システムの導入に悩まれる先生方にお伝えしたいのは「いきなり100点を目指す必要はない」ということです。クリニックをシステム化するとなると、「全てをデジタル化しなければならない」と思われている場合も多いのですが、限定的に始めて広げていくほうがうまくいくケースもあります。

人も違えば立地や導線も違うので、ひとつとして同じクリニックはありません。ですから、クリニックによって目指すべき最初のスタートが異なるのは当たり前なんです。

全国の先生方と面談をする中で、近年は患者さんの満足度を考える医師が増えたように思います。患者さんの満足度向上を考えると、「医療システムの導入に興味はあるものの、懸念点も拭えない」と悩まれる場合もあるでしょう。そんなお悩みは我々、目利き医ノ助コーディネーターにお聞かせください。最低限のシステムから、活用度を上げていくべきシステム、そして「導入しない」という選択肢も含めて、ひとつひとつのクリニックに合ったシステム化の計画を一緒に考えさせていだきます。

目利き医ノ助では医療ITシステムに限らず、全国のクリニックのご相談を承っております。「システム選定の意見を聞きたい」というお話から「何から始めたら良いかわからない」といったご相談まで、医療ITシステムの専門家であるコーディネーターが伺います。ご相談は無料ですので、ぜひお気軽にご利用ください。

【取材協力】
ライター・編集:遠藤たまこ
医療関連の執筆を中心とするフリーランスWebライター。医療事務として大学病院・地域急性期病院・クリニックとさまざまな形態の医療機関に従事し、診療報酬請求から医師の診療補助まで多岐にわたる業務経験を持つ。


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