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【DXリアルと予測】#01:クリニックの受付はどこまで省人化できるのか?

はじめに

目利き医ノ助の運営を通して全国のドクター方から様々なDX化、業務効率化の相談をいただいている立場から、クリニックにおけるDXのリアルな現状と、私なりの今後の予測をざっくりラフに書いていき、クリニックに関わる方々に少しでもお役に立てればと思いシリーズモノでお伝えしていこうと思います。

#01として受付はどこまで省人化できるのか ?について書いてみようと思います。


受付スタッフ問題

クリニックの受付スタッフの適正人数確保は大変ですよね。
受付の適正人数は診療科目、患者数などによって変わりますが、経営的な目安としては『人件費率=売上の20%前後』と言われると思います。

実際に私が関わってきたクリニックでも、2名/日体制を3人~4人のシフトで回しているクリニックが多いように思います。(常勤、パート、医療事務経験の有無などにもよりますが、、、)

ただ、この人数を確保していても、急な病欠や、繁忙/閑散のアンバランス、離職による欠員など、どこを適正人数とするか悩みは尽きないのではないかと。

また近年の受付スタッフの採用難、離職しやすい環境などから、ドクターからは、『できるだけ人数を減らしたい』『専門知識(医療事務経験)がなくても対応できるようにしたい』といった声をよくいただきます。

受付の業務内容

では実際に受付ではどんな業務が発生しているのか見てみましょう。
受付の主な業務として、『受付』『会計』『患者応対』『TEL応対』『レセプト業務』に分けてみます。

受付業務
・来院した患者の診察券、保険証、受給券の確認
・問診票の案内と受取り→スキャン保存
・予約内容の確認
・検温
・カルテ出し(電子カルテ上での受付処理と行き先の振り分け)
・申し送り内容の確認

会計業務
・入力後カルテ内容の確認と算定項目のチェック(追加入力)
・会計金額の授受
・処方箋受け渡し
・レジ締めと日計表の照合(業務後)

患者応対
・予防接種や検診の受診票確認
・紹介状の受け渡し
・次回予約の取得
・症状や薬に関する質問対応(一次対応)
・その他質問対応

TEL応対
・診療時間の問合せ
・診療内容の問合せ
・予約の変更
・役所、保健所、審査機関への問合せ
・業者からのTEL応対
・新保険証の確認(保険証期限切れ患者)

レセプト業務
・病名漏れチェック
・算定内容チェック(同時算定不可、算定期間・回数チェック)
・保険情報チェック
・送信作業(毎月5日~10日)

ざっと書き出してもこれだけの業務があり、これらすべてを人の手(判断)で対応するとなると、特に繁忙期のピーク時間にはかなりの人数が必要になり、スタッフの負担も大きくなります。

現状のDX化

次に上のような業務がここ数年どのようにDX化されているかを見てみましょう。皆さんご存知の通りかと思いますが、『予約システム』『電子カルテ』『セミセルフレジ・自動精算機』はかなり導入が進んでいます。
それらをフル活用すると下記のようになります。

一般的なクリニックの業務フローと関連システム

つまり、『受付業務』『会計業務』はかなり省力化が可能です。
また、『TEL応対』は『IVR(自動電話応答)サービス』を使うことで人が対応する電話件数を削減でき、『レセプト業務』もレセコンや電子カルテの機能でカバーすることが可能です。

ただ、注意しなければならないのが、各業務において『省力化』はできても『対面での患者応対』があるため、単純に人数を減らす『省人化』までは出来ていないクリニックが多いとと思います。

今後のDX展望

さて前置きが長くなりましたが、近い将来受付業務がどこまで省人化につながる発展をしていくのかを私なりの予想をお伝えしたいと思います。

キーとなるのは、皆さん想像の通り『AI(Artificial Intelligence)』に加え『AR(Augmented Reality)』や『RPA(Robotic Process Automation)』です。

・受付業務の将来

例えば現状だと有人対応になってしまう『患者応対』も『AI』対応のバーチャルスタッフがモニター越しに会話できる仕組みもすでに一部導入され始めています。(https://www.tifana.ai/products/aireception
現状の再来受付機の発展型として予約システムメーカーがオプションとしてサービス化してくる可能性が高いのではないでしょうか。

・電子カルテの将来

AIの活用はこれだけに留まらず、電子カルテに搭載されると、ドクターと患者のやり取りを音声認識し、要約してSOAP形式でカルテ記載をしてくれたり、クラークのように仮オーダーを立てたり、紹介状の文書、指導内容の文章を作成してくれたり。

・予約システムの将来

また、予約においても過去の傾向から、来院し易い日時を候補として誘導したり、キャンセルで空いた予約枠に対し、来院できる可能性が高い患者へ予約誘導のリマインドを流したりできるようになる可能性は非常に高いと思われます。

・その他業務の将来

また、レセプトチェックやレジ締めなどのルールに則った確認・入力作業はAIだけでなく、RPAに処理を覚えさせることでミスなく確実に処理を完了させることができるようになります。

AIはクリニック単位で学習させることで、スタッフやドクターの分身を作ることも可能で、正に『省人化』のための最有力なアイテムとなるのではないでしょうか。

さいごに

ここまで省力化、省人化につながる仕組みについて述べてきましたが、患者さんは感情があるということは忘れてはならないとも思います。
熱がある、◯◯が痛いなど、体調の不良=メンタルも弱っているということ。

経営的には省人化を進めたいが、すべてシステムに任せてしまって人を削るだけでは患者さんに寄り添うことはできず、結果としてクリニックの評判を落としてしまう可能性もあると思います。
おそらく、ここ5年程度はどんどんシステム化、DX化が進むと思いますが、それらが当たり前になった後には、有人対応の質(ホスピタリティ)が差別化ポイントになる時代が来るのではないでしょうか。

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