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【前編】医療ITシステムって結局どうするのが正解?将来を見据えた有用な使用方法に迫る!

こんにちは、目利き医ノ助note編集部です。
今日は、「クリニックITの専門家」としてインタビューしていただいたのでご覧ください。


保険医療の向上を図るためにデジタル化が推進されている医療分野。2024年の診療報酬改訂が間近に迫り、クリニックの経営は厳しくなるという声もあります。

そんな中で、今後のクリニック運営における医療ITシステムの立ち位置と、有用な医療ITシステムの使い方について「医療ITシステムの専門家」である目利き医ノ助の事業責任者の松岡さんとコーディネーターの加藤さんにお話しを伺います。

【松岡 敬介さん】
中央ビジコム株式会社にて電子カルテを販売する営業職として15年従事。2022年に同社にて目利き医ノ助の事業がスタートすると、事業責任者として、クリニックの相談対応から広報活動まで幅広く取り組んでいる。

【加藤 美潮さん】
目利き医ノ助コーディネーター。看護師として大学病院の集中治療室に勤めたのち、治験コーディネーターとしての仕事を経て中央ビジコム株式会社に入社。前職の「現場の感覚」を活かして相談を承っている。


――今後クリニックの経営は厳しくなると言われていますが、安定した経営を行うためにはIT化が必須ですか?

松岡:よくお話しするのは「ルーティン化できる仕事に関してはシステムに任せるべき」ということです。「人の経験やスキルに頼りきりになってしまっている業務をいかにして減らすか」が鍵となります。実際に、ベテランスタッフの経験を頼りに日々の業務が回っている、というクリニックも多いのではないでしょうか。

もしその人が突然退職することになったら「クリニックはこれまでどおりの診療を続けていけるかどうか」を考えてみてください。1人のスタッフが不在なことによって、1日100人診察できたところが50人しか診られない、となるととんでもないロスですよね。

しかし、システムで人間のスキルや経験を補えれば、急な退職や休みによる損失を減らせます。医療は特に女性が多い現場です。出産や育児などによって、突然休まざるを得ない場面も多々あるでしょう。加えて、全ての業務を人間の手によって行うのではなく、ルーティン業務はシステムで一元化することによって、ミスなどのリスクを最小限にできるメリットもあるのです。

――ルーティン業務は可能な限りシステム化すべき、ということでしょうか?

松岡:システムの導入にはコストがつきものなので、どこもかしこもシステム化するのは難しいでしょう。しかし、長期的な目で見るとやはり人件費のほうが比重は高いです。クリニックの状況や今後の展望を整理し、システム化すべき部分は費用をかけると、より良いクリニック運営ができるようになるでしょう。

とはいえ、その「システム化すべき部分」を見極めるのは難易度が高いかと思います。そんな時に目利き医ノ助にご相談いただければ、ご希望なども伺いながら理想のクリニックづくりをお手伝いさせていただきます。

――システムを導入すれば人件費は大幅に減らせるのですか?

松岡システムを導入したからといって、これまで3人分かかっていた人件費が2人分に減らせるわけではありません。なぜなら、1つのシステムで1人分のスキルや経験を補えるわけではないからです。

しかし、塵も積もれば山となり、システムを掛け合わせるとトータルで0.5人分程度の業務が削減できます。その「浮いた0.5人分をどこに使うか」が重要なんです。

近年は「クリニックは患者さんに選んでもらうもの」という考えが強くなっています。インターネットの発達によって、クリニックの特徴や口コミといった情報を患者さんが自分で入手できる時代です。

0.5人分の業務が浮けば、スタッフにも余裕ができ、患者さんへのホスピタリティを向上させられます。その結果、患者さんの満足度がアップし、最終的に「選ばれるクリニック」の導線づくりが可能です。

また、スタッフの負担が軽減できれば、離職率も下がります。近年は人口減少などの理由から人材採用そのものが難しくなっているので、離職率低下はクリニックの課題のひとつです。このように、人件費を劇的に減らせなくとも長期的な目でみたときに、システム化がクリニックの経営にプラスの影響をもたらす要因になり得ます。

――クリニックのIT化を進めた結果、既存の患者さんが不満を抱くことはないのでしょうか?

加藤既存患者さんがクリニックの変化についていけない、という可能性はゼロではありません。しかし、仮に患者さんがクリニックのシステム化に不満を抱いたとしても「このクリニックの先生に診てもらいたいから」と納得するか「システムが使いづらくて嫌だから別のクリニックに変えよう」と離れていくかのいずれかです。

一方で、患者さんの不満の対象がシステムではなく「人」になってしまうと厳しい面があります。例えば「最新のITシステムが揃っているものの事務さんが冷たい」という口コミのAクリニックと、「システムは分かりづらいが看護師さんが丁寧に対応してくれる」という口コミのBクリニックだったら後者のほうが印象は良いですよね。

 私自身も看護師として働いた経験から身に染みて分かるのですが、医療従事者が患者さんへ良い対応ができるかどうかは、その時の余裕の状態に左右されてしまうこともあります。もちろん、最善の対応をすべきなのは重々理解していますが、たくさんの業務を抱えて走り回っているときに余裕はなくなりがちです。

しかし、「どうしても人間でなければできない仕事」以外をシステムに任せることによって、余裕を生み出せます。その余裕を患者さんへの対応に向けられたら「このクリニックに通い続けたい」と思ってもらえる、良い循環が作れるでしょう。

後編では医療ITシステムによる人材育成や離職率低下の効果、そして目利き医ノ助の今後の展望についてお話しします。乞うご期待ください!

目利き医ノ助ではクリニックに関するどんな些細な問題でもご相談を承っています。ご相談は無料ですので、興味を持っていただけた方はぜひ、お気軽にホームページよりお申込みください!

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【取材協力】
ライター・編集:遠藤たまこ
医療関連の執筆を中心とするフリーランスWebライター。医療事務として大学病院・地域急性期病院・クリニックとさまざまな形態の医療機関に従事し、診療報酬請求から医師の診療補助まで多岐にわたる業務経験を持つ。


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