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【ばいきんまんとえほんのルルン】感想文

観てきました。まず初めに結論からいうと…最高です。鑑賞直後にこんな感極まったポストを行ってしまうほどに。

このように、私の感想文にはばいきん強火オタクによる絶叫と絶賛しかありません!!!ご注意ください!!!!!

さて遡ること約半年前、「今年の映画はばいきんまんが主役?!」みたいな第一報とともに「どうやらアンばい共闘展開らしい」という情報解禁があった時、自分は心がふたつある状態だったんですよね。

ひとつは、
ばいきんメイン映画&共闘激アツじゃね〜〜〜か!!!とウキウキでサンバ衣装に着替えはじめる心。
もうひとつは、
ばいきんメイン映画は良いんだけど「愛と勇気の戦士」ってどゆこと?ばいきんまんは最強の「正義の敵」なんですが大丈夫そ?????
というめんどくさ強火オタクの心。

まあそんな葛藤があったので…予告動画もなるべく見ないようにして現地に赴いたわけなんです。アンパンマン映画公式くんってネタバレを恐れないところがあるじゃん。
結果は前述の通り最高でした👍ということで…心置きなくサンバ衣装で舞い狂っています!!!!!!

ネタバレなしで少しだけ述べますと、今年の映画はほんのちょっぴり大人向け。
大きな困難にぶつかったり、大失敗をした時に「自分には無理だ」とすぐに諦めず何度でも挑戦すること。考えて、工夫すること。そして信頼できる誰かを頼って協力すること。
頭で解っていても実際には難しかったりするんですが、(むしろ大人になればなるほど難しいかも)壁を打ち破る上でとっても大切なことを改めて教えてくれる、そんな素敵な映画でした。

大事なのは努力と工夫!

以下はネタバレ長文になりますので未見の方は自己責任にてお願い致します!!
また、絵だけをサクっと見たい方はpixivへどうぞ💁💜


■ OPバトルは総力戦

本編にちなみ、絵本のお遊戯朗読会(?)が開催されているイベント会場に、ばいきんまんがカッパラスで殴り込んでバトルスタート。
お祭りグルメを奪い取って「おいし〜〜!」とニコニコする姿がかわいすぎて…いくらでも食べな?🥹(ダメです)

今回のバトル、BGMの音ハメがすっごく気持ち良くて楽しかったです!パーカッションでカメラが段階ズームしたり、リズムに合わせて打撃のタイミングが乗せられてたり…ということに気づいたのは2回目鑑賞時なんですけどね。

1回目の時は月をバックに振り返るアンパンマンのカットのあまりのカッコよさに脳を焼かれ、そのまま目まぐるしいバトルシーンに入ったのでそれどころじゃありませんでした。
3パンたちだけじゃなく、かつぶしまん、ナガネギマン、しらたまさん、こむすびまん、ハンバーガーキッドとやきそばパンマン…という、その場に居合わせた「戦える」メンツの総力戦はやっぱり華やかで楽しくてテンション上がりますね❤️

ちなみに朗読されてた絵本、まさかのどろんこ魔王登場には笑った。

笑顔かわいいんだね

■ イケ菌ポイント詰め合わせセット

まず言いたいのはこれです。
今作には「ばいきんまんのここがカッコいい!」ポイントがこれでもかと詰め込まれていました。もしかしてこれってかびるんるんが作った映画?

具体的に列挙してみますと、
・かわいい
・負けず嫌いである
・不屈の精神を持っている
・努力家である
・凝り性である
・前向きである
・天才発明家である
・凄腕操縦士である
・ワンオペが得意で、割と1人で何でもできる
・自分のことを最強だと信じている

他にもいっぱいあるんですが今回主軸になっていたのはこの辺りかなと。

もちろんばいきんまんだって、「こんなのやーめた」って投げ出すことも多々あるんですけど、ここは!と決めた一点に対しての執念深さ、目的達成に向けて労力を惜しまず妥協を許さないフルパワーぶりは本当にいつ見てもかっけぇ〜〜〜…

おれさまは世界で1番強いんだ!アンパンマンには何度も負けたが…それでも1番強い!
というセリフにもそれが詰まってますよね。そうだよね、諦めて完全敗北を宣言しない限りまだ勝負は続いているもんね。

今回も一度投げ出して帰ろうとしたもののルルンちゃんと共にこの本の世界に残り、すいとるゾウと戦うことを選んだのも「最強の自分がナメられたまま帰ってたまるか」の気持ちが大きかったんじゃないかと思っています。こんなやつに負けを認めたんじゃアンパンマンには勝てないぞと。
あとはきっと無自覚だけど「困っているルルンを放っておけない」気持ちもあったんじゃないかな。一緒にウッドだだんだんを作り始めてからは特に。

「勝つにはメカが必要だ」となり、材料調達のため大きな木のお城に登る道中で葉っぱエレベーターから振り落とされたばいきんまんがルルンちゃんをしっかり助けるところも爆イケなのですが、
その後「最初っからこうすりゃよかったんだ!💢」
とぼやきながら素手ロッククライミング(!?)を始めるシーンが地味にめちゃ好きなんですよね。

ほぼ垂直の壁を命綱なしで…⁉️

気が遠くなるような高い場所でも、ここを素手で登らなきゃいけないのか…😨と考えるよりも先に動いてる。他の手段がないと解ったからには1秒も迷わない、なぜなら勝つために必要だから!というこの判断のスピード感がめっちゃかっこいいと思うんです。惚れたね。(0秒ぶり5億回目)
ちなみにメソメソ泣きながらそのロッククライミングについていくルルンちゃんも相当すごいと思うよ。上りきってるし。普通はそんなん無理だよ、自信持ちな?

あともう一つ言っておきたいイケ菌ポイント…
それはメカを操縦する姿がガチでかっこいいこと。ほら、モテる男子の条件によく「車の運転が上手い」みたいなの挙げられたりするじゃないですか。スマートな駐車にキュン♡みたいな。一般論として。
であれば「バイキンメカの操縦が上手い」というのもかなり強力なモテポイントと言えます。幼女期の自分はそれで落とされたと言っても過言ではないですからね。
ウッドだだんだんのバトルシーンですいとるゾウの両牙を掴み、どりゃぁー!!と引き倒すシーンは操縦席のばいきんとウッドだだんだんがシンクロしてもうたまらんカッコ良さですよね〜〜〜!!!😭😭😭
あんなに強くて怖かったすいとるゾウに初めて膝をつかせたんですよ?!?!こちらはばいきんまんとルルンちゃんが苦労してメカを作る過程までずーっと見てるわけですから感情移入もひとしおです。スタンディングオベーション不可避。もちろん心の中でね。
まあその後やられちゃうんですが…一矢報いたことに意味があるのです。

その他個人的ときめきポイント…全部書いてたら文字数ヤバなので絵でふんわりと感じてください…

いろんなかっこいいばいきん

■ 反撃の象徴 ウッドだだんだん

そんなウッドだだんだん建造シーンは、今作の大きな見せ場のひとつ。
…でもあり、かなり大人向けのシーンでもあります。そもそも多くのちびっ子はこのあたりで気づくんですよね。
「あれ?アンパンマン全然出てこなくね…?」と。
(インタビューによるとアンパンマン不在タイムは30分あるらしい)
でもごめんね幼児先輩たち、あのシーンには今作の重要なメッセージがぎゅーっと詰まってっからさァ!!!

まずね、ウッドだだんだんの材料が「あの世界の枯れ木と鉄」であること自体がめちゃくちゃアツくないですか?!?!?!
すいとるゾウに枯らされた森と、それによって妖精たちが消え廃墟となった城。それらは言うなれば世界が蹂躙された後に残った死体に等しいものだったんだけど
確かな加工技術を持つばいきんまん、そして妖精の生き残りであるルルンちゃんが手を加えることでまた新たな役割を得て、反撃の大きな一手になる…という脚本があまりにも美しくて渋すぎた。
圧倒的な暴力に知識と工夫で対抗するのもカッコいいよね。そんなわけで反撃の象徴と書きました。そう思っている。

最初に城に来て、辺りを見回したばいきんまんが「なんだ、木と石しかないぞ」って呟いてるシーン…辺りのオブジェクトをもはや「素材」としか見てなくて、既に技術者モードに入ってて最高。
そしてシャンデリア落下からの鉄素材発見で「ぃよし!!!」と即スイッチ入るのも大好き。メカにはやっぱり鉄だよなぁ!!

このあたりで自分は、映画「勇気の花がひらくとき」で鉄の星に不時着したばいきんまんを思い出したんです。ノリノリで星を乗っ取り、先住民をそそのかし、超巨大メカを建造させたくだり。あの時もばいきんまんは突然知らない土地に知り合いゼロだったけど、豊富な鉄と工具、重機があったから得意分野で無双できたんだよね。
今回はその時と違って基礎のメカもない、使える素材も限られ、人手も道具もほぼない状態。じゃあどうするか?となったとき
諦めるんじゃなく「自分で作る」となるのがばいきんまんの世界一かっこいいところ。まさにDIY(Do it yourself)精神!!!
とはいえいきなり炉を組んで鉄を溶かし始めたあたりはびっくりしすぎて笑っちゃったんですけどね。そこからやるの?!?!?!?!w w w w wマイクラかな?

そんなこんなで危なっかしいルルンちゃんを怒鳴りつけておとなしくさせ、真剣な表情で夜通し鋳造し、ついに完成したガチ目の大工道具たち。そのガチさに「フフッ…」となる大人たち。水平器まで作ってると思わんやん。
そしてここからが大好きなシーン。自分で作った斧を手にした瞬間、ばいきんまんはめっちゃいい顔で「やーるぞーっ!!✨」と飛び跳ねてすぐさま片っ端から枯れ木を切り倒していくんですよ。
ずっと鉄を打ってて疲れてるだろうに、さらにはここから先も膨大な作業が待っているのに、しんどい様子ひとつ見せずに、むしろちょっと楽しそうに黙々と作業をこなしていく。
なんかそのばいきんを見て思ったんですよね。
ああこの子、本当に「物作り」が好きなんだなぁと…。

好きこそものの上手なれ、とは言いますが。宿敵であるアンパンマンにメカで挑み続けているのを見ても、ギミックとか変形とか装飾とかいちいち凝ってるもんな。シチュエーションに合わせてみたり、機能面を強化したり…メカだけじゃなく多種多様な変装にも熱心だし。根っからのクリエイターなんですよね彼は。
肝心の「アンパンマンに勝つ」という目標がなかなか達成されなくても、ばいきんまんの胸に灯る創意工夫の炎が消えることはなくて。「結果が約束されていないことを楽しんで頑張る」のがいかに難しいか、そこそこ生きてる大人には実感としてわかってしまうので、この姿がめちゃ刺さるんですよね…
自分も一応…何かを作ったりする人間の端くれの端くれなので…
ばいきんまんの「やーるぞーっ!!🪓」の精神は心に持ち続けていたいなと思ったのでした。

あとは「え!!この限られた条件でメカ建造を!?」「出来らぁっ!」みたいな、大変さを強調するセリフとかが全くなくて
ん?こういうこといつもやってますけど?って感じで終始シレっとしてるばいきんまんの姿に本物の職人を感じて震えた。いやまあ、実際いつもやってるんだろうな。

てかここまで書いてて思い出したんですけどこのばいきんまんって人、
赤ちゃんの時に身一つで異星に流れ着き、そのままワンオペで城とUFO完成させてんだった。これくらい朝飯前なのかもしれない。
設計図も何もなくだだんだんともぐりん(変形ギミックあり)とUFOを完成させてるあたり、もう覚えてるんだね…何回も何回も壊れては作り直してるおなじみのメカだから…😭

ウッドだだんだん建設中のばいきんまんとルルンちゃんの「職人気質な親方とヘタレ弟子」みたいな関係もすご〜くよかったですよね。
倒壊する木材からルルンちゃんを助けた後、積極的に作業を手伝うようになったルルンちゃんを見てちょっと嬉しそうなばいきんまんとか…
大きなだだんだんを一緒に組み上げていって、完成直前の最期のトンカチ一打をルルンちゃんに譲ってあげたりとか…
多くは語らないところがまた良くて…ばいきんまんは背中で語る匠(たくみ)

ばいきん親方の現場は厳しい

完成後、
🍃「できたぁ〜!!!」
👿「ま、おれさまがほとんどやったけどな」
🍃「えー!?ルルンだって手伝ったのに!」
😈「ほ〜〜んのちょっとな!」
と言い合って2人で笑うシーンなんかはもう…2人の信頼関係がしっかり出来上がってるのがわかって…めちゃくちゃいい。あんな大きなものを組み上げるなら危険も大きいはずだし、お互いに信頼し合わないと無理だよね。コックピットにしっかりルルンちゃんの席があるところも最高。
…とか思って見てたらルルンちゃんの服がもう鳶職の方が着てるニッカポッカにしか見えなくなって来たんですけど…まさかモチーフになってませんよね。偶然ですよね?

計らずしもDIYに適した服装。

ラストシーン、すいとるゾウ討伐後にさっさと帰っていくアンパンファミリー&ばいきんを見て「ちょっとくらい復興手伝ってあげなよぉ!!😭」と思ったりもしたけど、弟子としてばいきん親方のノウハウをしっかり学んだルルンちゃんがいればきっと大丈夫だね。そうして大工魂は引き継がれてゆくのだ。

この激アツシーンを通して、いつも当たり前にそこにあるバイキンメカ、自分の住んでる家、アンパンマンを見ているテレビ、パパママが運転する車…そういうもの全てに「作った人」がいるんだよ。というメッセージが幼児先輩たちにも伝わったんじゃないでしょうか。

■ アンパンマンをよんでこい!

映画公開前から予告やあらすじで擦られまくってオタクの心を掻き乱していた問題のこのシーン。いったいどういうタイミングで飛び出すんだとドキドキしながら観ていたら納得の激アツシーンでしたね…

上述の通り、ばいきんまんとルルンちゃんは現状考えうる最大級の対策をとってすいとるゾウとのリベンジマッチに臨んだわけなんです…が、一歩及ばず負けてしまいます。ウッドだだんだん、かなりの高機動力で「チェーンナックル」「スクリューパンチ」などの特殊武器もありいいところまでいくんですけどね〜!!苦心して作ったウッドだだんだんの胴体があっけなく踏み抜かれるシーンはもう絶望です。操縦者が胸部に乗ってるエヴァ方式じゃなくて本当に良かったァ〜〜!!!
そうして、このままでは2人とも吸い込まれて終わると悟ったばいきんまんは咄嗟にルルンちゃんを離脱させて希望を繋ぎ、たった一人で、しかも生身で、すいとるゾウに立ち向かって行くわけなんですが…

男前すぎません?
自身のプライド的には「宿敵であるアンパンマンに頼る」なんて一番取りたくなかった選択のはずなのに。アンパンマンがここにいればこの状況を打開できると思えるのは、何度も戦ってきた相手の強さに対する信頼ですよね。「こうなったら…これしかない!」からの判断の速さたるや鱗滝さんもびっくり。
ただその一瞬の葛藤と、想像するだけでぞわぁあっと寒気が走るほどの拒否反応をちゃんと描いてくれているおかげで、「悪役としてのばいきんまん」の軸がしっかり守られていると感じるのでかなり好きなポイントです。

というか今作ではそのあたりのバランスの取り方がすごくうまいなと思ってて…ばいきんまんメイン映画なのでどうしても「イイ奴」の部分がフィーチャーされがちなんですが、それだけでなく悪役ムーブもしっかり忘れずにかましてくれるんですよね。これには自分の中の厄介オタクも終始ニッコリ☺️

OPバトルでの傍若無人で乱暴なばいきんまんをしっかり見せてくれるのは例年のお約束だとしても大事なところだし、
最初にルルンちゃんから人助けを依頼された時「そんなの知るか!おまえがやれ!」と即答で蹴るのも、「愛と勇気」のキーワードで毎回ゾゾ〜っとしちゃうのも、この世界にはアンパンマンがいないと知るや「じゃあおれさまのモノにできるじゃん♪」という思考になっちゃうのもワルくてかわいい。
更にはアンパンマンが来てくれたときも「ありがとう!助かったぜ😀✨」なんてもちろん言うはずもなく、
「んーおれさま…あんまり嬉しくないけど…しょうがないっ!」
という非常にモニョモニョした反応で超〜かわいい。ここのセリフ好き。ばいきんまんは誰かのために動いたとしてもやっぱり本来は敵側で…そういうしっかりした位置付けがあるからこそ重みがあるというか、映えるんですよね。【アンパンマンをよんでこい!】が!!!!!

あと…細かすぎてアレなんですがルルンちゃんが覚醒して光り輝いた時、アンパンマン(パオパオのすがた)は「わぁ〜綺麗だな〜✨」みたいな表情でニコニコ見つめているのに対して、ばいきんまんはあからさまに顔を背けて眩しがっているんですよね。
聖なる光とか星の光に対してやたら嫌がるばいきんまんというのは他のエピソードでもたびたび描かれるんですけど、本来の彼が暗くてジメジメした場所を好む存在であることを改めて感じるので好き好き大好き。

■ ばいきんまん、ルルンを守って

オタクの心を盛大に掻き乱した問題のシーンその2。

いやその前に、アンパンマンとルルンちゃんが絵本の世界に来てみたら
すいとるゾウの腹でばいきんまんが磔になっているという衝撃の光景で自分は一旦パニックになっているんですけどね。

どうして…

なんだその捕まり方は!??!!?!百歩譲って檻に入れられてるのはスルーできてもその手枷足枷のビスは誰が固定したんだよ。気になって集中できないよ!!!www
ここですいとるゾウが実はばいきんまんの過去作であることが発覚するんですけど、まあ…ばいきん作のメカならばボディに人質を固定する用のロボットアームが内蔵されていてもおかしくは…ないか。
なんだ〜妙に強いと思ったら元バイキンメカかよ〜!!そりゃハイスペックだわ〜世界一の大天才が作ってるもんな〜🥴💦(後方腕組みばいきんオタク)

そんなわけで、人質をとられてしまい攻撃できないアンパンマン。
すみません…野暮とはわかりつつ、ここも一回だけ突っ込んでいいすか。頭部攻撃すればええがな。そんなにノーコンじゃないはずでしょアンパンチは!!…いやまあ、もし自分の攻撃ですいとるゾウが大爆発でもしたら…みたいなことを心配してるのかなアンパンマンは…優しいからネ…!
そうして攻撃を躊躇するアンパンマンにばいきんまんは「自分もろともこいつを倒せ」と言うわけです。
「おれさまは何度やられても立ち上がるんだ!いいからやれー!!」
覚悟が決まりすぎている。カッコ良すぎる。
まあ、ばいきんまんにしたらこうなりますよね。せっかく呼びに行かせたのに何やってんだと。アンパンチならいつも食らって慣れてるしね。
しかしそれを言われたアンパンマンは何かを決意したように無防備なまますいとるゾウに近づき、檻を壊そうとするんですよね。ここのばいきんまんの
「こら!何やってんだ!!お前がルルンを守ってやれ!
ってセリフも良すぎる。そんな必死に…守ってやれって…守ってやれって…
そうして例の「ばいきんまん、ルルンを守って」のシーンとなるわけなんですが…

この2人の、お互いに対する長年の信頼がビシバシ伝わってきて胸がポカポカどころじゃないですよ。もう発火よ🔥🔥🔥
ばいきんまんがアンパンマンの「強さ」に絶大な信頼をおいているのは、もちろん挑み続けて負けまくって肌で感じているからなんですが…
ここではアンパンマンもまた、ばいきんまんの「強さ」を完全に信頼してることがわかりますよね。だって「ルルンを守って」って言いながら微笑んでるんですよ。「ばいきんまんを解放すれば自分が無力化されてもなんとかなる」って確信していないとこんなに穏やかに笑えないよ…
そして相変わらず、誰かのために犠牲になることに躊躇がなさすぎるよぉ……!!もっと自分を大切にして!!😭とか言ってたらヒーロー業は務まらないんだけども…!!

そうしてできた隙を突かれ、すいとるゾウのビームを受けたアンパンマンはコゾウになってしまうんですがコゾウアンパンマンあまりにも可愛すぎ。ぬいぐるみになりませんか???

頭頂部がチュンとしてるのは何なの(愛)

■ 何度やられても立ち上がる

アンパンマンに檻を壊してもらったばいきんまんは、なんと自力で手足の枷をはずして脱出。フィジカルすご。
「まだまだここからだぁ!!」と宣言してウッドだだんだんの頭部に乗り込んでウッドもぐりんに変形させ、すいとるゾウに攻撃開始するんですけど…木と石と少量の鉄だけでこんな変形カラクリを仕込めるモンなんですか???すごすぎんか???天才?(大天才です)
そしてここのばいきんまんの一連の動きがめちゃくちゃ好き。一直線に走ってウッドだだんだんの頭部に乗り込んだ時、メカの内部が傾いててちょっと坂になってて、ほんの少しバランスを崩すけど構わず走って操縦席に座る…というその細かい描写のなかに、がむしゃらでひたむきなばいきんまんの姿勢が詰まっててかっこいい…好きすぎる〜〜〜…

さらに戦いのラスト、アンパンマン復活からの反撃シーン。再度「まだまだぁ!」と叫んだばいきんまんがトンカチだけを持ってもぐりんの残骸に飛び込み、即席でシールド付きUFO(➕爆弾)を作って飛び出してくるところも激アツですよね。
トンカチ1本で残骸からUFOを!?出来らぁ!!の部分はさすがにオーバーテクノロジーすぎて公開されませんでしたが。
もぐりんで負けた時、ばいきんはすでにボロボロになって杖をついていたのに…😢そのちっちゃな体のどこにそこまでのエネルギーがあるの…ずっと作業しててご飯もドングリと謎の葉っぱしか食べてないのに😭😭😭

すいとるゾウに枯らされた森の木からウッドだだんだんを作り、破壊されたその頭部がウッドもぐりんになり、更に破壊されたその残骸からウッドUFOが作られる。まさに「何度やられても立ち上がる」ばいきんまんの生き様そのものですよね。不死鳥か。
叩きのめされて、もうダメだ(絶望)からの「まだまだぁ!」が2回も3回もあるのはマジで強すぎる。
最後の攻撃のために作るのが一番基本系のUFOであり、アンパンマンとルルンちゃんのサポートに徹してるところもまたエモいですよね……

そしてこの姿勢は弟子のルルンちゃんにもしっかり受け継がれていて…
「ルルンが守る!みんなを…この森を」と決意した後、渾身のツタ攻撃を引きちぎられ、渾身の巨大ばいきんまんも即破壊され、心が折れそうになっても決して諦めなかったね。その足掻きがしっかり時間稼ぎとなり、そのおかげでジャムおじさんたちが新しい顔を焼くことができ、勝利に繋がるわけです!!!
みんなの諦めない心が掴んだ勝利…熱い…!

私もこの映画のばいきんまんの姿勢を通じ、大切なメッセージを受け取りました。ばいきんが繰り返しルルンちゃんに訴えていた言葉…
「お前がやれ!」「お前もやるんだよ!」
「お前ならできる」「やればできる」
Do it yourself…
そう…DIYはいいぞ。ってことです。

お目目に星が輝きすぎて、最強で無敵のアイドルかと思った

■ ドキンちゃんかわいい

今回はばいきんまんが単独で異世界召喚されてしまったので、ばいきんチームのみんなの出番が少なめだったのはちょっと寂しかったですが…
いざばいきんまんが行方不明になったらドキンちゃんはちゃんと心配してパン工場に相談に来てくれるんだね。心なしかちょっと元気なさそうな様子だったのもかわいい。
そしてアンパンマンたちが救出に向かってからは完全に任せて、絵本を読みながら湖畔のロッジでバカンス🍨してるのもいつものペースを取り戻してる感じでかわいい。
あのロッジの裏をよく見ると…コキンちゃんのUFOが地面に突き刺さってて(毎回不時着するのかわいい)、ドキンちゃんのUFOが停まってるところにバイキンUFOも一緒に並んでるんですよね〜〜〜
どこにばいきんまんが転送されてきても一緒にバイキン城に帰ることを考えて持ってきてくれてるのかな…と思うとこれまたかわいい。
出番少なくてもこんなにかわいい。ドキンちゃんかわいい!!!!

■ 結局なんだったのか

今作、こまけえこたぁいいんだよの精神でスっと流されたポイントがいくつかあるので…あえて考えてみます。

・ルルンちゃんのペンダントと能力はなんだったのか

たびたび意味深に光ったり、終盤のシーンでは眩く輝いたりして明らかに何かのパワーを秘めていそうなあのペンダント。が、1秒たりとも説明ナシ!!だったので勝手に考察妄想しておきます趣味なので。
まずあれが光るタイミング。1回目はばいきんまんが倒壊する木材からルルンちゃんを守ってくれたシーン。もう1回目はウッドだだんだん出撃前、「怖い」と泣くルルンちゃんを「おれさまだって怖い、でも行くんだ」とばいきんまんが励まし、背中をポンと叩いたシーン。
そしてラスト、ばいきんまんとアンパンマンの言葉で自分を奮い立たせ、「愛と勇気の戦士」として能力解放…となるわけなんですが。
そもそもこの森の力を借りて植物を操る力というのは、妖精の仲間たち全員に本来備わっているものなんですよね。ルルンちゃんが語った話の中にも「みんなが戦っている中でルルンは怖くて戦えなかった」とありましたので、能力がないわけではなくメンタルの問題なんです。
個人的な見解としてはこのペンダントはルルンちゃんの心に連動しており、胸がキュンとすると光るんでしょうね。という冗談はさておき…
その持ち主が恐怖や迷いを越えて「誰かのために自分も何かをしたい」と思える勇気を得た時に光り輝いて力を貸してくれる補助アイテム的なモノなのかなと思います。
ルルンちゃんの回想シーンでは他の妖精たちはツタを伸ばして攻撃していましたが、ルルンちゃんのように「植物で巨像を作って戦わせる」ほどの出力は無さそうだったので、その分がペンダントパワーの上乗せなのかな〜と…🤔🤔🤔

・愛と勇気の戦士ばいきんまんとはなんだったのか

上記の、木の巨像について考えるならこれも気になるよね。どうしてこの森にそんな伝説が残っているのか。木の中の空洞にあるばいきん型巨像は誰が何の目的で作ったのか…???もうこれは絶対わかんないので、

ルルンの住む絵本の世界では定期的に外来脅威の侵略があり、そのたびにばいきん星の住人を召喚して助けてもらっている説。ただそんなトラブルが起こるのも非常に長いスパンのため妖精たちの世代もその都度入れ替わっており、今や伝説のみが残っているのでした…。

ということにしておこうと思います、自分の中で。

・すいとるゾウとはなんだったのか

すいとるゾウのルーツはばいきんまんが昔作った「失敗作」だと作中で語られておりましたが、具体的には2013年の映画「とばせ!希望のハンカチ」に登場したばいきんメカの「スゴイゾウ」ですよね。制作時にはばいきんまんもわりと気に入ってたはずなんですが(命名にも表れてるよね。かわいい。)落下の衝撃で暴走し、ばいきんまん本人にも制御不能になってしまうという…。そういういきさつから「失敗作」としてバイキン城の地下スクラップ置場に格納されていたところ、同じ場所にあったかもしれない不思議な絵本と何やら化学反応が起きて「すいとるゾウ」となったのでしょう。
そんな生い立ちを考えると、今作のすいとるゾウが「弱虫は隠れてメソメソ泣いてればいいゾ〜ウ!w」「弱すぎて話にならないゾ〜ウwww」と執拗に煽ったり、人質としてわざわざ磔にしたりとばいきんまんへの当たりが妙に強いことも、
「最強メカになるんだゾーウ!!!」と言って「強さ」への執着を匂わせていたりすることも納得がいく気がします。きっと自分を失敗作と断じて地下深くに放置した主を見返して、復讐してやりたかったんだね…
てかばいきんまんはいい加減、城の物置を整理しな?「クルンといのちの星(2018)」でも不法投棄した過去のメカがいろいろやべーことになったでしょ!反省してください!

・そもそもこの絵本はなんだったのか

マ〜〜〜〜ジでわかんない。何?

■最後に

興奮にまかせて長すぎ感想文をしたためてしまってすみません本当に。ここまで読むのかなり大変だったでしょう…読んでくださってる方、もしいらっしゃったら…ありがとうございます!!!!!!!!!!

ずっと期待していたばいきんメインのアンパン映画、これでもかというほどばいきんまんの魅力が詰め込まれた作品だったので全力で楽しみました。
今年もこうしてアンパンマン映画に狂えてよかった。映画に関わられたすべての方々に心からの感謝を。ありがとうございました!!!


(ここから先は完全に蛇足なんですけど、この感想文書いてるときにめちゃくちゃどうでもいいことを思いついちゃったんですよ。
ジャイアントスイングで投げるだけでルルンを異世界に飛ばせるなら、木と鉄で高くジャンプできる何かしらの道具を作ってまずはばいきんまんが一人で元の世界に戻り、バイキンメカを全部持って絵本の世界に再度乗り込んで無双すれば良かったんじゃないかな…って。
お粗末さまでした。)

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