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Interview with Dr. A. Kondo (1998/6/13) 8

Interview with Dr. A. Kondo (1998/6/13) 8


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そう。そこなの。で、それは、passive creativity、なんて云うんですよね。

(質問者)そこはまた先生のsupervisionの中核でもあるわけですね。

そうですね。

(質問者)君は森田流にやりたまえ、とか何だかんだとテクニックの問題にするんじゃなくて、治療をする少なくとも治療に従事する人間の中の感受性。

そうです。で、僕のことをあの、たとえば、disillusionなんて云って、disillusionだけと、まあいるんですけどね。まあ難しいですけども、そういう風に考えるんですけども、それだけじゃないんですよ。disillusionしたらそういうものが出る。まあ、その、そのdisillusionによってね、desireがありますね、素直になったりしないと、そうじゃないとできないんですね。自分の現実から解放されるということはね。まあでも一応まあそういう風にすればcreativeが出てくることによれば、そういうことをしてみれば、first stepはそうですよ。でも僕はやっぱりcreativityの方を重視しますね。

(質問者)うん。先生少し休みましょうか。

そう少しいいです。

(質問者)いいですか。

もうちょい。

(質問者)はい。もう少しここであの、一般的なトピックに移りますけども。これはもちろん森田の中の中核的なことだと思いますが、「素直」。カウンセラーや精神科医の教育にあたって「素直」ということは非常に大切である、と。心のあり方を現しているし、『素直』が治療のプロセルの中にも現れて来る、と仰っていますけども。いったい「素直」ということはどういうことですか。

そんなわけで、人から見たらpassiveに見えるかもしれないけど、自分からいうとこう、自然的なもんですね。えーやっぱりこう、いろんなことに関してえー、deceive、そしてあの、その意味をあの、あるがままに受け取っているということ。自然にresponseすること。そういう態度でいいんですよね。

(質問者)もし治療者が、ノイローゼで悩んでいる患者にもっと素直になりたまえ、と。

それを云ったってダメですね。

(質問者)ダメですか。

場合によればそれが効く時もありますけれどね。それは非常にその、なんていうか、そういうものにこう、患者が触れようとしている時にパンと云うとしますね。だけどもそんなこと初めから云ったってダメです。素直になるのは患者ですからね。

(質問者)素直になれないから来ているわけですね。

はい。で、やっぱりそれはね、患者の自然に無意識に、無意識に対する無意識なものを、患者の無意識なものを、あのね、無意識に感じる力というものがあるんですよ。consciousな、つまり、consciousに認める事になって、unconsciousに認めることがあると思うんです。これどうだろうね。云えるかな。僕はそう思うんですよ。僕はそう思っています。ふっと思っちゃう。それはunconscious。考えてもみない。

(質問者)別にどうの、こうのじゃなくて、体験としてパッと現れる、と。

内から現れる。はい。

(質問者)insideというのは、こう、自分が感じるものがあって中を見ますね。私は自分を見て。今、仰っているのは。

僕が云っているのは、出て来るものによって感じさせられる。そういうことだと思うんですね。出て来るもので、つい出て来ちゃう、ね。そこまでunconsciousかわからない。けど、出て来る。でも、それはとっても重要、formationとして、とってもcoolなformation として、originalなんですね。

(質問者)そういった面で、いい治療者というのはどういう。

そうね、やっぱり、素直な人でなきゃいけない。素直でなきゃいけない。さっき云ったように無心であることが非常に、あの、まあ自然にできる人。それからもちろん、根底的にはその、患者に対する愛というか、それはどういうことかと云うと、もっと患者を自分を包んでその、患者にも自分にもそれぞれあの、与えられているcreativityというか、そういう受ける力というか、そういう実り豊かな、そういうのに対する信頼、素直にできちゃう。

(質問者)たとえば、治療構造のしっかり明確な段階というか、森田療法の入院だとか、あるいはその、一時的なアプローチをする人、いますね。こうしなさい、とか。患者の話をあまり聞かずに、時間をかけずに、助けてあげたいという一心で、こうしなさい、ああしなさい、と。

それはね、えー的外れなことが多いんですね。当たればいいですけどね。的外れが多いんですよ。だからそれはね、あの、非常に危険ですね。非常に天才的に、人間の心がピシッとすぐわかるような人なら別ですけどね。それは非常に危険ですね。

(質問者)あの、患者にもあると思うんですけども、治療者の中にも非常にcontrolが好きな人っていうか。

あります。

(質問者)自分が治療のprocessに関してもcontrolを持っていたい人。未知なものが出てくると困る、と。そんなやり方でやって、そういう風にいかないと、嫌がっているか、いますね。

そういう人はtherapistにならないで欲しい。そういう人は一番僕はね、危険だと思う。さっき云ったように、conquestとかね。征服する。・・・しようという考え方はよくないと思うんですよ。その、今のもそれこそ、チェスかなんかみたいなもんでね、将棋の戦いみたいで、そんなものじゃダメだと思うんですね。

(質問者)もしじゃ、先生が、とっても広い治療者であることの条件ということを、こう。

それに近づいてもらいたいと思うんです。それにね。まあ、一番根本にはやっぱり、人間のそうしたこう、creativityというか、自分自身でこう、調整できるというか、constructって云ってもいいけど、何でもいいけど、僕はやっぱりその、その中の一番共通な底辺の元にあるものとしてcreativityと云っているんですね。まあ本来、constructive forceっていうとconstructって何かというと、・・・。creativityって云った方が清純な感じがしますね。fresh。

(質問者)先生、このぐらいにしておきますか。

はい。まだありますか。

(質問者)はい。いろいろありますけど。

いいですよ。

(質問者)休みましょう。

はい。


(おわり)

―近藤章久 Interview with Dr. A. Kondo (1998/6/13) よりー

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