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片手間で教える文章講座3 「ユニバーサル日本語」の校正法と表記のコツ

「バズるWeb記事の作り方」という記事を書きかけたが、思った以上に人間感情の闇に踏み込んだ(要するにゲスい)内容になったので中断する。「片手間で教える文章講座」は、せめて最初の3本くらいは、毒がなく普通にタメになる話を載せておきたい。

なので、今回は従来の記事では説明しきれなかった「ユニバーサル日本語」の校正法と表記のコツを説明する。なお「ユニバーサル日本語」とは、2020年現在の日本語ネイティヴにとって最も読みやすく、文意を容易に伝えられる日本語の書き言葉のことだ。

1.表記ブレをなくす

表記ブレとは、同じ文章のなかで同じ意味を指している言葉を、異なったひらがな・カタカナ表記や、異なった漢字変換・用語使用によって書いてしまうことだ。読みやすい文章は、極力、表記をそろえなくてはいけない。

長い文章を書くほど、意外と表記ブレは増える。

「ネイティヴ」と「ネイティブ」

「私達」と「私たち」

「米国大統領」と「アメリカ大統領」

「ウェブ」と「Web」と「Web」

「百円」と「一百円」と「一〇〇円」と「100円」と「100円」

などなど、プロでも文中の表記がブレることは多い。特に執筆中に中断・中座した場合によく起きる(記事を書いているときに大量のLINEやWeChatのメッセージを送ってくる困ったやつは異次元に呑まれてほしい)。

ほかに表記ブレは、「シリアル番号」と「シリアルナンバー」、「北京市長」と「北京市市長」のようにまったく同じ対象を無意識に別の言葉で書いたり、「スマートフォン」と「スマホ」、「東京外国語大学」と「東京外大」のように元の長い単語と略語をひとつの文章のなかで混在させたりするケースもある。

※ちなみに長い単語については、初出のときだけ「東京外国語大学」や「東京外国語大学(東京外大)」などと書いて、次からは「東京外大」で通すとわかりやすい。

また、数字やアルファベットの全角/半角を統一したり、大文字と小文字を統一したりといった作業も必要になる。英単語の場合は表記ブレ以外にスペルチェックもおこなってほしい。

大手出版社の紙媒体に寄稿した場合は、編集者や校閲スタッフがかなり頑張って表記ブレをチェックしてくれるが、作家やライター以外の仕事をしている人に、そうした機会は必ずしも多くないだろう。ちなみにネット媒体は、『文春オンライン』などごく一部をのぞいて校閲がほとんどない。

表記ブレはオフィスソフトの自動校閲機能でかなり防げるものの、過信はできない。Webブラウザ上やテキストエディタで書く場合も多々ある。ゆえに表記のチェックは、書き手が気をつけるしかない場合が多い

それでも完璧に仕上げることは難しい(たとえばブログ記事の別のエントリーと表記を100%そろえるのは、事実上無理だろう)。ただ、ある程度は意識的にできていると、文章がかなりきれいに見えるようになる。

2−1.誤字脱字・誤表記をなくす

表記ブレの修正と同時におこなうのが、誤字脱字や誤表記のチェックである。

どれだけカッコいいことを書いていても、誤字があると一気にアホに見える場合があるので注意されたい。「地帯」を「痴態」、「野球」を「野獣」とするようなIMEの誤変換や予測変換ミスにも注意が必要だ。あなたが普段どんな単語を打ち込んでいるかが読者にバレてしまう。

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