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北海道の農園が教えてくれたこと

職場のリフレッシュ休暇を利用して、北海道で農園を営む知人の元を訪ねてきました。

大自然と向き合う中、時には無力感に打ちひしがれながらも、自分たちの生活を自分たちでマネジメントしながら生きている人たち。

人も動物も作物も生き生きとしていて、私にとって「ヒトという動物」としての生き方を考えさせてくれる場所です。

一泊した翌朝、いただいた朝食の副菜は畑で採れた元気な野菜たちが中心でしたが、その横にソーセージが並んでいました。
去年、私も少しだけお世話を手伝った豚さんたちのお肉です。

名前を付け、愛情をかけて大切に育てていた豚さんたち。
屠殺場へ向かう時、普通は何かを察して嫌がるらしいのですが、ここの豚さんたちは人を疑わず素直にトラックに乗り降りし、業者の人が驚いたそうです。

食用家畜の飼い主となったのは初めてだった知人夫妻はその話を聞いて号泣し、こんなにつらいならもう飼うのは止めようかと思った、と。

そんな時、知り合いの方から
「豚は食用として神様がヒトに与えてくれた尊い存在。あなた達が飼うのを止めても、豚は産まれ、加工されていく。それならせめて彼らが生きている間、愛情をかけて幸せな日々を過ごさせてあげて。」と言われ、今年もまた新たな命を育てることにしたそうです。

私はこの農園で初めて豚さんたちと身近に接したのですが、驚くほど感情も性格も知能もあって、本当に可愛くて賢い生き物です。
昨年の生きていた姿やユーモラスなエピソードを思い浮かべて、泣きながら、心の底から感謝しながら、ソーセージをいただきました。

近所のスーパーでパックに入って大量に並んでいるお肉も、元は全て個性ある生き物。
それを忘れないようにしよう▪心から感謝していただこうと思っていても、どうしても麻痺してきてしまう。

必要な量の命だけをいただく生き方。
飽食の国で暮らす私たち皆が、そこに戻ることができたら…。

私に世の中を変える力はないけれど、せめて今のこの気持ちを忘れずにいよう。

そしていつか私も、魂が喜ぶあの土地で、自分の生活を自分でマネジメントしながら生きてみたいなー。

そんなことを考える、50歳の秋🍁



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