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療育現場からのつぶやき(7)

ものごとの理解がゆっくりな、小6のF君。
ある時キラキラした目で

「先生、この前ぼく、冒険した✨」

と教えてくれました。
聞くと、学校に向かう途中でどうしても大好きな電車に乗りたくなって、見知らぬ大人たちにタイミングを合わせて改札を通り、某市に向かう列車に乗ってみたんだとか😲❗️❗️

後からお父さんにお聞きしたところ、登校しないことで騒ぎになり、ご両親も心配する中、車掌さんが彼の様子を気にして声をかけてくれたことで無事、発見▪保護に至ったそうです。

「そうかー、それは大冒険だったねぇ。楽しかった?😊」
「うん、ドキドキした💓」

「F君のお話、先生もすごく楽しかったけど、お父さんやお母さんは何て言ってたの?」
「めちゃくちゃ怒られた (ショボン)」

「なるほどなー、お父さんとお母さんは、めちゃくちゃ心配しただろうからね。心配して、ホッとすると、人は怒りたくなるの。F君のことが嫌いになったんじゃなくて、大好きだから怒ったんだよ、わかる?」
「でも僕、電車に乗ってただけやで?(真顔)」

そこで、もし彼が朝目覚めて、お父さんとお母さんがいなかったらどう思うか?という例を出して、イメージしてもらい、次から冒険したくなったらまず両親か学校の先生に言うことを約束してもらいました。

大人の価値判断で決めつけず、子どもの視点でじっくり話を聴く

そうしてみると、気付けることがたくさんあります。
赤ちゃんが危なっかしいことをしても、大人は怒らず、むしろその状況にその子を置いたことを反省するのではないでしょうか。

実年齢が何歳であっても、わかっていない子(わかるように大人が教えていない子▪教えたつもりになっている子) の行動を、むやみに叱るのは大人のエゴです。

子どもにとって、自分のことを客観的にみて他者に説明するのは、とても難しいこと。
彼らの言動の奥にある真実を見つけて、周囲の大人たちに代弁するメッセンジャーでありたい💕と思いながら、日々、子どもたちの声に耳を傾けています。

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