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【詩】カレーは夜空の味がする

夜空みたいなカレーつくって君を待ってる。
君はニンジン嫌いっていうから、なるべく小さく切ったけど食べてくれるか心配だな。ほんのり甘口にした、かわいい味覚。帰ってくるまでぐつぐつ煮込むよ。

今日は雨だったから、ボーッとしてた。雨粒のひとつひとつが楽しそうに笑ってたけど、人間にとって雨って一体なんなんだろうね。水がこうして巡り巡って、僕の体に入ってくるとき雨粒の頃の記憶は残っていたりするのかな。

そんなことを考えていたら、君がやっと帰ってきてさ「カレーだね」って一言いって手を洗いに立ち去った。僕はわかる、嬉しいときの君の表情。僕はわかる、嬉しいときの声の高さ。隠そうとしても僕にはしっかり伝わるんだよ。

夜空みたいな味がするでしょ?って君に聞いたら、「カレーの味だよ」って言う君のそういうところが愛おしいから、毎日君と話していたいなって思う幸せ。

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