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【軍艦島】廃墟のコンクリート集団

長崎の沖合いにある、『端島』は【軍艦島】と呼ばれ、かつては炭鉱で栄えました。
海に浮かぶ「軍艦のような島」は、建物の老朽化が進み、いつまで原形をとどめていられるかもわからない、いつか見られるなくなるかもしれない。
日本最古の鉄筋高層アパート、学校、病院、映画館。
かつての繁栄を物語る、今は無人となった島なのです。

【軍艦島】とは

長崎県の西岸沿いの海底には石炭が眠っており、20世紀には沿岸のほとんどの島で採掘されていました。軍艦島は南に位置し、1890年(明治23年)から高度成長期が終わる1974年(昭和49年)までの84年間石炭の採掘をしていました。

主に三菱鉱業が経営しており、炭鉱に関わるたくさんの人々で賑わっていました。
周囲約1.2Km,面積は0.06㎢、当時の人口密度は世界一。最盛期には83,000万人だった言われています。
東京でも14,500人ほどだったいうので、大変過密島でした。
住宅をはもちろん、学校、病院の施設から、パチンコ、遊郭など娯楽施設まで兼ね備えた憧れの島でもあったのです。

2015年(平成27年)7月、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として、世界遺産に登録されました。

【軍艦島】に出発

軍艦島に上陸するためには、上陸ツアーに参加しないといけません。上陸ツアー会社はいくつかあるのですが、今回は「軍艦島コンシェルジュ」を利用しました。

いくつかプランがあって、私はとにかく「船酔い」したくない一心で、船の最上階で「船酔いしにく」らしいプレミアムプランに。
ちょい高めのプランで、どうしようかなと迷ったけれでも、この選択が後に生きてきます!
ビビりでよかった!

船が進むこと、30分くらいでしょうか。

「あれ、軍艦島やない?」

船内は軍艦島や長崎の歴史について説明してくれていました。
しかし船酔いを恐れていた私は、正面のテレビを見たり集中して聞くことができず、ずっと窓の外を眺めていました。

「あれ、軍艦島やない?」

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ゆっくりと軍艦島周辺を遊覧していきます。
遠くから見ると真っ黒な「何か」が近づくにつれて、だんだんとその姿がはっきりと見えてきました。

遠目にもわかる「廃墟感満載のコンクリート集団

広い海からそれはどこからともなく現れました。
存在感、威圧感、虚無感。


そしてここでプレミアムプランを選択して正解だったと思える出来事が。

船の前方デッキに出ていいんです!!

すみません、他のお客様は船内居残りなんですが、プレミアムプランのみ外に出て見学出来たのです。
予約するときに確認していたとはいえ、このプランだけとは思っていなかったので、このプランにして本当に良かったと思った瞬間でした。

しかし、外海のため穏やかな状態であっても、船上は揺れました。
カメラ片手に立ってみるも、揺れるというより、船が上下するというのでしょうか。
怖い気持ちを振り切って必死に写真撮りました。

無我夢中で。一心不乱に。

廃墟の島がこんなに美しく、圧倒的な存在感をもっているなんて。

【軍艦島】ついに上陸!

とうとう上陸です。
興奮が止まりません。
しかし、見学通路も時間も決まっているため、好き勝手に島内を歩くことはできません。

見るものが本当に「朽ちている」のです。
朽ち果てているわけではなく、「朽ちている」のです。
かつて人々がここにいた痕跡から、生活や話し声まで想像できるのに、この島はもう、生きてはいないのです。


次回へ続く。。


✴︎この記事は2020年、10月に行った時のものです。

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