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ずっと帰国したがっていた子供

うちの1人目の子供の話です。
※最近ブログに上げた記事と重複した内容です

言葉が分からない時期は楽しんでいた

我が家の1人目は0歳で渡米。帰国するまで平日は私と公園に行き、そこで友達を作っていた。
0~2歳の頃の友達は人種様々…ではなかったけれど、日本人以外の子ともアイコンタクトやジェスチャーで遊んでいた。
どこに連れて行っても、初対面の相手と仲良くなって勝手に楽しんでくれる。育てやすい子だと思って私は育児をなめていた。

2歳イヤイヤ期・発語のピーク

2歳過ぎの頃からうちの子も周りの子もそれぞれ母語を話すようになった。
話せる言葉の数が増えていくことが喜ばしかった。
ただ、この頃から家族以外の周囲の人に自分の言葉(日本語)が通じないことに気づいた様子だった。
相手に言葉が通じていないとわかると、気持ちが落ちてストレスになっているように見えた。

一時帰国

そんなタイミングで約2年ぶりに日本に一度戻ることになった。うちはあまり金銭的余裕がなかったので、次に日本に戻るのは本帰国。
そんな状況だったせいか、聖書に出てくる「放蕩息子」のエピソードのように、日本の親族・友人には普段以上にちやほやしてもらった。

毎日家族以外英語の環境から日本語だらけになり、子供の言葉はものすごい勢いで増えた。同時に自我が芽生えたのか、自分の意思や要求も言うようになった。

イヤイヤ期の要求が通りやすい環境×日本の魅力的なテレビ・玩具・食べ物


子供の中で 日本が「とても良いところ」になった。

一時帰国から戻って癇癪が頻発

アメリカに戻った後、私を待っていたのは毎日「日本に行きたい」と泣き叫ぶ子供との2人きりの生活だった。
一時帰国の間にアメリカ国内で引越があったので、現地での友達作りもまた最初から。

大人の都合で住む場所を転々とさせて、日本が好きなのに帰らせてあげられないという負い目があり、「帰国」以外の要望をなるべく聴いていたら私も心がすり減っていった。

図書館の幼児クラスに連れて行けば
日本の支援センターの幼児クラスを思い出してナーバスになり、

教育コンテンツを見せれば「アンパンマン関連のものがない」と泣き、

「今日はどこへ遊びに行こうか?」と聞けば「日本」と即答される(そして泣き叫ぶ)

何度も繰り返される展開と地べたにひっくり返って「日本!日本!」と絶叫する子供にイライラしながらも
解決策(帰国)を講じることもできず、申し訳なさもあって真綿で首を絞められているような毎日だった。

イヤイヤ期ピーク脱出

1ヶ月以上も経つと、さすがに日本にすぐ帰れないということが幼児にもわかったようだ。
「日本帰りたい!」と泣き叫ぶ頻度は減り、
「日本…帰れないんだよね~」とため息をつくようになった。

さらに数か月経過すると、かなり落ち着いてきたが、
将来の夢を聞けば「日本で暮らしたい」と返ってくるし
またある時は、おもちゃのお金をかき集めて眺めながら
「これだけお金あったら日本までの飛行機のチケット買えるかな…」と呟いていた。

その後1年も経過すると友達と片言の英語で一緒に遊んだり
幼稚園に入るとクラスメイトで仲の良いメンバーができた。

アメリカでの幼稚園生活

子供と仲が良かったのは「英語がわからないのを気にしないでくれる子たち」。
遊びの内容は言葉の要らないおいかけっこなど。

外国人に理解のある先生とクラスメイトに恵まれていた方だと思うけど、
クラスメイトのごく一部には「英語がわからないからあの子は誘わない」という子もいた。
子供自身も、ある程度英語がわからないとおままごとやごっこ遊びに参加は難しい、と思っていたらしい。

入れてしまえばアメリカでの幼稚園生活を楽しんでいるように見えたが
「楽しむしかない」という諦めもあったのかもしれない。

帰国後、もっと日本語もちゃんと話せるようになった本人に聞くと、
「楽しいこともたくさんあったが、小さい子供同士でも言葉が通じないのは本当にストレスだった。」とのこと。

待望の帰国

このように、うちの子供は物心ついた頃から帰国を希望していた。
本帰国が決まった時は飛び上がって喜び、おそらくこれまでの短い数年間の人生で一番興奮していたと思う。
ちょうどその頃第二子が生まれ、赤ちゃん返りを予想して戦々恐々としていたが、帰国を告げた後は日本のことしか頭にない様で特に何も起こらなかったほどだった。

「英語がわかるようになれば、抜け出せるよ」という言葉をもらったことがある。残念ながらうちの子供は英語習得までに時間がかかり、幼稚園で使う簡単なフレーズの段階で本帰国になったので、抜け出しはしなかった。

現在は夢にまで見た日本の生活をエンジョイしつつ、折に触れ「日本に帰って来れた自分はなんて幸せなんだろう」と言っている。

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