社交辞令と駐妻

社交辞令と駐妻は縁が深いものだと思う。
なぜなら、日本での人間関係から切り離された異国で、夫の会社関係の人がご近所さんになったり、ママ友になったりするからだ。

駐妻の社交辞令で代表的な例と言えば、日本人仲間が引っ越していく際の「日本でも会いましょうね」であろう。
実際には本当に好きな人としか会わなくても、それで最後お互い何となく良い気持ちで別れられるなら安いものではないか。言うだけならタダ。

「配偶者の会社での立場も絡んでくる駐妻の人間関係は煩わしい」
「社交辞令まみれで気持ち悪い」
そういう意見もあるし、私も最初の頃はそう思っていた。

しかし、実際送られる側になった時、
「私、社交辞令とか苦手だから〜」と普段から主張されていた自称サバサバ系奥様に「引っ越し先も違うし、観光で行きたくもない所だから、メイさんとは二度と会うこと無いと思う!」と言われたことがある。


このBBA社交辞令も言えねぇのかよ


6歳下の私は素直にそう思ったけれど、上司の妻相手なので苦笑いするしかなかった。

こんな年寄りになりたくないな。
その強い思いから、年下の小娘相手にも無礼を働くことなく、良きBBAの道を進むよう努めるようになった。
社交辞令という名の小さな嘘で、人間関係が円滑に回るなら安いものだと考えている。

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