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モラトリアム日記② 大虐殺の歴史が今に教えてくれること

ちょうど1か月前、
私は、デンマークでの学校生活を終え、
ポーランドのアウシュヴィッツ
=ビルケナウ博物館にいた。

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ヨーロッパでのフリータイムは1週間。

デンマークの隣のドイツでゆっくりしようか、
プラハに行って、音楽に浸って
優雅な気分になろうか、いろいろ迷った。

でも、大虐殺の歴史は、
これから生きていく上で知っておくべきだと、
訪れておくべきだと感じて、
ポーランドに向かった。

アウシュヴィッツ認定ガイド「中谷さん」

せっかく行くのなら、
できるだけ多くの情報を学んで帰りたい。
そう思って、いろいろ事前に調べていると、
アウシュヴィッツには、
博物館から認定を受けている
日本人のガイドさんがいることが分かった。

旅をしている友人たちからも
情報を集めていたのだけ、
訪れた友人たちは、10人中10人が

「ぜひ中谷さんの解説を聴いてほしい。」

と言うのだ。
だから、とても楽しみにしていた。
そして経験した今、
本当にガイドをしていただいて、
カンタンには言い切れないけど、
本当に良かった。

大虐殺の歴史が今に教えてくれること

大虐殺からもう70年以上が経っている。

その時と、社会は大きく
変わっているのだけれど、
中谷さんは、大虐殺の歴史を
丁寧に伝えながら、私たちの社会と関連付け、
問題を提起してくれた。

”アウシュヴィッツは空から降ってきたわけじゃない”

ガイドをしていただいたなかで、
中谷さんは、今年1月に行われた
アウシュヴィッツ解放75周年で
生存者のマリアン・トゥルスキさんが
語った言葉を紹介してくれた。

”アウシュヴィッツは空から
降ってきたわけじゃない”

最初は「ユダヤ人はこのベンチに
座ってはならない」差別から始まり、
人々が、無関心で差別することに
慣れていった結果、
10年後には「ユダヤ人ならば、
強制収容所のガス室で殺しても良い」
となってしまった、という悲しい事実。

「無知」が人を傷つけてしまう

日本から遠く離れた土地で、
75年も昔に起きた出来事だけれど、
ここからいまの時代にも学ぶべきことを、
中谷さんは、私たちに語り掛けてくれた。

私がアウシュヴィッツ博物館を訪れた時は、
ちょうどイタリアで、コロナウィルスの
集団感染が見つかったくらいの時だった。

その時、ヨーロッパを歩いていると、
アジア人というだけで、
変な目で見られる・罵倒される、
ということが頻繁に起きていた。

友達は街を歩けなくなってしまったし、
見知らぬ人に
「コロナ」と罵られた友達もいた。

(最近、アジア人差別の話を
ニュースであまり見なくなったな
と思っていたけど、調べてみたら、、
まだまだ続いているし、拡大してるんだ。。)

何も知らないから、
アジア人=コロナウィルスの
感染源と考え、差別が起きてる。

大虐殺も、どんな人にも
当てはまり得るはずもないのに、
ユダヤ人=社会の害、という考えの元、
差別が大虐殺になってる。

根本は、一緒。
きちんと知らないことは、誰かを傷つけ、
結果、大虐殺まで生んでしまうのだ、
と深く考えさせられた瞬間だった。

これから私ができること

きちんと知らないから、
無責任な行動をしてしまったと
思ったことは、最近もある。

私は8日前から、
買い出し以外の外出を控えているけど、
その前までは、普通に街を歩いていたし、
マスクをする意識さえ、とても低かった。

幸いにも、友人と話す中で、
行動を見直す機会をもらったのだけど、
その時は、深くは何も調べず、
周りの大丈夫でしょう、
という雰囲気に流されていた。

きちんと情報を得て、
大勢の方々と違う行動を取るのって
すごく勇気が要る。難しい… 自信がない。。

でも、ひとつでも多く事実を集めて、
自分が無知であることをちゃんと知って、
調べて、罪のない方々を守るような、
責任のある行動を増やしていこうと思う。

そして、今はポーランドに
なかなか行きづらい(アウシュヴィッツ
博物館は臨時休館しているよう)
状況だけれど、ぜひ機会があれば、
中谷さんのガイドを、
ひとりでも多くの人に聴いてほしいなと思う。


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