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君は死ななくていい。就活で変えたいこと

こんばんは、めいこです。
今週は、ド直球に就活業界の「中の人」だった自分ならではの話題を。

「就活で変えたいことは何ですか?」

悩みながら書きました。ぜひご覧ください。

自分が就活で変えたいと思っていること
 -5年間変わらない「死にたい就活生」問題
 -就活で「死にたくなる」のはナゼ?
 -中途採用は、息がしやすかった
 -ワンキャリがいらない未来を夢見て

私が、「中の人」として就活で変えたいと思っていること。
既存の硬直した選考プロセス、オワハラ、機会の不平等…
挙げたらきりがありませんが、その思いをひとことで集約するなら。

就活生が「死にたくなる」ほど、キャリア選択に苦しむ現状を変えたい。

と、思っています。

5年間変わらない「死にたい就活生」問題

ある調査によれば、就活生の3人に1人が「就職活動中に、死にたいと思ったことがある」といいます(詳しくは以下の記事)

昨年4月には、2013年に投稿された家入一真氏の「就活自殺」について語るブログが、人事界隈で再注目されていました。

私・めいこのもとにも、就活に苦しむ学生さんたちの声が届いています。
(オープンのQ&Aサービスはもちろん、DMでも同様のご相談をいただくことが多々あります)

家入さんのブログ記事は2013年。
私宛に「死にたい」とSOSを頂いたのが2018年。

「死にたい就活生」は、5年経っても生まれ続けています。

この5年で、インターンや通年採用を実施する企業が増え、就活メディアが選考対策を発信するようになり、転職前提の就活も一般的になりました。

それでも。
「死にたい就活生」は、5年経っても生まれ続けています。

だから、今回のお題に対して、私の回答はこうしました。

就活生が「死にたくなる」ほど、キャリア選択に苦しむ現状を変えたい。

私はその変化を起こす一歩がフェアな情報発信にあると信じて、メディアの「中の人」をしています。
そして今日のnoteも、その一歩にしようと思います。

ここから先は、私の経験と主観をもとに
・新卒就活で「死にたくなる」理由
・就活で苦しむあなたが死ななくていい理由
を書いていこうと思います。

就活で「死にたくなる」のはナゼ?

前回の自己紹介に詳しいですが、私は就活にとても苦労しました。
早期選考の存在も、選考に対策が必要なことも知らず、応募しては祈られる日々……。もともとなかった自信はボロボロで、自分の存在を否定されている気分になりました。

当時のSNSを見返したら、こんな内容が書かれていました。

私が就活を苦に自殺したら、どうせ「東大生の心の闇」とかいってマスコミの餌食になるんでしょ?

精神的に追い込まれていたといって、差し支えないと思います。

どうしてこんなに辛かったのか。いま振り返ってみると、新卒の就活には、以下のような「構造的に死にたくなる」仕組みがあると感じます。

1)そもそも、新卒就活はポテンシャル評価である
就労経験のない学生を、スキルや実績で評価するのは困難です。
すると、人事は採用の意思決定をするために、原体験や将来の夢など、学生の人生や価値観に踏み込んだ質問をせざるをえないわけです(採用にかかるコストや支払う生涯年収を考えれば、採用判断は企業にとって億単位の投資です)

2)企業側は学生に「落とした理由」を開示しにくい
上記のような採用判断は、ロジックや就活生の能力だけで説明できない側面があります。中にはいわゆる学歴フィルターや水面下の早期選考、あるいは「上司の鶴の一声」といった、落とされる側としては到底納得できない理由が含まれている場合があります。だから、ご縁のなかった理由は、就活生に開示されない(できない)ことがほとんどです。

3)学生側は「採用する側」の事情を知らない
そして、就活生が、採用側のそんな事情を知ることは稀でしょう。そうなると、自責に陥ることもままあるでしょう。「落ちた理由」をこのように推測し、自己肯定感が蝕まれていきます。
・私の「やりたいこと」が低レベルだった
・私の能力が他の候補者よりも劣っていた
・私が人格的に、社会不適合だから


結果、上記が組み合わさって「死にたい就活生」が生まれるのではないかと思います。

1)就活生は、自分の価値観や「やりたいこと」を開示するが

2)理由が分からないまま祈られるので

3)自分の人格、社会性、将来が否定されたように感じる

結果、自分の存在に自信が持てなくなる

すると萎縮してしまい、選考が一層うまくいかなくなる
(1〜3のループ、「死にたい就活生」化)

上記の構造は、どんなに選考が早期化しようが、インターンが増えようが、この5年間で大きくは変わらなかったし、変えられなかった。そういうことだと思います。

中途採用は、息がしやすかった

例に漏れず、そんな「死にたい就活生」だった私。
新卒で入った公務員からの転職を選んだときは、「また就活をしないといけないのか……」と、深く絶望しました。

しかし、実際に転職活動をしてみたところ、ウソのように気軽に、そしてスムーズに進みました。
その理由は、中途採用では「死にたい構造」がすべて解消されていたからだと思います。

1)中途採用は実績・スキル評価である
選考で問われるのは、すべて今までやってきたこと。
「あなたは何が得意ですか?」「どんな成果が出ましたか?」「成果をもとに、どんな領域で活躍できそうですか?」
ほぼ、ロジックと事実を説明する。それだけです。

2)企業側は求職者に「落とした理由」を明言する
判断基準が明確なので、企業側は落とした理由をわりと正直に答えてくれます。間に転職エージェントが入ることも多いので、どの選考フェーズで、何がダメで落ちたのか、率直なフィードバックをもらえることも珍しくありません。

3)求職者側は「採用する側」の事情が何となく分かる
そもそも上記のように明確な説明がもらえることに加え、一度は社会人経験があるので、落ちても「まぁ、しょうがないよね」と思えることも多いのです。採用する側もサラリーマンであることが、理解できるからかもしれません。

だから、今の新卒採用がしんどいと思う人でも、中途採用では同じ苦しみを味わう必要がなかったりします。とりわけ、自己PRがうまくいかない人や自己肯定感を得にくい人は、劇的に変わります(この話は、また別の機会に詳しく書きたいと思います)

何が言いたいかと言うと、
新卒就活でうまくいかなかったからといって、あなたは決して社会不適合ではないし、能力が低いわけではありません。
だから、あなたは死ぬ必要はない。そうお伝えしたいのです。

就活メディアがいらない未来を夢見て

そして、本題の「就活で変えたいこと」に話が戻ってくるわけですが。
新卒就活がポテンシャル重視であり続ける以上は、「死にたい構造」を壊すには、学生と企業側が変わるしかないと思っています。
つまり、
・学生側が「選考に落ちても死ななくていいんだ」と気づくこと
・企業側が「あなたを落とした理由」をフェアに開示できるようになること

です。新卒採用で職種別採用やインターン必須が一般的になったら話は別ですが、いま足元で変えられるのはこの2つでしょう。

私はワンキャリアを他汚職するまで、就活メディアの「中の人」として、上記に取り組んでいました。
前者については、このような発信を続けて、あなたのような就活生にメッセージを届けることで。
後者については企業側に「情報を開示しないと、自社の採用に未来がない」と気付いていただくことで。
この構造に変化を起こせると信じて「中の人」をしていました。

そして、これは個人的な所感ですが。
私は最終的に「就活にワンキャリがいらない」世界になればいいと思っています。
すべての学生が不要な自責に追い詰められることがなくなり、
すべての企業が学生に必要な情報を開示した日が来たなら、
それが、今現在のワンキャリアのサービスが役目を終えるタイミングだ

と、思うからです(会社がなくなればいいと思っているわけではありません。その次に生み出せる価値が、きっとあります)


思いの丈を詰め込んだら、思いのほか長くなってしまいました。
またお会いしましょう!

2019年1月23日 めいこ

※2019年1月29日 「Career Media noters」への参画を終了したため、当該記述を削除・変更しました
※2021年4月20日 ワンキャリアを2019年4月に退職したため、記載を一部変更しました。今も多くの方が読んでくださっているようで、ありがとうございます

現在はメディア系スタートアップで元気に働いています。


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