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資生堂のコスメカウンターでDX接客を受けてみた:サービス体験雑記

スタートアップ業界の片隅で働くものとして、「おっ」と目を引くサービスや、業界の変化を感じる取り組みに敏感でいたいものだな……と思う今日このごろです。不定期ではありますが、自分の日々の発見をログしておくのも楽しいだろうと、「サービス体験雑記」をつれづれなるままに記録することにしました。

最初の雑記は、老舗の化粧品メーカー・資生堂の「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を感じたコスメカウンターでのひとときを書き残しておきます。

副業のインタビュー取材でも度々お世話になっている資生堂さん。DXのお話をCDOにお聞きしたこともあり、興味津々でした。

前提情報

・利用した店舗:クレドポーボーテ 大丸東京店
・用途:母への誕生日プレゼントのためにコスメを購入
・前提知識:コスメの情報見るのは好きだけど別に詳しくない。人におすすめしてもらうのが好き。デパコスはカウンター・オンラインともに購入経験あり(カウンターは緊張するので、プレゼントの相談に行くことがほとんど。自分のほしいものはオンラインで買う)

入店〜退店まで

店頭でBCさん(接客スタッフさん)に声をかけ、カウンターに案内される。

ヒアリング開始。母へのプレゼントのためにコスメを探していることと、だいたいの予算を伝える。リップとアイシャドウをセットにするのが良さそうですね、と提案をいただいた。

するとここで、BCさんの手元にipadが登場。「お母様のお写真はありますか? アプリでメイクのお色味を試せますよ」

えー! すごい! そんなんできんの!?

私のiPhoneに表示した母の写真を、BCさんがiPadのカメラで読み取る。なかなかの精度で、数秒で母の顔がiPadアプリに読み込まれた。

ここからは一緒にiPadを見ながら、画面の母にメイクを施してもらう。商品と色味を選ぶと、瞼と唇の色や質感が変わる(LINE通話のフィルター機能や写真アプリのお化粧機能みたいな感じだ)さすがにこれだけで大きな違いはわからないが、なんとなく「この色は合いそう」とか「ちょっと派手すぎるかな」と想像しやすい。実物の質感や色味はBAさんが手に出して見せてくれるので、画面のイメージと見比べながら判断した。

無事にプレゼント選びを終えて、会計。

会計待ちの間、さっきまでメイクを見ていたiPadを渡され、顧客アンケートに回答するようお願いされた。接客を10点満点で評価したり、他の人にもおすすめしたいかを問われたりした。

最後に、デパコスカウンター名物の購入者(私)へのおすすめサンプルを選定。人力ヒアリングに加え、悩みごと選択式のiPadアンケートを渡されておすすめを選んでもらいました。

最後にzoomのオンライン接客の案内あり。購入したコスメやスキンケアの使い方をzoomでフォローアップしてくれるのだそう。このサービスは、プレゼントを貰った側(母)も申し込めるとのこと。えー! すごい! そんなんできんの!?(2回目)

そして退店。思ったよりもテクノロジーの進化を感じました。

感想

・デジタルによって顧客体験が劇的に変化したとは感じなかった。自分がカウンターサービスに期待することは漠然とした悩みを具体化してくれるところにあるから(=デジタルで価値提供しづらい)だと思う。BAさんの負担は軽くなるのかな、とは思った


・逆に、デジタルのせいでイライラすることもなかった。地味だけどそれがすごいと思う。読み込みや検索に時間がかかるとか、画面操作がわかりにくいとかの引っかかりがないインターフェイスだった


・プレゼント文脈だと、顔写真へのタッチアップはイメージがつきやすくて良かった。オンライン接客もあげた人が相談できるので勧めたくなった


・一方、自分の購入品だとしたらデジタル接客はまどろっこしいかもしれない。普通にタッチアップでいいのになーとなりそう


・画面の中で選択肢が無限に増えていくので、選べない! ってなりそう。明確に欲しいものがわからない人にとって、引き続き人間のレコメンドは必要だと感じた。人力でスタンスをとったオススメをしてもらいつつ、細かいスペックを知りたい、イメージを明確にしたい、ほかの選択肢を広げたいときにデジタルの網羅性や検索性が役立つのだと思う


・ECやSNSの投稿で目の前の選択肢がいくらでも広がる状況下で、経験や熱量のあるオススメは希少価値が高い。BAさんのインスタ施策はカウンターサービスとの組み合わせで広がりが生まれそう


久しぶりのコスメカウンターはやはり楽しい! 今度は自分用のコスメも選んでみたいと感じました。


今後もこんな雑記を増やしていこうと思います。また次の記事でお会いしましょう。

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