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映画作品のインテリア 『TAR/ター』編
映画を鑑賞する時、作品の内容はもちろんだが、それ以上に惹かれるのが、インテリアだ。
完全に作り込まれたセットデザインの時もあるが、個人邸にて撮影されることもあり、最近観た映画で心惹かれた作品が『”TAR/ター』である。
映画『”TAR/ター』はベルリンフィル初の女性マエストロの話だ。その内容が狂気すぎて、実際にいるのでは錯覚するほどだが、架空の人物の話である。
そして劇中に登場する、主人公の女性マエストロ、リディア・ターがパートナーの女性と住んでいる自宅が目を奪うほどに素敵な空間なのだ。
その洗練された空間があまりにも主人公の役柄とピッタリすぎて、これはセットデザインだと思っていたが、調べてみると、広告代理店経営者であり、アート収集家夫妻 Christian and Karen Borosの自邸であった。
本当にここに住んでいる人がいるなんて…
しかも、自邸が入っている建物は、なんと1942年にベルリンの中心地に建てられた元ナチスの空襲シェルター。
![](https://assets.st-note.com/img/1691528329556-wa2yzQVJ9N.jpg?width=1200)
それはそれは歴史ある建物で、過去には有名なクラブでもあった場所だ。
こんな空間に自邸とは、スケール感はもちろん、コンクリートハウスに惹かれがちな自分としては、たまらない。
自邸は最上階のペントハウスで、そこにはハンス・J・ウェグナー/パパベアチェア、ハリー・ベルトイアのコレクションベンチなど、現代家具作家の作品がある。
![](https://assets.st-note.com/img/1691528432715-bRlKuIiuuY.jpg?width=1200)
また、所々に飾れているアート作品がとても独創的だ。
”こういう空間にこういうアートを飾るとこんな感じになるのか”っといったように、自分なりの空間の捉え方ができ、新しい発見があった。
こうして、映画鑑賞はインテリアコーディネートや空間作りの学びができる。
実は映画は最高のインテリアの教科書なのだ。
しかも座学ではなく、ヴィジュアルから吸収でき、脳内に強力に残すことができる為、瞬間でインプットでき、更に鮮明なヴィジュアルがアウトプットを容易にしてくれる。
映画はストーリーを楽しむだけのものではない。
インテリアの観点から観ると一味も違う鑑賞ができ、感性が磨かれるので、様々な映画を観ることは本当におすすめだ。