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結婚・家族のカタチ #2020年代の未来予想図

 いただいた年賀状をめくって、友達の結婚・出産を知り、親戚の子どもの成長ぶりを見る年始。家族や結婚について考える機会が多い。

 2020年代が始まった。10年前に2010年代が始まった頃、「夫婦別姓が認められたら法律婚しやすいのになぁ」と感じていたことを思い出した。この先10年で、夫婦別姓はいよいよ認められるように制度改正されるのだろうか。変わらないだろうか。

 結局、私が夫の氏に変更して法律婚をしたのだが、当初はやはり面倒や不便が多かった。私にとっては、銀行口座・運転免許などの氏名変更は、たいしたことではなく、会社での諸手続が一番嫌だった。

 私の仕事ぶりと結婚には何の関係もないし、会社でプライベートについて知られたくない。しかし、姓の変更によって、私に結婚・離婚などの変化があったことが自動的に情報公開になってしまう。我が社は古い気質なので、社員の結婚・離婚について、いちいち踏み込んで聞いてくる人が多数なのだ。

 「旦那さんとどこで出会ったの?」、「何年付き合ったの?」、「子どもはどうするの?」、「新婚旅行どこに行くの?」、「披露宴はどうするの?」、「玉の輿なの?」、「浮気されないようにね」・・・一昔前のうるさい親戚のオバサンよりも無神経な社員がそろう会社だ。

 事実婚ではなく法律婚をすることで、離婚のハードルを上げたことは、夫と私が協力関係を築くために、大切なことであったと、今では思っている。夫とは、小競り合いから大ゲンカまでたくさんしてきた。平和に共同生活できるような方向で何度も話し合ってきたのは、離婚によって、また会社で不快な日々を過ごすのがとても嫌だと思ったから。

 昨日の読売新聞に、歌手・俳優の夏木マリさんのインタビューが出ていた。夏木さんが、2011年に59歳でパーカッショニストの斉藤ノヴさんと結婚したのは、いずれ斉藤さんのお母さんを看取る時に、「息子の好きな女の人」より、嫁という立場の家族の方がよいと思ったから。家族として、ワンチームで歩む方が自然だと思って籍を入れたという。

高齢結婚、お勧めします。でも一人で生涯を閉じる方は、きっとほかの仕事をやれという任を与えられているのだと思う。私は子供を生まない任。家族の形も、100家族あれば100通りある。今、私はこの2人という家族をすごくありがたいと思っています。【2020年1月4日読売新聞朝刊7面「令和を拓く」夏木マリさん】

 2020年代は、家族や結婚の形が今以上に多様になり、どのような形態で暮らす人にも、風通しのよい社会になると信じている(希望も込めて)。

 私達夫婦には子どもはなく、二人で協力しながら、老いてきた双方の親をケアする日常。夫も私も、仕事での大活躍はないけれど、ぼちぼちと働き続けている。私の任、夫の任は、はっきりとしていないけれど、今の生活を続ける中で、何らか見えてくるのではないかと思っている。