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『1%への反逆』シナリオ・設定まとめ

1タイトル
『1%への反逆』

2ジャンル
ファンタジー

3ターゲット読者層
10〜20代男性

4あらすじ
主人公の少年ジェイコブが暮らすアルダーナ王国は、長年バルフォラス家とその取り巻きであるいくつかの資本家一族によって支配されていた。しかし実際は、バルフォラス家が繰り返し選挙に勝利することで、王国はバルフォラス家による独裁状態だった。バルフォラス家の当主であるデイビットの息子であるジェイコブは、ある日、デイビットが密かに開いていた秘密の会合での会話を偶然盗み聞きしてしまう。その話は、デイビットが次の選挙でも勝利するため、不正行為を行おうとしているという衝撃の内容だった。口封じに殺されかけたジェイコブは王都を脱出する。その後ジェイコブは、バルフォラス家に抵抗する反乱軍のメンバーたちと出会う。そして反乱軍と意気投合したジェイコブは、アルダーナ王国に住む99%の人民を支配するたった1%の権力者たち、つまり父であるデイビットを倒すため、次の選挙に出馬することを決意する。そこからジェイコブたち反乱軍と、ジェイコブの出馬を阻止しようとするバルフォラス家による激しい戦いが勃発する。権力者たちを倒し、王国を解放しようとする息子と、既得権益の維持のため不正を行なってでも選挙に勝とうとする父による、仁義なきポリティクスバトルが幕を開ける。

5登場人物
■ジェイコブ・バルフォラス
アルダーナ王国に住む14歳の少年。父デイビットに憧れてバルフォラス家の当主の座につくことを夢見ていた。しかし父親の陰謀に気づいてからは、反乱軍と共に父デイビットの打倒を目指す。純粋な心の持ち主で、身分の差を理由に差別することを決して許さず、父を超える偉大な王になることを目指すようになる。

■デイビット・バルフォラス
アルダーナ王国を支配するバルフォラス家の当主。医療利権やエネルギー利権、金融利権などあらゆる利権を握っている。そこから得られる利益を独占するため、政敵を排除し、国民は反乱抑止のため常に監視するという独裁政治を敷いている。当然、国民からの支持率は低いが、裏でいろいろ手回しをすることで選挙に勝ち続けている。

■ダイアナ
ジェイコブに政治学を教える専任の家庭教師。デイビッドの命令でずっと嘘の情報をジェイコブに刷り込んできた。しかしダイアナの中にはずっと後ろめたい気持ちがあり、バルフォラス家を追われたジェイコブを助けることになる。

■エレーナ・コンシール
バルフォラス家に抵抗する反乱軍「Resistance to the King」のリーダー。デイビットが王の座についた当時から、デイビットによる不正選挙の可能性を指摘していたが、国民はそれを信じようとはしなかった。しかし時が経つにつれて、デイビットが愚王であることが徐々に明るみに出てきたことで、国民へ反乱を呼びかけるようになった。美しい見た目だが、高い実力とカリスマ性を秘めている。

6用語解説
■アルダーナ王国
小さな村や集落が集まってできた小国。長年選挙に勝ち続けてきたバルフォラス家が政権を握り続けている。しかしその実態は、奴隷制度により国民が強制労働で困窮し、飢餓と疫病が蔓延したとても貧しい国だった。

■バルフォラス家
歴代当主が何十年も前から不正選挙で票数を操作して勝ち続けてきたことで、国のトップの座を独占してきた。政敵を排除したり反体制派や不正に気づいた者を弾圧し、国民を監視することで反乱分子を抑えてきた。

■アサシンズギルド
バルフォラス家を裏から支えてきた暗殺者集団。バルフォラス家の政敵や反体制派、不正に気づいた者を抹殺する他に、国民を監視する役割も果たしてきた。

■Resistance to the King
バルフォラス家によって弾圧されてきた王国の民たちがつくった反乱組織。リーダーであるエレーナはバルフォラス家が行ってきた不正の実態に早くから気づいており、そのことを国民に訴え続けてきた。しかしエレーナの主張は陰謀論だとされ、注目されなかった。しかし、時間の流れと共にデイビットの悪評が流れ始め、反乱軍に参加する者も次第に増え始めていた。

■影の組織
アルダーナ王国内のさまざまな既得権益に群がる権力者たちの共同体。バルフォラス家が国を支配し、その裏で国民から利益を搾取し続けてきた。そのせいでアルダーナの国民は飢えと病気に苦しみ続けてきた。

7脚本
第一話

・小国アルダーナ王国は、建国当時から資本家一族であるバルフォラス家によって統治されてきた・現バルフォラス家当主の一人息子ジェイコブは、父のような立派な政治家になることを夢見ていた・そのため、毎日バルフォラス家の邸宅の敷地内で家庭教師のダイアナから政治学について学んでいた・ジェイコブは父親でありバルフォラス家の現当主デイビッドを心の底から尊敬していた・デイビッドの話にジェイコブはいつも心惹かれていた・アルダーナ王国はバルフォラス家の栄光の下、とても豊かで発展しており、民たちはいつも笑顔で幸せに暮らしていると、ジェイコブは父やダイアナから聞かされていた・だが、デイビッドはなぜかジェイコブが王都の外に出ることを許してくれなかった・その理由をジェイコブは知らなかった・王国のトップを決める選挙が間近に迫っていた・デイビッドをはじめ、王国各地で選挙への出馬を決意した者たちが、票を集めるための準備に取り掛かっていた・アルダーナ王国では、長年バルフォラス家が選挙で連勝していた・国民の中にはそれを独裁と呼ぶ者もいたが、ジェイコブは父デイビッドを完全に信頼していた・今回の選挙でもデイビッドが勝利し、王国をさらに豊かにしてくれるとジェイコブは信じていた・ある日の夜、デイビッドは仕事仲間を邸宅に呼び、秘密の会合を開いていた・デイビッドはそれを選挙対策の話し合いだとジェイコブに言っていた・その日はなかなか寝つけなかったジェイコブは、下の階に降りてデイビッドたちの話を盗み聞いた・その内容は信じがたい内容だった・それは、不正選挙の計画についての話し合いだった・アルダーナ王国は小さな村や集落が集まってできた国であり、高齢の民も多い・そんな王国では、王都まで行けない高齢者に配慮して選挙の際は昔から郵便投票が導入されていた・その秘密の会合では、デイビッドがこれまで行ってきた不正行為の隠蔽工作について、そして今回の選挙で郵便投票の票数を操作し、選挙に不正で勝利するための計画が話し合われていた・驚愕するジェイコブ・ずっと立派な政治家だと尊敬してきた父の権力の座が、不正選挙で得たものだとは、ジェイコブは信じたくなかった・そして父は今回の選挙でも不正を行おうとしている・物音を立ててしまったジェイコブは、デイビッドたちに秘密の話し合いを聞かれたことがバレてしまう・ドアが開くと、そこには冷酷な目でジェイコブを見下ろす父デイビッドの姿があった・その顔に、あの優しかった父の面影は微塵もなかった

第二話
・秘密の会合の会話内容を聞いてしまったジェイコブ・ジェイコブは父を説得し、不正選挙をやめさせようとするが、デイビッドはただ冷たい目線で息子を見下ろすだけだった・すると謎の黒マントの男が剣を抜き、口封じにジェイコブを殺そうとする・ジェイコブは父に助けを求めるが、父は黒マントの男を止めようとしなかった・逃げようとするジェイコブの背中を鋭い剣が切り裂いた・ジェイコブの悲鳴が夜の邸宅に響き渡る・その時ジェイコブは、自分が父に見放されたことにようやく気づいた・涙が溢れてくると同時に父への失望と憎しみが同時に湧き出てくる・ジェイコブは泣き叫びながら夜の王都に駆け出した・黒マントの男はジェイコブを追おうとするが、それをデイビッドが止める・しかしそれは、息子への優しさからきた言葉ではなかった・ジェイコブの背中についた傷は大きい・ほっとけば勝手に死んでくれるとデイビッドは思っていた・ジェイコブが死ねば、不正選挙について知る人物は自分の部下以外にいなくなる・デイビッドにとってジェイコブは、ただバルフォラス家の次期当主の座を継がせて、死ぬまで年老いた後の自分の世話をさせるだけのコマにしか過ぎなかった・デイビッドは最初からジェイコブを自由にさせる気はなかった・しかし一つだけある懸念があった・それは、ジェイコブが外の世界の真実に気づくことだった・だがそれを知る前にあいつは死ぬだろう・デイビッドは不気味な笑みをたたえて邸宅の中に入った・その頃ジェイコブは、泣きながら王都の正門を目指していた・もう王都にはいられない・ここにいればたとえ生き延びてもいずれは殺される・バルフォラス家最大のタブーを知ってしまったのだから・しかし王都から外に出れば生き残れる可能性は上がる・家庭教師のダイアナが、アルダーナ王国は王都の内も外も変わらず自由で豊かな世界が広がっていると言っていたのをジェイコブは思い出した・それと同時に、もうあの頃の平穏な生活には戻れないことを改めて実感し、涙がとめどなく溢れてきた・王都の正門にたどり着いたが、そこには門兵が二人いた・ジェイコブはどうやって王都の外に出ようか考えあぐねていた・そこに家庭教師のダイアナが突然現れる・ジェイコブは、ダイアナがデイビッドに命じられて自分を消しにきたと思い逃げようとするが、ダイアナにそんなつもりは全くなかった・ダイアナはジェイコブを王都の外に逃しにきたのだ・後で処罰されるのは覚悟の上だった・ダイアナはジェイコブに、今まで嘘をついてきたことを謝罪した・ダイアナは不正選挙のことはもちろん、デイビッドが隠して続けてきた他の事柄についても全て知っていた・しかしデイビッドに命じられて、ジェイコブに真実を隠し続けてきたという・ジェイコブは他の隠し事についてダイアナから聞き出そうとするが、ダイアナは「王都の外に出れば全て分かる」とだけ伝え、ジェイコブを秘密の抜け道から外に逃した・ジェイコブはダイアナに心の底から感謝した・そして、いつか必ず父を権力の座から引きづり降ろすと誓いを立てる・立派な政治家になって民の上に立つという昔からの夢を必ず叶えると、ジェイコブは改めて誓った・ダイアナがジェイコブを逃したことはすぐに見張りの門兵にバレてしまった・ダイアナは死を覚悟した・それと同時に、ジェイコブが立派な王になり、この国を栄光に導くことを神に祈った

第三話
・夜が明け、朝日が王国を照らし出した・ダイアナの助けで王都を出ることができたジェイコブは、生まれて初めて外の世界を見ることになる・その光景は、とても信じがたいものだった・豊かで自由に暮らしていると聞かされていた王国の民たちは、強制労働に苦しみ、貧困の中、無理矢理サトラップ(知事)によって働かされていた・そこは飢餓と疫病と貧困が蔓延した地獄のような世界だった・ジェイコブは、ようやくダイアナに言われた言葉の意味を理解した・父デイビッドは、ずっと自分に嘘をつき続けていたのだ・不正選挙のことだけではなかった・まさか外の世界がこんなことになっていたとは・ジェイコブは衝撃に打ちのめされ、何も考えることができなくなった・そこに、一人のサトラップが近づいてくる・サトラップはジェイコブが着ている寝巻きに注目する・その寝巻きは、とても平民が手に入れられるような服ではなく、どう見ても特権階級の人間が着るものだった・サトラップはそれを不審に思い、ジェイコブを捕まえようとする・ジェイコブは逃げ出すが、昨晩負った背中の傷が痛み、うまく走れない・そのまま倒れてしまうジェイコブだが、意識が遠のいていく中で、何者かがサトラップと言い争う声が聞こえてくる・その謎の人物はサトラップを張り倒し、ジェイコブの体を抱えてどこかに向かった・ジェイコブの意識は闇に沈んでいった・目が覚めると、ジェイコブはどこかの洞窟の中にいた・体には包帯が巻かれており、背中の傷の痛みは引いていた・そばには美しい見た目の女性がいた・ジェイコブをサトラップから助けてくれたのは彼女だった・その女性の名はエレーナコンシール・反乱組織「Resistance to the King」のリーダーだった・彼女がデイビッドに刃向かおうとしているなら、その息子である自分はただでは済まない・そう考えたジェイコブは思わず身構えるが、エレーナは優しい笑みを浮かべ、ジェイコブを安心させる・どうやらこの女性はジェイコブに敵意はないようだった・ジェイコブは昨晩の出来事を全てエレーナに打ち明けた・エレーナによれば、昨晩ジェイコブの背中を斬った黒マントの男はおそらくアサシンズギルドの一人・アサシンズギルドは、バルフォラス家を裏で支える暗殺者集団のこと・ジェイコブはその存在について初めて耳にした・おそらくデイビッドは、息子のジェイコブの信頼を裏切る恐れのあることは全て隠していたのだろう・デイビッドにとって自分はどんな存在だったのか・改めてジェイコブは疑問に思った・父の愛は本物なのか?・それとも自分はただ、父が行う政治ゲームの盤上のコマとして良いように使われていただけなのか?・エレーナはジェイコブに反乱軍のメンバーたちを紹介する・メンバーの一人がジェイコブを人質にしてバルフォラス家を脅迫しようと提案する・反乱軍のメンバーたちは、父の圧政に苦しんでいる・それを実感したジェイコブは、頭を下げて謝罪した・そんなジェイコブを見たエレーナは、彼の中にある資質を見抜いた・ジェイコブは他人の苦しみを心から理解し、自分の非を真正面から受け止めることができる・この子には、真の政治家として民を率いるための資質がある・エレーナは、反乱軍のメンバーたちにある提案をする・それから数週間後、アルダーナ王国は四年に一度訪れる選挙シーズンを迎えていた・デイビッドは邸宅に部下を集めて作戦会議を行っていた・デイビッドの頭の中からはジェイコブのことはサッパリ消えていた・デイビッドはジェイコブのことなど微塵も心配してはいなかった・そこに突然アサシンズギルドの一人が駆け込んでくる・彼に言われてデイビッドは護衛と共に王都の外に出た・夜明け前で静まり返っていると思われた外の世界は、デイビッドの予想に反して大騒ぎになっていた・民たちの話題の種は、選挙に出馬予定の新たな候補者についてだった・その新たな候補者の名はジェイコブ・ジェイコブは、バルフォラス家現当主デイビッドが行ってきた数々の不正行為を暴露し、自分が当主になったら王国全土に無料で食料や医療、エネルギーを供給するという公約を掲げていた・ジェイコブの支持率は急速に伸びていた・デイビッドは、ジェイコブが生き延びていたことよりも、彼が真実を全て明かして選挙に出馬したことに驚愕していた・デイビッドはこれまで、真実に気づいた者や反体制派の人間、選挙で脅威になりそうな潜在的な力を秘める者を、全てアサシンズギルドに始末させてきた・後に残ったのは、選挙を勝ち進む可能性が極めて低い泡沫候補だけだった・しかしここにきて、実の息子であるジェイコブが、デイビッドにとって史上最大の対立候補となったのだ・デイビッドは瞬時に状況を飲み込んだ・仮にジェイコブを始末しても、息子の死が王国中に知れ渡ればデイビッドの支持率が下がるだけだ・それでは不正行為で選挙に勝利しても、国民が反乱を起こして王国の治安は崩壊するだろう・受けて立とう、ジェイコブ・デイビッドはそう覚悟を決めた・ジェイコブは選挙に勝ち進むため、反乱軍の拠点である地下洞窟で、エレーナに演説の仕方や政治学、そして民の心を掴むためのテクニックについて学んでいた・こうして、王国に住む99%の民たちを支配する1%の権力者たちを引きずり降ろすための、父と息子の仁義なきポリティクスバトルが始まった


8ラストまでの展開
①選挙編

父のような立派な政治家になることに憧れる少年ジェイコブは、ひょんなことから父デイビットが不正選挙に手を染めていたことを知り、家を飛び出す。その後ジェイコブは、バルフォラス家の打倒を目指す反乱軍「Resistance to the King」に匿われる。選挙シーズンになり、デイビットは票が足りなくても数字を操作すれば勝てると見込んでいた。しかし、反乱軍の支援のもと、選挙に出馬すると発表したジェイコブ。ジェイコブは不正には一切頼らず、純粋に国民からの支持を集め、父デイビットと正面からぶつかろうとする。デイビットは、ジェイコブの選挙活動を何としても止めようとするが、ジェイコブに対する国民からの支持率がデイビットを上回り、最後はジェイコブが勝利する。

②内戦編
国のトップに立ったジェイコブだが、彼の前にさまざまな既得権益を牛耳る影の組織が立ちはだかる。国民からの搾取をやめるようにジェイコブは命じるが、影の組織はジェイコブをトップの座から引きづり降ろすため、さまざまな陰謀論を垂れ流し、罪をでっち上げてジェイコブを法廷で裁こうとする。国民はジェイコブ派と反ジェイコブ派に分断され、内戦が勃発する。ジェイコブは支持者たちを率いて影の組織に戦いを挑む。最後はジェイコブ軍が勝利し、王国は権力者の支配から解放され、医療や食糧、水などの生活インフラが全国民に提供されるようになる。

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