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『ゴスポリ』シナリオ・設定まとめ

1タイトル
『ゴスポリ』

2ジャンル
ミステリー

3ターゲット年齢層
10〜20代男性

4あらすじ
主人公の美恵は、見た目は普通の女性刑事。しかし彼女には一つだけ他人とは違う能力を持っていた。それは、幽霊が見えるという能力だった。事件を追う際には幽霊から情報を得ることもあった美恵だが、他の刑事にはそれを隠していた。これは、そんな彼女が偶然出会った浮遊霊ワタルと共に、様々な事件を解決していくドタバタ劇である。

5登場人物
■田中美恵
小さい頃に事故に遭ったことがきっかけで幽霊が見えるようになった女性刑事。普段は幽霊から意識を逸らすことでなるべく幽霊とは関わらないようにしている。趣味はディズニーランドで遊ぶこと。血みどろでグロテスクなお化けやゾンビが苦手だが、実際の幽霊を見ることには不思議と慣れている。

■ワタル
元刑事の浮遊霊。交通事故から身を挺して美恵を守ったことで命を落とす。それから浮遊霊となって美恵をずっと見守り続けてきた。見た目はイケメンで情報通。生前はラーメンが大好物だった。夢はもう一度ラーメンを味わうこと。

6脚本
第一話
・主人公の女性刑事である田中美恵にはある特殊能力があった・それは、幽霊が見えるという能力だ・きっかけは幼稚園の頃に交通事故に巻き込まれたことだった・横断歩道を渡ろうとした美恵のところに、信号無視の車が突っ込んできた・母親が少し目を離していた間の出来事だった・しかし、通行人の一人が身を挺して美恵を守ったため、美恵は軽症で済んだ・しかし美恵を庇ったその通行人は命を落とす・その事故がきっかけで、美恵の能力は開花した・美恵は自分を守ってくれた通行人の男に心から感謝していた・そしていつかまた出会うことがあれば、改めてお礼の言葉を伝えようと考えた・もう二度と交通事故による犠牲者を増やしたくないと思った美恵は、警察官になり警視庁の交通課配属を希望したが、なぜか希望は通らずに捜査一課配属になった・それから美恵は、殺人事件や誘拐、放火などの強行犯捜査に加わることになった・美恵は事件の捜査に行き詰まった時は、事件現場の周辺にいる浮遊霊から情報を得ることが多かった・しかしそのことを捜査報告書に書くことは避けていた・変人と思われるのも嫌だったため、同僚の刑事たちにはその特殊能力について話すことはなかった・美恵は、幽霊が見えるという特殊能力のことを隠しながら、女刑事として、事件の犯人を追う日々を送っていた・とある休日に、アパートの近くにあるコンビニに向かった美恵は、ラーメン屋の前で佇んでいる一人の男性と出会う・その人は「ラーメン屋」と書かれていたのれんをじっと見つめていた・その男の顔に見覚えがあった美恵は、思わず彼に話しかける・その男の名前はワタル・ラーメンが大好物なのだが、訳あって店の中には入れずにいた・しかし、その訳が何なのかは教えてはくれなかった・ワタルは次の休日もその次の休日もラーメン屋の前で佇んでいた・彼とラーメン屋の前で鉢合うたびに美恵は彼に話しかけていた・次第に美恵は、彼の落ち着いた佇まいと優しい性格に惹かれていった・ある日、そのラーメン屋の近くで強盗事件が発生した・捜査に行き詰まっていた美恵は、ワタルに聞いてみようと例のラーメン屋に向かったが、ラーメン屋の前にワタルの姿はなかった・ラーメン屋の店主にワタルのことを尋ねた美恵だったが、店主は毎日のように店の前で佇んでいた男性なんて一度も見たことがないと言う・そのラーメン屋は休日は結構繁盛していたため、忙しくてワタルの姿が店主の目に入らなかったのだろうと考える美恵・それから数日後、捜査一課は強盗団のアジトを突き止めてそこに向かう・激しい乱戦の末、強盗団の逮捕にこぎつけるが、強盗団の一人が刑事の手を逃れて逃走する・美恵は一人でその後を追うが、その先には例のラーメン屋があった・しかもそこにはワタルの姿があった・美恵はワタルに逃げるように叫ぶが、ワタルは落ち着いた様子でこちらに振り向くだけで逃げようとはしなかった・逃亡犯はナイフを持っている・このままではワタルが人質に取られるかもしれない・美恵がそう思った瞬間、奇妙なことが起きた・逃亡犯はワタルの姿には目もくれず、止まる様子がなかった・そしてワタルの体を逃亡犯はスリ受けて、その先へと走り去っていった・思わずワタルの前で立ち止まる美恵・ワタルは動じることなく、ただ美恵に微笑みかけるだけだった・それからしばらくして、パトカーのサイレンが街中に鳴り響き、強盗団は刑事たちに連行されていった・夜の帷が下りる中、美恵はある真実に気づいて戦慄する・そして美恵は、目の前にいるワタルに、一言質問した・「あなた、幽霊なの?」

第二話
・ワタルの回想・刑事だったワタルは、仕事で失敗続きだった・いつも傷心して家に帰っていた・いつものように仕事で失敗して公園のベンチで落ち込んでいた時、一人の女の子に出会う・その子は笑顔でワタルに笑いかけた・ワタルはその笑顔を見ると、何だかやる気が湧いてくるのを感じた・その女の子は母親に呼ばれて去っていった・言葉は交わさなかったが、ワタルはその女の子のおかげで、元気を取り戻すことができた・しかし、その後も失敗は続いた・自分は刑事に向いていないのではないか?そう思っていた・休日のある日、ラーメン屋で昼飯を食べた帰り道に、あの女の子が一人で横断歩道を渡ろうとしている場面に遭遇する・ワタルは近くに母親の姿がないか確認したが、姿は見えなかった・ワタルは、特に理由はないが、その女の子が無事に横断歩道を渡り終えるのを見届けようとした・すると、そこに車が突っ込んでくるのが見えた・ワタルの体は無意識に動いていた・自分でも驚くほどのスピードで、道路に飛び出して女の子に覆い被さった・その瞬間、全てが暗転した・救急車とパトカーのサイレンが聞こえる・ワタルは、自分が女の子を庇って車に轢かれたことに気づいた・しかし、不思議と体に痛みはなかった・恐る恐る目を開けると、そこには、頭から血を流して倒れている自分の姿があった・ワタルは混乱した・まさに幽体離脱の状態だった・そして、現場に駆けつけた救急隊員の反応を見てようやく理解した・自分は死んだのだ・しかし、自分の意識ははっきりしてるし、記憶もしっかり残っている・今ここに存在する自分は幽霊なのか?それともこれは、脳が快楽物質を分泌することで見える幻覚なのか?・すると突然、女性の泣き声が聞こえた・それは、ワタルが助けた女の子を抱きしめる母親の声だった・ワタルは、人生で初めて警察官らしいことができたと思い、女の子が無事だったことに心から安心した・これで自分は成仏できる・そう思ったワタルだったが、それから何日経っても、ワタルの霊体がこの世を離れることはなかった・ワタルは、自分のこの世での使命がまだ終わっていないのではないかと思った・確証はなかったが、ワタルは自分に残された使命が何かを考えることにした・そしてワタルは気づいた・自分が警察官として初めて人助けに貢献できたのは、あの女の子のおかげだと・それからワタルは、その女の子の成長をずっと影から見守ってきた・その女の子の名前は、田中美恵だった・ワタルのその話を黙ってずっと聞いていた現在の美恵・ワタルは、美恵は自分を怖がってもう二度と自分に話しかけてはくれないだろうと予感した・しかし、話を聞き終えた美恵の表情は、恐怖とは別のものだった・美恵は一筋の涙を流して笑っていた・子どもの頃に交通事故から助けてくれたのは、ワタルだった・ようやく命の恩人と再会できた美恵は、改めてワタルにその時のお礼を伝えた・ワタルはようやく自分の使命を理解できた・それは正確には自分が果たすべき使命ではなく、美恵が果たすべき使命だったのだ・きっと神様は、ワタルと美恵を再び引き会わせて、この感動的なシーンを作り出すことでワタルのこの世への未練を無くそうとしたのだろう・これでようやく成仏できる・そう心の底から思ったワタル・美恵は最後に一つだけ質問した・美恵の幽霊が見えるという能力は、ワタルがくれたものなのかどうかを・しかし、ワタルはそのことについて何も心当たりはなかった・ワタルは、きっとその能力は自分と美恵を引き会わせるために神様が美恵に与えたものだろうと告げて、姿を消した・美恵は、ワタルが無事に成仏できたのだろうと思い、心から安心した・それからしばらく経った休日のある時、美恵は警視庁交通部に住所を確認してワタルの墓参りに行った・墓石の前で手を合わし目を閉じる・そして目を開けると、目の前の墓石の上に見慣れたワタルの霊体が座っていた・さすがに驚いて小さな悲鳴を上げる美恵・そんな美恵を見てワタルは笑っていた・美恵は、成仏したのではないのかとワタルに尋ねた・ワタルによると、自分にはまだ果たせていない使命がもう一つだけあることに気づいたのだという・それは、行きつけのラーメン屋のラーメンをもう一度味わうことだった・美恵はそれはさすがに無理だと言った・だが、ワタルに諦める気は全くなかった・そこで美恵にあるアイデアが浮かんだ・ワタルがこの先起こるであろう事件の情報を調べて美恵に伝える代わりに、美恵はワタルがラーメンを味わえる方法を探す・こうすれば美恵とワタルはウィンウィンの関係になる・ワタルはそのアイデアに賛成した・取引成立だ・こうして女刑事とイケメン幽霊による、異例のゴスポリ(ゴーストとポリス)コンビが結成された

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