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ケハレについて

くらしのための料理学

最近読んだ興味深った本です。
土井善晴先生のことは前々から存じ上げていましたが、「土井善晴とクリス智子が料理を哲学するポッドキャスト」を聞くようになって、ますます土井先生のファンになり、手に取り読みました。

↑よろしければ、ポッドキャストもお聞きください。

喋り方がとても優しくて親しみがあるのに、上品な感じが素敵です。
船場言葉を土井先生は喋られます。
勢いのいい大阪弁とちょっと違って、はんなりしててこれはこれで、なんだかとっても心地いい。

「くらしのための料理学」ですが、ページ数も120ページと非常に読みやすい本でした。
料理に興味がある方だけではなく、ちょっと日常に疲れた方にもぴったりな本です。

特にケハレの話が面白かったです。
ハレ・ケハレ・ケとは、日常(ケハレ)は仕事や学校などの日々の生活で、非日常(ハレ)はお祝い事や祭事のこと、忌み日(ケ)はお葬式の日など、弔う日のことです。
土井先生は、現代人は日々がハレのような人もいると言われていました。

田舎生まれ・在住ですが、京都・大阪の市街地に住んだことのある私にとってはなんだか心に刺さりました。
また、兄弟の結婚式が立て続けに続いたので、なんだか人生で1番ハレを感じる出来事が多かったのも、この章がぐっときた理由です。

日常をもっともっと、愛そうと思いました。
アパートを綺麗にピカピカにして、台所をいつでも清潔にしておこうと思いました。

今の生活がとても心地いいと心から思える、30代にやっとなれました。

土井先生の言葉が沁みるような、大人に近づいていると思いました。

着飾ったり、素敵なレストランに行くのも良いことだと思いますが、日々の生活を慎ましやかに澄んだものにしていくのも、また楽しいし、ハレの日がより楽しめると思います。
おしゃれして飲みに出掛けて、1人アパートに帰ってなんだかしんみりするような、そんなハレはもう過去かも。

今は田舎のアパートに、パートナーと住んでいますが、このゆったりと流れる時間がすごく心地いい。

わが家の台所

この45平米のアパートの台所で、慎ましやかなくらしの料理を作って過ごしていきたいです。

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