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自分は誰で、どこへ行くのか。

年末に引越しを終えて、数ヶ月になろうとしています。その間、転校の手続きをして新学期の準備をしながら、床張りを完成させるために奔走していました。久しぶりに末息子(6か月)と2人きりになったので、寒々とした庭を見ながら頭を整理したくなりました。

妊娠してからというもの、家を探すために何度も房総に足を運んで、死闘の帝王切開を終えて、また探し続け、やっとの思いで物件に出会い早5ヶ月弱。この大変さを記録に残さねば、と必死になっていて、あの頃はかなりハイだったと思います。あまりの恵みに感謝の気持ちで溢れて、脳が疲れを疲れとして認識していなかったから、0歳児の育児と転校と引越しと家の改装が同時に起こっても、割と平気でいられたのかもしれない。と、今思う。

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床張りも無事終えて、家具をなんとなく置けるようになり、家の周りを散策し、買い物はどこでしようか、なんとなく分かってきた頃。

給湯器が来ない!!!待てど暮らせど、来ない・・・。

気温がどんどん下がり、ここ房総にも大雪が降りました。キツイDIYの作業を終えて、体が冷えてジーンと痛くなってくる。熱いお風呂に入れないつらさを身にしみて感じました。銭湯なんてないから、ホテルの日帰り温泉なんかに行きました。でも高くてもったいないから、毎日は入れず。足湯して子ども達の体を拭いてあげる日々。疲労は蓄積していったと思います。やっと給湯器が設置されて、古いお風呂でも初めての家のお風呂は感動的に温かかったのを一生忘れないと思います。

すぐに悲劇が来ました。ハイ、遅ればせながら、やってきました。マタニティブルーズ。産後クライシス。名前はなんというかわかりませんが、3人目で初めてのでかいやつがきました。今まで新しい家の素晴らしい環境に幸せで、あんなに喜んでいた自分が、急に、惨めで怒りっぽい、女としても母としても、なんの魅力もない、みすぼらしい人間に思えてきて、夜も眠れなくなりました。夜中の極寒授乳をしながら、隣で寝ている夫に無性に腹が立ってきて、でもMay君は可愛くて、可愛くて。感情がごちゃ混ぜで、頭がパンクして、壊れてしまったのです。自分が役立たずで孤独な気持ちになるから、夫には仕事の話はしないでほしいと言いました(職場が同じなので、同僚や仕事のことをよく知っているのです)。特に、未婚の女性の名前が出てくると異常に心が反応して、暗くて怖い感情がぐつぐつと湧いてくるので、夫に浮気される夢を何度も見ました。夫の気持ちが離れていくような、遠い存在に思えたのは、結婚11年で初めてでした。あんな気持ちはもう2度とゴメンです。(彼もそう思っているに違いない)

そんなクライシスも峠を越え、夫婦で話し合って、育児も人生も再び心を合わせて頑張っていこうね、と思えた頃。ふと、庭の掃除をしたくなりました。引越した頃は、本当に草がボーボーで、救いようのない状態でした。

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慣れない草刈機で刈った後は、根っこがぶっとくて簡単には掘り起こせず、庭木も病気や虫にやられて中が空洞になっていました。

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でも、ずーっと欲しかった広い庭。大好きなハーブをたくさん育てて、庭に座ってゆっくり愛でたい。そんな夢が叶うのかな、と荒れ果てた庭を見ながら思い巡らし数ヶ月。ついに、庭の掘り起こし整地作業を始めました。ここは海が近くて砂地なので、レイズドベッドを作って植物を育てよう。砂地は水はけが良いからそれを生かしてユーカリやオリーブの木を植えよう。裏庭に残ってるナンテンの木を1本移植しよう。紫陽花も切り戻して剪定する方法を勉強しよう。このヤマブキはまだ生きてるかな。レイズドの木と芝生の緑が綺麗だろうな。

いつの間にか、人が自分たちの家や暮らしをどう思うか、ということに考えが回ってしまうことがあると、気づきました。田舎でもスマートに暮らしててカッコイイと思われたい、とか、育児で大変で子ども達に負担はかけたけど、みんな幸せそうに豊かに暮らしてると思われたい、とか。田舎にしては小さな古い平屋に5人もの人数が暮らして、近所の人にどう思われてるだろう、とか。

人と比べたり、人の目を気にしていては、豊かではないんですね。小さなことや自然に感謝が溢れてくる、それぞれ自分らしい姿で暮らして、家族や人に優しくする。それが恵みの幸せなんですね。産後のダウンで、思いっきり自分が嫌いになり、Self-esteemがとことん下がった今、本当の自分に出会うために必要だった時間だったと思います。そして、もう一度自分が好きになって喜んで生きるために、庭をきれいにしようと決めました。素敵なガーデニングの本や雑誌を眺めていると、この荒地が本当にこんなんなるの!?と思いますが、やるのです。

室内のDIYも少しずつ、夫婦で進めています。あちこち不具合とも戦う日々です。お金が湯水のようになくなっていきます。DIY経験者の母は、こう言っていました。

「右見て左見たら、お金が消えていく。」

おかん、名言じゃないの・・・?

先日、子ども達とホームセンターの園芸コーナーに行ったら、チューリップがたくさん売っていました。いろんな色があるんですねー。次女のくりちゃんはチューリップが好きなんだって、その時知りました。だから、まずは花壇を作って、チューリップを植えることにしました。

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今は、私の愛するユーカリの木を植えるための土づくりをしています。玄関横にアプローチを作って、シンボルツリーにしようと計画中です。May君の誕生祝いでいただいたレモンの木も植える場所を考えなくちゃ。最近、芳醇な香りの花が咲きました。

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レモンの実がなるころには、お庭が綺麗になってるといいな。そして、何年もかけて、自然な植物園になって、自分が自分らしくいられる場所になるといいな。

みなさん、産後のママにはぜひ優しくしてあげてください。どんなに毒を吐かれても・・・。私は鬱にならなくて、本当に感謝しました。夫と子どもたちを尊敬します。

表紙の写真は、剪定した名前も分からない木の枝を水に差しておいたら、芽が出た様子です。目が覚めるような鮮やかなウグイス色!感動して心が震えました。頑張れ〜って言われてるみたいで。

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