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海の街に移住するってひらめきは、人生最高のひらめきだった。

最初は、東京の同じ街で住めそうな家を探してた。手始めに近所にあった「地元に強い!」みたいな旗を掲げた不動産に行ってみた。こういうところに期待するのは、ネットに無い情報をくれること。だよね?でも、無いの。もしくは、くれないの。営業マンに私たちの思い描く理想の家を一生懸命説明したけど、古い木造の安い一軒家を自分たちで住みながら直していく暮らしなんて東京じゃ理解してもらえなかった。何LDKか、駅から何分までか、の方がよっぽど大事みたい。

何件もそういう不動産を夫婦で回って、だんだん絶望してきた。私たちにはそんなローン何十年も組めるような能力なんてない。望んでない。私たちが住める家なんてここには無いんだ。この狭い賃貸マンションで子どもたちが大きくなってもぎゅうぎゅうで暮らさなきゃいけないんだ。そんなの嫌だ!

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だったら、田舎行くか。海があるとこに。私たちにも買える家があるかもしれない。そこから東京に通えばいい。そうだ、youさんは独身時代そうしてたじゃないか。そうしよう。それしかない。

すぐに候補地が決まった。youさんの実家からそう遠くない、東京からもそう遠くない、海も山も田んぼもある地域。なぜもっと早く気がつかなかったんだろうと思うほど、自然な流れだった。

子どもたちがまだ小さいから、考えれば問題点は山ほどある。でも、このひらめきを大事にすることが、今を突破することだと思った。youさんは心配していろいろ言ってきたけど、いい意味で考えることをストップした。反対されると、気の小さい私はすぐ夜眠れなくなるから、誰にも言わなかった。事後報告で、きちんと説明すればいい。

情けない私だけど、やるときゃやらなきゃな。

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