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ギャル曽根の胃袋に託された食欲の行方

わたしは子どもの頃から、大食い番組が好きだ。

二次性徴が訪れるまで、わたしの食は本当に細く、脚もゴボウのようだった。走り高跳びなんかも、ぴょんぴょん跳べていたが、年々跳べなくなっていった。ショックというよりは、常に体がだるかったことをよく覚えている。生物としての宿命は避けられない。「食欲」を知ったのはその頃だ。今ではスキニージーンズも履けないぐらいふくよかな太ももになってしまった。

食事や給食の時間は苦痛だったのだが、テレビ東京の『TVチャンピオン』の大食い選手権は好きだった。(『TVチャンピオン』の選手権は、家具でもシルバニアファミリーでも何でも面白かった)

大食い選手権は女子大会の方が好きだった。なぜかというと、男性大会や混合大会だと、食べている、というよりは流し込んでいる感じで、まさにアスリート、ちょっと違う種目のように見えた。

女性の方が顔の骨格や口内の面積、食道の関係なのだろうか。咀嚼しなければならず、「食べている」ように見えた。もちろん、大会の裏では嘔吐やトイレに籠っている参加者が多いなどの週刊誌の報道があったことも知っている。

ただ、たくさん食べる姿を見られる喜びは確実にある。

わたしの「食べられる量」には限界がある。しかし、「食欲」は欲望で、脳内で生成されるものなので、いくらでも膨れ上がっていく。胃腸の機能や実力とは関係なく、たくさん食べたいと思ってしまう。

ラーメンを2杯食べるのも、現実では無理。ケーキだって、2つが限界で、ビュッフェに行ったところで、全然食べられない。

現実の食欲と脳内の食欲は乖離している。そこを埋めてくれるのが、ギャル曽根なのだと思う。

赤阪さん、菅原さん、もえあずなんかも好きだが、ギャル曽根がダントツに人気なのは、おいしそうに食べているからなのだろう。

わたしが食べられない分は、ギャル曽根が食べてくれている。行き場を失った「食欲」はギャル曽根によって昇華されるのである。

チップをいただけたら、さらに頑張れそうな気がします(笑)とはいえ、読んでいただけるだけで、ありがたいです。またのご来店をお待ちしております!