映画という共通言語
わたしは映画を観るのも好きだが、映画の周辺情報、監督や脚本家のインタビューも好きで、わりとよく読む。映画というのは、世界中の人々に見られるメディアで、ある種の共通言語になっており、作品名だけで話が通じてしまうこともある。今回は、最近のわたしの巡回リストをご紹介。
1.Rotten Tomatoes
ある映画を見に行くか否かで迷ったら、まずはRotten Tomatoesを見る。
自分がどうにも解釈できない作品を見たときは、批評家のレビューを読んで、参考にしている。先日、『墓泥棒と失われた女神』を見て戸惑いを覚えたのだが、評価は結構高かった。(みんな、ジョシュ・オコナーの魅力に騙されすぎなのでは…)
2.CRITERION Closet Picks(YouTube)
YoutubeだとCRITERIONのチャンネルをよく見ている。最近は、役所広司が出ていた。
濱口竜介監督も出演している。
基本的に英語圏の出演者が多いので、英語の動画が多いが、話題は映画の話に限定されているので、何を話しているかは何となくわかるから不思議。その作品の背景知識を持っているかどうかで、理解度も大きく変わってくる。
3.Konbini Vidéo Club(YouTube)
Konbiniというチャンネルはフランス語だが、CRITERIONとほぼ同じスタイルの番組だ。DVDショップの棚からケースを抜き取り、俳優や監督が解説を加えていく。こちらも映画の話なので、何となくわかる。
クリストファー・ノーランは、大島渚の『戦場のメリークリスマス』が好きで、それで『オッペンハイマー』にトム・コンティをアインシュタイン役として起用したらしいのだが、この動画でもちゃんと言及していた。
ポン・ジュノ監督の回もあった。ポン・ジュノ監督って、本当に人を安心させる顔をしている。
レア・セドゥさまは、日本の作品だと勝間田具治監督の『にんぎょ姫』と宮崎駿監督の『風立ちぬ』を取り上げていた。フランス語なので、何を言っているのかは、ほぼわからないが、雰囲気だけでもよい。
こういうチャンネルのおかげで、監督はもちろんのこと俳優さんも古今東西の映画をよく見ていることがわかる。日本の映画監督でよく名前が挙がるのは、黒澤明、今村昌平、溝口健二、小津安二郎あたりで、やはり邦画もきちんと見なきゃ、という気持ちにさせられる。大島渚、伊丹十三、黒沢清あたりも、よく取り上げられている。
(わたしが子どもの頃、伊丹十三作品は頻繁にテレビ放送されていた。今の子どもたちが『スーパーの女』も知らぬまま、大人になるのは残念なことである)
世界中の人々が映画の形式とその観方を共有している。だからこそ、模倣されたり、触発されたりして、映画芸術はさらに蓄積されていく。映画は映画的教養が大前提とされてもいるため、そこには堅苦しさと息苦しさを感じないでもないが、文学や音楽などと比較すると、より大衆とともにある芸術であると思う。
そういえば『七人の侍』が4Kで修復されたらしいので、TOHOシネマズのIMAXで観たい。せっかく、東宝作品なのだから、大スクリーンで公開されることを祈っている。
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