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いまだに過ちすらない夜の話。

彼女は酒が好きだ。割と飲むし割と酔う。普段からフワフワした人が更にふにゃふにゃになり、妙な色気はあからさまな色気になる。もはやそれは理性への暴力である。好きな女にとろんと見つめられて「楽しいから飲みすぎちゃうねぇ」と微笑まれて内心ガッツポーズしない男がいるだろうか。いやいない。いるわけがない。ワンチャンあるんじゃね?と期待を高め、途中どう自然にコンビニでコンドームを買うか思案し(最終的には普通にゴム買うからコンビニ寄るわって言うのが1番だと気付く前の話)結局はコンビニどころか現地解散の肩透かしも甚だしい展開となる。彼女はふらふらと歩くわりに冷静にタクシーを呼び帰り道を告げる。演技されてんのかな?やっぱ騙されてる?
彼女の家で飲んだことも何度もある。やはり、とろんと酔ってふにゃふにゃと話しケラケラと笑う。
「泊まってくんでしょう?」と首を傾げる姿はもはや痴態と言っていい艶めかしさだ(個人の感想です)フラフラと部屋を移動しベッドを整えてくれた。「寒かったら毛布ここ」とクローゼットを何故かノックする。酔っ払いらしい行動だ。恐らく何の意味もない。
このとき彼女はすでに足取りも確かに部屋を出てゆく。おやすみ、と声をかけてドアをしめられてしまう。どうなってんだ。
僕らの間にセックスは必要ない、とカッコよく言えれば良いが残念ながら僕は彼女を抱きたいと思い続けているので、今後そのような機会があれば過ちだったとしても活用していきたい。要はヤリたい。シンプルにそれ。

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