備忘録4.放置は割と普通のこと

共通の趣味から知り合った私たちは、主に彼の知り合いの多いオフ会に毎週のように集まり、遊んでいました。

その趣味を始めたばかりの私は、とても周りの人についていけるほどの技量はなくて。ただ、側に立ってニコニコしていることの方が多かった。毎回、10人以上も集まるその会では、みんながみんな好きな人と好きなように言葉を交わす自由さで、居心地が悪いと思ったことはなかったけれどどうしてよいかわからないことも多く。

数少ない女性の中で、私より少し年上のお姉さんが「あいつは何をしているんだ。芽ひつじを放置して…」と、私の代わりに怒ってくれたり。聞けば、私がこうして連れてこられる前にも、色々な女の子が隣にいたことがあるそうな。毎回のように違う子で、私のこともまた新しい女の子が来たな、くらいに思っていたそう。私と彼はその後数年の付き合いとなり、周りからも「彼がこんなに一人の人と続くとは思っていなかった」と後になって聞かされました。

楽しくなると、私の事が見えなくなるのかな。思い出したように声をかけてくれるまで、私はニコニコと立ち続けていました。

そのうち、その中にも仲良く話せる人が増えて、放置されても気になることなどなくなったけれど。

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