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運が良くなる話

 冬休み前に生徒の皆さんにお話ししました。毎回プレゼンソフトを使ってお話ししています。生徒はみんな面白そうに訊いてくれましたし、若い先生からも好評でした。ちょっと励みになったかもしれません。
 
 今日は運がよくなる話をします。
 新出単語はカイロス、セレンディピティ、プランドハプンスタンスセオリーです。

 ではまずカイロスについてお話します。カイロスをご存知の方いますか?
ポケモンではありません。ギリシャ神話の時間の神様です。
 画像(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』フランチェスコ・サルヴィアーティ)を見てください。これがカイロス、時間の神です。
 ちなみにギリシャ神話ではもう一人クロノスという時間の神様がいます。クロノスは過去から未来にわたる永遠の時の流れを表します。途切れない時間、アナログの時間と言っていいでしょう。
 一方カイロスは切り取ったある瞬間である時を表します。
 カイロスの髪型に注目してください。カイロスは前髪は生えていますが後ろはつるつるです。私はどちらかというと前がつるつるですが。
 前からやってくる時間はつかめるけれど過去のことは変えられない象徴です。
 そこでカイロスはチャンスの神様とも言われています。
 チャンスはやってくる前につかまなければいけない、通り過ぎたらつかめない、ということです。
 私は通りすぎても捕まえられます。

 なるほど、じゃあチャンスの神様は来る前に捕まえればいいんだ。了解! って、来る前に捕まえるってどうするの! ということになります。

 そこでよく言われるのがセレンディピティです。
 セレンディピティは偶然に幸運を得る力、偶然のチャンスをものにする力です。
 ああ、じゃあセレンディピティを身に付ければチャンスの神様を捕まえられる言う話じゃん。ってどうするの!またじゃん!
 それではどうすればセレンディピティを身に付けてチャンスの神様を捕まえられるのでしょう。
 ここで、「信じることです」というと宗教になります。「疑いのない証として財産を出しなさい」というとカルトです。学校ですから、科学の方向から光を当てます。

 ジョン・D・クランボルツは、教育心理学者。専門はキャリア論。スタンフォード大学大学院教育学研究科に在籍していました。
 このクランボルツ先生が唱えた理論がプランドハプンスタンスセオリーです。日本語にすると計画的偶発性理論です。
 人生はハプニングだらけ。いつどこで何が起こるかわからない。人生は偶然の出来事で大きくも小さくも変わるものです。だったら、偶然の出来事を計画的に人生に織り込んでチャンスにしてしまいましょう。そのためには5つの行動が必要ですよ。という理論です。

 これがその5つの行動です。好奇心を持つこと、持続的に取り組むこと、楽観的に取り組むこと、柔軟に取り組むこと、冒険心を持つことです。何かするときにこの5つの行動をとってみてください。

 私の話をしましょう。2年前に知人がSNSのクラブハウスでお話をするというので「面白そう」と思って好奇心があって参加してみました。
 「前から持続的にやっていた」キャリア教育の関係者です。
 急に杉森さんどうですか?と話を振られたらどうしようと思いましたが、「まあ何とかなるだろう」と思って楽観的に参加しました。
 案の定、話を振られましたが、「柔軟に」その場に応じたお話をしました。
 そうしたら、その座談会に参加していたAさんという方が評価してくださりつながることができました。
 そのAさんから本読み会をするから参加しないかとお誘いがありましたので、忙しい中できるかなとは思いましたがリスクをとってやってみることにしました。

 その結果です。まず、Aさんと親しくなれました。本読み会に参加したくさんの知人ができました。月1冊本を読んでいるのでこれまでにもう20冊読みました。そして、Aさんに頼まれて小さな講演会もしました。
 年とっても若い方々とコラボレーションするのはいいなと思いました。

 では、この5つの行動を覚えましょう(ジョークです)。覚え方は頭文字一字をとって順番を変えて「じじコラボの法則」と覚えましょう。年とっても若い方々とコラボするのはいいことだという話でした。(笑)

 でも皆さんもこの行動しています。面白そうだと思って本校に入ったし、ここまでやってきたし、この先もなんとかなりそうだと思っているし、何とかやりくりして進めまていますし、失敗するかもしれないけれどとにかくやってみています。
 課題研究をやると自然にこの5つの行動をとっていることになります。課題研究は面白そうなことを題材にしますし、研究を達成し提出しますし、うまくいきそうな結果を考えるし、何とかやりくりして進めますし、失敗するかもしれないけれどとにかくやってみます。

 皆さんにはきっと幸運がやってきます。信じなさい。(笑)
 すくなくとも、課題研究が出来上がるという幸運をつかむことができます。もっと様々なチャンスをつかむことができるかもしれません。すごい人とつながったり、課題研究がすごく評価されたり、ということが起こるでしょう。
 でも、その幸運は偶然ではないのです。

 さて、みなさん、では幸運とは何か、あるいはさらに幸福とは何か、人によって違いうんじゃないかという話になりますよね。この話は冬休み明けにしたいと思います。

 それでは、冬休み明け皆さんの顔が見られることを楽しみにしています。  
 校長室のドアが開いていたらいつでも入って構いません。最近起こった良い話を聞かせてください

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