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大切なことは、さりげなく 気が付かないほどにソフトで優しい

今から6年ほど前、
ヨガにはまりホットヨガと常温ヨガの
二つの教室に通っていました

ホットヨガは、大量に汗をかくので
痩せる効果がかなりあったし、
常温ヨガの方はインストラクターの先生が
素晴らしかったからです

スタジオヨギー新宿校に
アシュタンガヨガを教える
ユージ先生がいました

ユージ先生は、元バレエダンサーだけあり
ポーズがとても美しかったのです

そして、チャーミングなお人柄が作り出す
先生のクラスの雰囲気が大好きで
スタジオヨギーに2年ほど通いました

先生は、ビギナークラスでも 
中級クラスでも全く変わらず
そして誰の事もえこひいきしたりせず
誰にも平等にそして丁寧に
ヨガを教えてくれました

ヨガでは、
「誰とも比較しない」という気持ちで行う事が大切なのですが

身体を動かす=スポーツは勝ち負け

という概念が付きまとい
その心境になるには、なかなか難しい

しかし、ユージ先生のクラスでは
不思議と楽に自分と向き合う状態に
入れることができたのです

太陽礼拝の平凡なポーズも
ユージ先生の近くで行うと
少しずつ心が緩み体が柔らかくなって
だんだんできるようになっていく

「私の硬い身体でもこのポーズができた・・・」

自らが自らの身体と対話をする

そんな瞬間をユージ先生は
たくさんもたらしてくれました

そしてユージ先生のヨガを受けた
その夜は心まで浄化され、穏やかに
ぐっすり眠れたものです

最近特に思う事ですが、

素晴らしい指導者は
凄く刺激的で
個性が強いとかでなく

中庸でバランスがとれ
自らの意見を押し付けず
参加者に光が当たるように
指導してくださる方だなと

ひとたびカリスマ人気講師になってしまうと
自分に酔い、自らの思いと同じものを
生徒に求め生徒の為ではなく自分の為に
教えている指導者になってしまう人もいる様に感じます

しかし、ユージ先生は
いつもぶれることなく
その真逆の場所にいらした

その当時書いたメモがあったので
シェアします

2013年の2月19日のメモ

「ユージ先生のヨガに助けられた。
ボロキレのような自分になって、
そこで初めて自分を受け止める
それで、ようやく見えてくることがある
そう教えてくれた」

2013年2月26日のメモ

「ユージ先生のヨガを連続で受けた。
 確実に心が整った」

2013年3月2日のメモ

「今日のユージ先生のお言葉
星よりも心の方が明るい」

2013年3月5日のメモ

「きょうのユージ先生のお言葉:
あなたのまっすぐと向き合う
あなたがあなたである事に感謝できますように」

そしてその年の6月の末を最後に
ユージ先生は体調不良という理由で
随分と教室を休まれていた

そして、2013年の11月のメモ

「大好きなユージ先生が亡くなった。
  胃がんだったそう。あまりにも悲しくてたまらない。
  別れは突然やってくる。
  だから毎日本当に丁寧に生きなければいけない。
  そして、伝えたいことは、伝えないと。
  人にやさしく、丁寧にヨガの奥深さを
  教えて下さった先生
  本当に、本当にありがとうございました」

先生の葬儀には、
たくさんの生徒さん達が
列をなし皆一様にお別れを悲しんでいました

まだ40歳少しくらいで
お子さんも小さかった先生
教室で、初めてディズニーランドに
子供を連れて行くと
嬉しそうに話していらした

あれから6年以上たった今でも
一人公園でヨガをするとき
私は、必ずユージ先生に捧げる気持ちで
取り組んでいます

するとユージ先生の号令が
聞こえてくるようで
一緒にヨガをしている錯覚にとられる

ユージ先生が教えて下さった
心と身体の対話
中庸である事、バランスをとる事
そして、自分のまっすぐに向き合う事

今思うと先生からヨガを
学べたあの時間は
何にも変えられない
何と貴重な時間であった事だろうか

大切なことは、さりげなく
気が付かないほどにソフトで優しい

そして、それが本物であればあるほど
何年たっても色褪せていかない

いつまでも心の中に生き続ける
素晴らしいもの

それを手渡していく事は、
とても難しいことかもしれないけれど

少しでもそうなれる様
明日も、真摯にヨガと向き合い
言葉を綴っていこうと思います

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