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淡路晃太郎さんの 「損をして徳を取る」生き方

自己紹介をお願いします。

淡路晃太郎 27歳です。
法政大学を卒業後、不動産投資家専門の会計事務所へ入社しました。お客様から不動産を売りたい・買いたいという声が多かったため、会計事務所社長が不動産会社を創設してくれたので、会計事務所から不動産会社へ転籍しました。
不動産会社での打合せでシーシャ屋を利用することが多く、そこで自分達でもシーシャ屋を出そうと決意して、今はシーシャ屋の経営をしています。

事業内容を詳しく教えてください。

やっている事業としては大きく3つで、その内より動いているのがシーシャ カフェ Entei ~煙庭~というシーシャ屋の運営になります。もう1つ動画制作の会社でも活動しています。あと1つが元々勤めていた会計事務所と不動産会社の業務を少しやっている状況です。

店舗を開業した理由を教えてください。

ホリエモンさん御用達の西麻布にあるチルラグというシーシャ屋があり、ミーハーなのでホリエモンさん見たさに行って、そこでシーシャを初めて吸いました。初めはホリエモンさん見たさで行ったのですが、シーシャを吸っているうちにハマり、不動産の打合せの場として利用するようになりました。シーシャ屋で打合せを行うと、初対面でもリラックスして話がまとまったり契約も決まる事が多く、シーシャ屋で打合せをすることに魅力を感じ始めました。毎回打合せを行うごとに4,000円くらいかかっていたので、自分たちで打合せできる場所を作りそこで打合せようという話になって開業に至りました。

シーシャを初めて吸ってみた印象は?

タバコは吸わないので、水タバコも最初はあまり良い印象ではなかったのですが、水タバコは普通のタバコと違い何種類ものフレーバーがあるので、自分の好みのフレーバーが見つかりました。タバコっぽくなくて全然吸えちゃうし、煙もぶぁーっと出るので楽しかったです。タバコを吸わない人からすると、吸っている人がちょっと憧れみたいな部分があるじゃないですか。それをシーシャで味わえたという感じでしたね。

シーシャ屋で打合せをした時に契約が決まりやすいというのはなぜなのでしょうか?

打合せで初めましてという時は緊張感があったりとか、沈黙があったりすると思うのですが、その間をうまく埋めてくれるのがシーシャでした。会話が止まったときに、ブクブクして「これ美味しいですね」と言って間が繋がったりとか、シーシャを吸うことによって呼吸を深く吸うことができるので話しているうちに緊張がとけてリラックスでき、お互い本音で話せて仕事がまとまることが多かったのかなと思います。

シーシャが営業ツールみたいな?

そうですね。タバコミュニケーションをシーシャに変えた、タバコを吸わない人でも楽しめる営業コミュニケーションみたいな感じですね。

不動産会社と店舗運営はジャンルが全く違いますが、ハードルは高くなかったのでしょうか?

不動産会社では普段は土地を買ったり、売ったり、建物を建てて貸したりということをやっていました。逆に自分の家以外で借りたことがなかったんですよ。街を形成しているのって建物があってその中で暮らしている人だったりとかテナントさんが街を作っている一つの要素だと思うんですね。そういう人たちが集まっていろんな街の特性が出たりすると思うのですが、自分がテナント側になる、街の一員になるということをこれまでしてこなったので、そういう視点から不動産を見たいなというのが店舗にチャレンジした理由です。

不動産をやっていた分、店舗は身近だったのでしょうか?

そうですね。今まで不動産をやってきて、唯一やっていなかったテナントとして店舗を借りる。という視点を知りたいなと思いました。

店舗を持つには銀行からの融資などが必要だと思うのですが、最終的にどうやって決められたのでしょうか?

最終的には、元々勤めていた会社の社長が応援をしてくれるような方だったので、理由も含めてシーシャ屋について提案したら「やってみなよ」と応援してくれて出資してくれて始めることができました。

煙庭のロゴ

すごいですね!人柄ですね

店舗名の由来を教えてください。

煙の庭と書いて「えんてい」と読むのですが、名前は僕がつけたわけではなくて店頭に立つ3人の初期メンバーに決定権を委ねました。そのスタッフがつけてくれた名前です。いくつか候補を出してもらってその中から最終的に選んだのは自分ですけど。
実は想いも込めてあって漢字は煙の庭で「煙庭」で“えん”は煙なのですが、それ以外にも店舗をやるんだったら人が集まる場所になるので、ご縁もこの場所であったらいいなと思ったんです。ご縁のある店舗にしたいという想いも込めて、漢字に直すと煙じゃなくて“縁”の庭、という意味もあります。このお店で出会う人といいきっかけがあればいいなとすごく思いますね。

名前の由来からもわかるように、人とのご縁を大切にされていますが、なぜご縁を大切にしているのか、今どうやって大事にしているのか伺えますか?

ご縁を大切にしているのは父親からの影響がすごくあって、父親も会社を経営しているので、自分が十代の頃からよく「人を大事にしろよ」と、「自分一人じゃ会社はできないし、いろんな人に助けられてやっているから、絶対人を大切にしないとうまくいかないよ」と言われてきました。無意識的にその想いというのは自分の中にあって、実際に社会人になってからも自分にできることってすごく少ないなと思って。会計事務所にいたときは会計について、不動産会社にいたときは不動産については多少詳しいけれど、それ以外のことは専門外なので全くわからなくて。そのときに外の人たちとコミュニケーションを取ると、圧倒的に優秀で自分の知らないことを知っている人が魅力的に見えました。そういった人たちと一緒にいたら、僕が知らなくてもその人がいれば問題解決できるというのがあって。人を大切にしないとそういう人達とも一緒にいられないので、自分が困ったときに誰も助けてくれないというのは寂しいので、大切にしたいなと思っています。

ご縁を大切にするにあたり、心がけていることはありますか?

絶対に人を騙さないというのと、人を落としてまで自分が成功しようとは思わないってことを心がけています。人を騙してお金を稼げば簡単に上に上がれるかもしれないけれど、やっぱりそれだと心が落ち着かないと思うので。現状すぐに稼げなくても、いろんな人から好かれたほうが幸せだし、心が穏やかに生きられると思うんですよね。対照的にその人たちが上がれば、自分も上げてもらえるという想いもあるので、自分より先に周りの人に成功してもらって少しでもその時は自分のおかげだよと言ってもらえたらすごく嬉しいですし、もしかしたら助けてもらえるかもしれない、ということを思って人と付き合っています。

これまで大変だったことはありますか?

最初いたスタッフ3人が3人とも辞めてしまったことです。オープンして2〜3ヶ月後に全員退職というのが大変でした。現場はその3人がやってくれるのですべて任せていて、現場にいる人の好きなようにやらせてあげた方が気持ちよく働けるだろうと思っていて、内装のことやメニューのことなどほとんどの権限を渡していたんです。でもやっぱり進まないことだったり、ダラダラしちゃうことが多くなり、自分が思っていることとの乖離が出てきて、スタッフとすれ違うようになったんです。進まない内装などについて自分が早くしてよとか、こうしてああしてと伝えたら、「だったらもう自分で決めてください」という感じでコミュニケーションがとれなくなってきて、最終的にはついていけないと3人が辞めてしまいました。今年の1月に全員辞めてしまったのですが、誰もいなくなってしまったので運営すらできないという状況がありました。
自分も無責任だったなと思っていて、決めるところは決めなきゃいけないし、裁量を渡すにしても決めやすいような一定の準備は自分がするべきだったと思っています。スタッフが途中で辞めてしまい、なんだよと思うこともありますが、そこはもう自分の無責任な部分の影響がすごくあるので反省し、それをちゃんと活かしていきたいなとその時感じました。

スタッフが辞めてしまった後、どのように従業員を雇われたのか教えていただけますか?

それもこのお店の名前のように、ご縁がありまして。今働いてくれているスタッフも前のスタッフが全員辞めてしまうタイミングの時に知り合ってお店に入ってくれることになりました。後は別の方がスタッフを紹介してくれたりしてお店を続けられました。
辞めてしまうタイミングと新しく入ってくれるタイミングがちょうど重なったので、ストップせずになんとか続けることができました。ラッキーな部分があるかなと思います。

今後のビジョンを聞かせてください!

今もまだ成功しているとは言えないので、もっとお客さんに来てもらえるように集客していきたいというのが当面はあります。当初お店をオープンした大きな目的として、浜松町の人たちがビジネスなどコミュニケーションを取る場として使ってくれたらというのがすごくあったんです。仕事になってもならなくても、このお店で出会った者同士が仲良くなって、その人たちが大きく成功していくきっかけの場所になってほしいです。

これから店舗を開業したい方に向けてメッセージをお願いします。

どちらかというと自分は成功より失敗の方が多いので、失敗についてはいろいろ伝えられると思います。やっぱりお店を出す前の調査も必要ですし、事業計画という部分も自分の想定と大きく異なってくるので、そういったところは甘く考えずに、根気のいることなので、もし店舗を出すのであれば、その覚悟が必要だと思います。
自分もまだまだこれからなので必死にやっております。大変なことはいっぱいありますが、この場所に小学校の同級生が来てくれたりなど結構再会も多いですし、新しく来てくれたお客さんと仲良くなって仕事につながることもあります。“再会”と“新しい出会い”の両方が店舗だとあるのでやりがいがあると思います。

店舗経営において大事にしていることはありますか?

1周年などの記念日に「お祝いに来てください」とお客さんにお祝いしてもらう風潮があると思いますが、今まで自分はそれをすごい疑問に感じていたんです。お店はお客さんがあって成り立っているので、1周年などの記念日のときはお客さんに還元したいと思っています。本当に来てくれる人が大事なので、原価率など色々細かい話はありますが、そういうのを抜きにしてお客さんとコミュニケーションをとるように意識しています。まだまだできていない部分もありますが。

淡路さんの物腰の柔らかさはどこからくるのでしょう?

正直自分に能力がないけど強く見せたいとか、尖っている時期もありましたけど、結構失敗や嫌なことも経験してきたのでもうカッコつける必要もないかなと。素でいいかなと思ってます。今ちょっとカッコつけましたけど(笑)
父親から人を大事にしろということと同じくらい、「損して得とれ」と言われてきました。最初から自分が利益を得るのではなくて、周りを成功させてあげて返してもらえばいいという考えで、それはすごい自分に根付いている考え方ですね。僕自身まだ店舗運営を始めて、得するより損するほうが正直多いんですけど、周りが成功してくれたときに自分もよろしくお願いしますという感じで、「損して得とれ」というのは自分の中にずっとありますね。


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