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【「育児休暇」というネーミングが与える誤解】

高島アナウンサーの名言!「育児休暇というネーミングは誤解を与えるから変えたほうが良い」というもの。確かに、日本語はわかりにくい表現が多いと言われてますが、この「育児休暇」と言う表現は「赤ちゃんと一緒に長期のお休みがもらえる事」だと勘違いされかねないですね。特に子育て参加を全くしてこなかったと思われる上司世代にはこの「休暇」という響きが良くないと思われるのです。

パパが、職場の上司に「育児休暇取得したいのですが」という時にこの「休暇」というニュアンスは「バケーション」?というイメージを与えてしまうのかもしれない。中小企業だとただでさえ人手不足、代替要員なんて夢物語、「自分の仕事を誰かに負担してもらう必要がある」と考えてしまい、言い出せないパパさんも多いのではないでしょうか?

【育児休暇を英語で検索すると】

英語で検索すると育児休暇は Maternity leave
「マタニティリープ」と書くそうです。リープの意味は、「飛躍する、跳躍する」などの前向きな意味合いの言葉なのです。出産を機に色々な意味で今までよりも飛躍するための期間だと捉える。なるほど!日本語の育児休暇という言葉の響きとは大きく違いますね。

語感から溢れ出る「休暇」というイメージは、人手不足で大変な中小企業の会社の男性社員さんにとって、上司に「育児休暇」と言う言葉を発するのがもしかしたら、言いづらいのかもしれません。

それにしても育児休暇を「飛躍の機会」と捉えるというのは、英語圏の国らしい思考で素敵ですね。そしてそれを参考に日本の「育児休暇」という言葉はやっぱり変えた方がいいのではないか?と思うのです。

子育てに参入する?手伝う?一緒にする?のではなく、(最近はこのような言い回しは「女性だけに育児を押し付けている」「女性だけが家事育児をしなければいけないという風潮につながる」と怒られます。)夫婦として子どもに対する親の責任は男性も女性も関係ない!という思考にならないといけないのです。しかしながら、男性育休の場合は本人の自覚以前に企業風土とか企業文化の壁が大きく立ち塞がっているというのも、まだまだ日本では大きな課題の一つなのです。

【0歳児の育児現場事情】

子どもが3歳以上になると、言葉もしっかり話せるようになり、早い子だとおむつも取れて、おしゃべりもできるようになり、意思の疎通ができるようになることで、お世話はずいぶん楽になります。それに比べると0歳児の育児は本当に大変なのです。特に核家族となると、妻一人の肩に家事育児がずっしりとのしかかってくるイメージです。

当法人は、2012年に赤ちゃん先生プロジェクトというのを立ち上げました。あれから10年が立とうとしています。立ち上げ当時は「赤ちゃんが小学校に来るとか危ない!」とか、「赤ちゃんが高齢者施設に来るなんて、感染対策はどうなるの?」など、色々と物議を醸し出していましたが、そんな心配をよそに、赤ちゃんはいたって免疫力が高く、また、赤ちゃんのことに誰よりも長い時間関わっている母親がマンツーマンで同行するわけなので、正直、医師や看護師のサポートよりも安心だったりするのです。そんなわけで、今までに6863回も色々な場所で「赤ちゃん先生クラス」を開催しているのです。

では、0歳から3歳のお子さん連れのママたちは何故「赤ちゃん先生クラス」に参加するのか?

それは・・「子どもと一緒にお仕事として社会参加できるから」という意見があっとー的に多いのです。(自社調べ)福祉先進国である北欧は家族の時間を何よりも大切にすると言います。それに比べて日本は夫婦の会話時間や、家族が一緒に過ごす時間は先進国中最下位です。

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【制度は世界一なのに韓国より低い取得率】

私も今回この記事を書くにあたって、初めて知ったのですが、実は日本の育児休暇に対する制度は世界一なのだそうです。(信じ難いがそうらしい)

以下PRESIDENT Onlineより


実際のところ、法改正によって男性の育休取得がどれだけ進むのかわからないが、使い勝手がよくなっているのは確かだ。それにしても出生時育児休業制度は男性の産後休業を意識した制度だ。厚生労働省の審議会では、男女共通の権利を定めた育児休業法に男性に限定した特別の制度を設けるのはおかしいという意見もあった。だが、そこまでしないといけないほど日本の男性の育休取得が世界に遅れていることを物語っている。

国連児童基金(ユニセフ)の報告書(2019年6月)によると、OECDまたはEUに加盟する41カ国の中で取得可能な産休・育児休業期間に賃金全額(賃金と比べた給付金額の割合を加味)が支給される日数に換算した結果、日本の男性は30.4週相当で、男性の育児休業制度は第1位にランク。2位の韓国(17.2週)、3位のポルトガル(12.5週)を大きく引き離している。報告書は「父親に6カ月以上の(全額支給換算)有給育児休業期間を設けた制度を整備している唯一の国」と紹介する一方、「2017年に取得した父親は20人に1人」(5.14%)と、取得率の低さを指摘している。同じく低取得率と言及された韓国の17%(2018年)よりさらに低い。「"男の育休"法改正で風向きが「確実に変わる」企業人事部がそう断言するワケ社長の65%が男性の家事育児を奨励」            

そうなのです、もうこれはネーミングの問題(無理矢理・・)というのが大きいのではないか?と思わざるを得ないのです。

では、どんなネーミングが良いのだろう?
「育児前線突入します」とか?
「子育て戦闘開始します」とか?
どれだけ0歳児のお世話が大変なのか?が想像できそうなネーミングにするのはいかがでしょうか?「育児休暇」と言う言葉の中にはそんなニュアンスは微塵も入っていませんね。そこに便乗するのもなんですが・・・・。

【家事育児には生産性がないと思っている?】

実は、怒られそうですが・・・私自身も、子ども達が3歳と1歳の時に、毎日子どももたちと公園に行って近所のママ友さん達と子どもを遊ばせながら、お喋りして、そのあと、仲間のお宅にローテーションでお邪魔して、ランチしながら子どもを遊ばせながら、おしゃべりして、夕方に解散する。

と言った毎日を過ごしていたある日に「なんて生産性がないんだろう!」と思い、ワークシェアリングを思いついて、近所の和食屋さんに交渉して、2人分のバイト代で3人がローテーション組んで、2人はバイト、1人は子守を交代制でやったことを思い出しました。

バイトはお運びと皿洗いだったのですが、家のすぐ近くだし、朝の10時から15時までという、理想的な時間帯。

お店にとっても忙しいランチタイムにとても助かると喜んでいただきました。

実は子育て期と言うのは脳内ホルモンの関係で、「忙しいけど何かしたい!」と言った、まるで思春期のようなモヤモヤした状況になっているのだそう。これが度を越すと虐待や鬱になりかねないのだそうです。だから、ワークシェアリングで色々な働き方を経験すると言うのはとっても良いのです。赤ちゃん先生プロジェクトの原型になったのはそんな経験があったからだと思います。


【あの「ベネッセのたまひよ」でも取り上げられたパパの育休問題】

日本は欧米より10年遅れで商品やサービスが浸透するとマーケティング業界では言われているけど、まさしくこのような企業文化みたいなのもそうなのかもしれない。

商品やサービスではない文化を変えると言う事だから一筋縄ではいかない。
では、その男性の家事、育児参加を阻む大きな壁とはなんだろうか?

その辺りを解説しているとても面白い記事を見つけた。

なんとなく思っていたのだけど、怖くて文章化できなかったことがある。それは、日本人女性の「良妻賢母」という響きがいまだにママのその親である、母親を通して連綿と言い伝えられているのではないか?

「家事育児は妻がやると言った変な母性発揮」しかも、その家事育児力を高め、世の中に発信するシステムがある。「キャラ弁」などはその典型なのではないだろうか?

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            ピカチュウ弁当ークックパッドより

母親が我が子のためにキャラクター弁当をせっせと作る。そして子供たちはママの作ったお弁当を自慢し合う・・。海外から見たら意味不明なマウント文化なのだそうです。子どもの頃からこんなことを幼稚園とかでやっている子どもは果たして健全に成長するのだろうか?はなはだ疑問です。

かく言う私も子ども達が小さい頃は、お誕生日には手作りの三段ケーキを作ったり。夏には2人の子供達にお揃いの甚平さんを作ったり、冬には手編みのカウチセーターを徹夜で編んだりと、今からは想像もできないほど(笑)何かに取り憑かれていたのか?お金がないからブランドの服は買ってあげれないけど、代わりにお洒落な手作りを着せていたのかも?どちらにしてもパパの育休が今後どんどん進むことを考えたら、お休みをとるのと同時にパパの家事育児スキルをUPするためのレッスンも必要なのでは?と思う今日この頃です。

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