少子化も女性活躍も男性育休もまるっと解決できる夢の仕組みを作ろう!
女性活躍も、男性の育児参加も、少子化問題も。今の日本の「働き方問題の根っこ」にある「問題の正体」がなんとなくわかってきた。これは長年「ママの働き方問題」に取り組んできた私としては謎を解明し、長年低迷してきた(30年近くデフレな日本)の解消につなげるべく、立ち上がらなければならないと思った次第です。
少子化の本当の原因は何か?
晩婚からの不妊という問題
2020年は兵庫県養父市と内閣府の予算を使わせていただき、「妊活フォーラム」なるオンラインセミナーを毎月開催してきました。妊活フォーラムはこちら https://www.youtube.com/watch?v=YahLGbtqZgk
このフォーラムを主宰して気付いたことがある。それは、不妊の問題の根底に流れている大きな課題の一つが「晩婚」これに関しては女性のキャリア思考だけではなく、それ以外にも、何か大きな課題があるにちがいない!と常々思っていました。その一つが子育てというホモサピエンスが地球上の霊長類のトップに躍り出たころから、ずっと抱えていた問題に秘密があるのでは?と仮説を立ててみました。
孤育て(ワンオペ)という問題
日本には戦後、「高度成長期」というのがあった。戦争で焦土と化した国を立て直すべく、日本中が一丸となって経済復興に心血をそそいで、「日本のキセキ」とまで言われた「GDP世界第二位」という偉業を成し遂げ、先進国の仲間入りを果たしたのだ。ただ、残念なことにそのせいでそれまで日本にあったすばらしい文化が消えてしまったといった「負」の部分もあった。それが地域の中にそれまで存在していた「子育てのコミュニティ」が消滅して、経済最優先の都市集中型経済により広がった「核家族」という形態なのではないか?と思っている。
核家族はこうして作られた
高度経済成長を成し遂げるために、日本は「生産性効率」を「国の政策」として究極のところまで押し進めたのだ。生産性をあげるために、男性は「24時間戦える働き方を」女性は3歳児神話をもとに出産、育児で「良妻賢母」を目指す。この時の国策の影響でいまだに「3歳までは手元で育てないと」という考えが子育て中のママさん達の間では定説になっていたりするのです。
女性が活躍できない原因は何か?
キャリアを優先してしまう。
仕事上でキャリアやポジションを優先するとどうしても子育ては「もう少し、キャリアを積んでから」となり、晩婚、高齢出産となってしまうのです。不妊治療をされている方のほとんどが「結婚すればいつでも子どもはできると思っていた」と答えているのです。その根っこには企業の働き方の問題があると言わざるを得ません。コロナ禍によりリモートワークが浸透した今こそ、日本人の働き方が大きく変わるチャンスだと思うのですが、いかがでしょうか?そして、リモートワークになることで、地域での繋がりが増える方法を模索できるのではないか?通勤時間や残業などをなくし、もっと家族単位で地域のコミュニティへの参加が可能になれば、核家族であったとしても、地域の子育てコミュニティの輪が広がることは可能だと考えます。
男性育休の一人歩きが危険な理由は何か?
日本男性が家事能力が低い理由
夫は妻よりも家事育児に関しては能力が低いと言われています。それは妊娠〜出産〜育児に対してかけている時間の差であり、致し方ないと思うのですが、諸外国に比べてもかなり低いのだとか?この原因がなんなのか?ある教授の研究によると、日本人はかつて「男子厨房に入らず」とかいうような諺があったぐらい、「家事は生産性のない無償でやる仕事」というイメージが濃いのだそう。家事労働を時間換算したら年収そこそこになるとも言われていますが、男性がやる仕事ではないというのがまだまだ日本では根強く残っているみたいです。
男性育休を法的に強制する時の混乱
家事があまり得意でないパパが会社から強制的に育児休暇を取らされるとどうなるのか?気になる答えがあります。それは「職場に迷惑をかけてしまうのが辛い。戻った時に肩身が狭い」というもの。このような状況で強制的にお休みを取ることに意味があるのか?そこは同時に制度としても整えるべきだと思うのです。
職場の問題
ここが実は最も大きな原因だと思われます。村社会思考が根強く残る日本では、自分の家庭が幸せになるために職場に迷惑をかけるわけにはないかないという理論がいまだにまかり通っているのです。どういうことかというと・・日本は99・7%以上が中小企業。つまり、潤沢な資産と潤沢な人員がいる状態ではない企業がほとんどなのです。
以下参考記事:日本経済新聞より
企業全体のうち中小企業が圧倒的な割合を占めるのが日本の産業構造の特徴だ。2016年の経済センサス活動調査によると、個人事業主を含む中小企業は企業数で全体の99.7%、従業員数で68.8%を占める。中小企業の経営状況の悪化は日本経済に直結する。
男性も女性も育児休暇を取得する時に、制度があるのに取れない理由のトップに上がってくるのが、以下の理由のようだ。これは制度や給与の補償だけでは片手落ちだということを明確に物語っている。
1)代替要員がいないので、周りの社員に皺寄せがくる
2)職場復帰した時に周りに迷惑をかけてしまっているのでいづらくなる
諸悪の根源!核家族を解消すれば危機回避できる
休業補償をし、育児休暇も男女ともに取りやすくしてもなかなか取得が伸びない理由の一つに、日本文化の良さでもある「周りと調和する」という利点が仇となっている。何故そんな事になってしまっているのか?それは、戦後の経済成長の中で、大都市集中型の経済。大企業の転勤制度など、経済優先の社会を作り出してしまったところにあると言わざるを得ない。男性は仕事を優先し、女性は家庭に入り子育てを優先するということで、経済の復興と人口増加といったマーケティングのお手本のような社会が実現したのだ。その結果「核家族」というホモサピエンスには考えられない家族の形となり、そこからさまざまな課題が浮かび上がってきているのだということ。
「核家族」を解決する最も効果的な方法とは?
地方創生で試験的に「共同養育」をやってみる
女性が子どもを産み育てやすい町を作る!これを地方創生の柱にしてはいかがでしょうか?育児手当や、男性育休もいいのだけど、孤独な子育ては何も生み出さない。それよりもホモサピエンスがずっとやってきた「共同で子どもを育てる」という形を地方創生の要に持ってくるのです。地方都市ならではの企画、地方の良さを生かした企画で「少子高齢化問題」を解決できるのではないか?と考えているのです。人は我が子を1人で育てるようにできてはいないのです。
子ども時代に、地域の中で、コミュニティの中で、大勢のヒトの中で育つ方が、AI時代に必要なコミュニケーション力と、発想力などの、感性豊かな人間を社会に送り出すことができるに違いないのです。
共同養育が人口爆発の起爆剤だった
人は進化の過程で「共同養育」を生み出した。赤ちゃんは未熟な状態で生まれてくる「子宮外胎児」とも呼ばれているぐらい、生後の1年間は誰かのお世話なしでは赤ちゃんは生きていけないのだ。大人の脳が1200g程度なのに対し、赤ちゃんは400gの脳しか持たないで生まれてくる。これは人類が二足歩行になったことで、骨盤が狭くなり、成人と同じ脳で生まれてくると母子ともに命に危険がある。という理由で「小さく生んで大きく育てる」という形を選んだのだ。その結果、赤ちゃんは脳が大人に近いぐらい大きくなるまで(6歳ぐらい)四六時中お世話が必要になった。その大変な赤ちゃんのお世話というのを、核家族の中では母親1人が背負っているのが現代の日本の大きな課題であり、少子化も女性活躍も男性の育児参加も遅々として進まない。コロナで価値観が変わった今こそ、子育ての仕方も見直す良いきっかけになると考えています。
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