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Seattleへ。(6)

2-3年間行きたい気持ちを募らせていたSeattleへ、ようやく出発。

空港に降り立って、入国審査をすませ、友達の住むKerklandまで、一人で向かう。一人旅は久しぶりで、独特の緊張感とともにスマホとGoogleマップに頼りながらの移動。今となっては信じられないが、私がアメリカ本土に留学していた99年〜2000年は、まだガラケーの時代で、地図を見ての下調べが必須だったなと思い出す。

この2-3年はほぼ日本・東京中心の生活で、犬が病気になってからは特に、家と仕事の往復だけで平日夜も週末も閉じこもる日々だった。
思えば随分長い間、暗く狭い穴の中に閉じこもっていた。物理的にも、心理的にも。

空港から電車とバスを乗り継いで、向かう。
見るものすべて、どの記憶とも結びつかない、全く知らない場所と人。
久しぶりのアメリカは相変わらずそっけなく、表示も機械も不親切。でも、そんな拠り所のない場所は、却って心地よかった。

美男美女のカップル、車椅子にのる老齢の女性、スマホを見つめる学生、自転車を運び入れる30代の女性・・・。街中で、たくさんの人とすれ違う。みんなが堂々と、軸をもって生きているようで、キラキラして見えた。

私は、ずいぶん、怯えて過ごしていたんだと思った。誰にも見つからないように、小人のように小さく、声も出さず。

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