不屈の精神と絶対的平和/愛おしき日常第6回(for #キナリ杯)
実家はゴールデンレトリバーを飼っている。
今は亡き初代は「ロッキー」という名のオス犬だった。
ロッキーは非常に人懐っこく、人間のみならず、野良猫から小さな虫まで、来るもの拒まず「おともらち〜(おともだち)」とすぐに懐いてしまう。
ある日は、近所の犬小屋まで遊びに行き、「おぃ。来るなよ?それ以上来るなよ?!」と柴犬が懸命に忠告をしていたにも関わらず、上から覗き込み、垂れ下がったほっぺたにガブリと一撃を食らう。
またある日は、草むらに蜂がいるのを見つけて嬉しくなったところを刺され、おともらちのまさかの裏切りにしょんぼりして帰る。
そんな”生きているものみなおともらち”の精神を持ったわんこなのだ。
しかし、ロッキーの偉いところは、噛まれた柴犬の家にまたしても遊びに向かい、草むらも懲りずに探検するという不屈の精神である。
かたや、人間という生き物はどうであろうか。
報復、牽制、批判・・・そんな力の強さではなく、愛を諦めない強さがいるのではないかと感じてしまう。
まさかロッキーに・・・日頃からお昼寝をするか、罰ゲーム並みの穴を掘るか、庭の柿の木になった実を始終狙っている食いしん坊に、世界平和を考えさせられるとは思ってもみなかった。
そして、数日後。
彼はついに別のわんこおともらちのう○こを食していたそうだ。おともらち主義にも限度があるだろ・・・と思うが、それくらいの根性が平和には必要な力なのかもしれない。
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