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体験レポ兼備忘録 四日目

朝はヘロヘロしていたので、もう昼前である。
喘息の吸入の時うがいが咳のせいでなかなか上手くできず、いざ、と思ったらまた酷い咳。という。

話しかけやすい雰囲気の看護師さんが酸素とかを測ってくれたので数値を聞いたら95だった。まあまあだ。もう少しあるといいんだけど、ね。

点滴を受けていた時は一日三回朝昼晩、ごっそり看護師さんの来室が無くなってしまうとそれはそれで寂しかった。
そんな折看護師さんがやって来たので、何かなと思えばレントゲンを撮るという事だった。肺炎での入院なので胸部レントゲンだ。
「最初にね、レントゲン撮ったところなんだけど場所分かる?」と聞かれた。初日は呼吸不全で他も色々とバタバタしてたし初めて病棟に入るし分からない。分からないという旨を伝えると連れていってくれるようだった。「ちょっと寒いから何か羽織っていったら?」私が半袖だったのでそう言われたのだろうか。ほぼ病室で過ごしているし半袖なのは暖房が効いてるからだとしたら外は寒いのかもしれない。初日に着ていたカーディガンを羽織りレントゲンを撮ってきた。
看護師さんはお喋りなのか、間をもたせるよう気を利かせてくれているのか、若いのに肺炎になったのね、とか話しかけてくれた。少し年配の女性な感じ。
一階へ向かうエレベーターの前で彼女が飼っていたウサギの話が出た。ウサギの毛がフワフワ飛びご自身もアレルギー症状が出て大変だったという。喘息にまでなったと言うから本当に身体に合わないんだろう。
しかしそのウサギも、お嬢さんが実家を出る時に連れて出ていったようだ。(看護師さん曰く、ウサギをとるか実家をとるかと迫ったらしい)エレベーターに乗り込み、脳内でフワフワの毛のウサギを想像し、でも娘さんが連れて出たなら今は何も飼ってないんだな、それはさびしいのかなと思った時に彼女が言った。
「でもね、今は猫を飼ってるの」
ここが病院のエレベーターの中じゃなく家だったら絶対「ズコーッ!」ってやってたところだ。
なぜ猫を飼うことになったかも話してくれた。息子さんのお嫁さんのお母さんの……という友達の友達のみたいな感じの縁で飼い手がなかったのを引き受けたらしい。
飼ってんじゃん!猫ォ!
喘息の話も結構したから、私が今使ってるいい感じの吸入の名前はなんなのと聞かれたから答えたらポケットからメモを取り出して書いていた。
喘息を治す気があるのか?まず猫を飼うのはよくないやろ。生き物が好きなんだろうなあ。

部屋まで送ってもらったしお礼を言って、めっちやホッカホカのカーディガンを脱ぎ「あっつう!」とウィスパーで発声して畳んでなおした。やっぱり私は暑がりだった。


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