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おじいちゃんと私

先週末、実に1年半ぶりにおじいちゃんに会ってきた。今度結婚することになったので、その報告も兼ねて。

久々に会ったおじいちゃんは記憶よりも細く、小さくなっていて、ベッドでぼんやりしていた。
おじいちゃんももう91歳。仕方ない。分かってはいたことだけど、やっぱり寂しい。

でも私が部屋に入ったら目がキラキラして、どんどん元気になった。
結婚のことは母が伝えてくれていたので、開口一番に「おめでとう」って言ってくれた。嬉しかった。

「これが相手の人だよ」「この前顔合わせをしたんだよ」
写真を見せたら、貸して、と言われてスマホを手に取り、たっぷり10秒くらい見つめた後、

「幸せ」

と満足そうに呟いていたのが忘れられない。

おじいちゃんは寡黙なタイプであまり喋らない人だけど、そんなおじいちゃんから
「日曜日に…毎週ごはんに行ったねえ。」
と言われてびっくりした。(大学時代、とても近くに住んでいたので毎週お昼を一緒に食べていたのだ)

おじいちゃんから話を振ってくれたことが、覚えていてくれたことが嬉しかった。
私はそれが何曜日かなんて忘れていたのに。


あまり物が多くないおじいちゃんの部屋。
ベッド脇のテーブルの上に便箋があった。

お祝いの手紙が書きたいって言うんで、買ってこさせられたんだ、と母が笑う。
なんだか一気に胸に込み上げるものがあって、マスクの下が歪むのをこらえた。

最近ボケが進んでしまっているというおじいちゃん。
書くことが刺激になればと思って、「楽しみにしてるね!」と涙は見せずに明るく言った。
フフッと笑ってた。書いてくれたら嬉しいな。

あんまり顔を見せられてなくて、ごめんね。これからはもっと会いに来るね。

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