見出し画像

第5日 金曜日 芸術家 森英恵


2人目の芸術家は2020年現在94歳の日本のファッションデザイナー 森英恵さんです。
今はお孫さんの森泉さんが有名ですが、やはり森英恵さんは日本が世界に誇るファッションデザイナーの一人だと思います。 
森英恵さんは1月8日の冬生まれ。島根県のご出身でお父さんはお医者さん。お父さんは英恵さんとご兄弟の洋服を小さいころから東京や大阪のデパートから取り寄せていたそうです。ですから小さいころから良い洋服に囲まれて過ごされたのだと思います。
小学校4年生の9月に東京に天興、そして高校大学とずっと東京で過ごされます。
1948年に学生時代に勤労動員の工場で知り合った元陸軍主計少佐・森賢と結婚されます。
森氏の家業であった繊維会社で働きながら、洋裁学校ドレスメーカー女学院に通われ、
1951年新宿東口に洋裁店「ひよしや」を開かれます。
そして50年代の日本映画の全盛期に、『太陽の季節』、『狂った果実』、『彼岸花』、『秋日和』、『秋刀魚の味』、『四十八歳の抵抗』等、 400本にものぼる映画の衣装を手掛けられます。先週紹介した吉永小百合さんの衣装もきっと手がけておられます。

ハナエモリの洋服が世界で認められるようになったのは60年代からのことです。
1965年にニューヨーク・コレクションに初参加されます。蝶をモチーフにした女性的でエレガントなドレスが受け、マダム・バタフライと呼ばれてファッション界の話題になりました。その後、パリ・コレクションにも進出されます。その後、洋服だけでなく、ハナエモリのロゴと蝶のマーク(田中一光デザイン)を冠したライセンス商法をスタートさせ、タオルや魔法瓶、トイレのスリッパに至るまで商品数を増やし、事業の幅を広げました。
会社は大きくなりましたが、バブル崩壊の影響もあり2002年5月30日民事再生法を申請、受理され負債総額101億円で倒産しました。倒産を前に2002年にプレタポルテ部門を三井物産とロスチャイルドグループへ売却。プレタポルテ事業に関しては、三井物産が100%株を保有する形で現在に至るまで存続しています。その後、社長に石坂公之助を迎え、森英恵自身は、新会社「ハナエ・モリ」でオートクチュール事業を継続。


それまで小規模なビジネスであったクチュール業界において、百億円に近いビジネス拡大は世界のファッション業界を驚かせるもので、ファッションビジネスの未来を切り開いたとして評価され、1977年には、ファッション業界において最も権威的であり、非常に閉鎖的でもあったフランス・オートクチュール協会(Fédération française de la couture)から、アジア人として初めて会員として認められるという栄誉を受けられています。これらは、その後の日本人デザイナーの世界進出や、クチュールメゾン(デザイナーハウス)の巨大ビジネス化に寄与しているそうです。
顧客にはグレース・ケリー(モナコ王妃)、ソフィア・ローレンなどがいらっしゃいます。

また1983年、エムケイタクシーの制服のデザインを制作して、2005年10月までの22年間使用された。1988年、森英恵さんのデザインのファンであった美空ひばりの病からの復活コンサートで不死鳥をイメージした衣装をデザインしています。また1992年、バルセロナ五輪日本選手団の公式ユニフォームをデザインしています。1993年、皇太子妃雅子の結婚の儀の際に着用したローブ・デコルテ(胸元を露出した女性の最高礼装)をデザインした。
その他多くの学校の制服を手がけておられています。
森英恵さんは2004年7月7日、パリでA/Wオートクチュール・コレクションを最後に引退されます。そのコレクションには多数の有名人が駆けつけ、最後はスタンディングオベーションで迎えられました。作品は、歌舞伎役者の描かれたロングドレス、日本風の花がプリントされたスカート、かんざしを使用するなど日本を意識した内容であったそうです

1988年には 紫綬褒章1996年 に 文化勲章を受けられています。


また公益財団法人彫刻の森芸術文化財団理事を務めており、2012年7月、彫刻の森美術館と美ケ原高原美術館館長に就任。

現在は曾孫もいらっしゃいます。ご家族にはモデルやファッションデザイナーなど、ファッション業界に関わる方々が多くいらっしゃいます。


めぐめぐの思う森英恵さんのすごいところ

1 森氏と結婚されてから一からまた勉強もされて、お店を持つまでになられる。新しい世界で苦労されたからこそその後の成功があったのだと思います。

2 50年代映画500本の洋服製作ということは一時期になん本もの映画の洋服が重なっていたと思われます。その本当に忙しい時期を乗り越えられて、どんどん知られていくようになったのだとおもいます。

3 事業が大きくなって、バブルが終わり、その後事業から離れなくならなくなった時も、原点に帰られデザインを続けられたところがすごいなあと思います。

そして現在も洋服が買えるというのがとても素晴らしいことですよね。


いいなと思ったら応援しよう!

めぐめぐ@日本の女性の人生を記事にして書いています。
もしサポート頂けたらとても嬉しいです。頂いた貴重なお代は本代にいたします。どうぞよろしくお願いいたします!

この記事が参加している募集