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【文章の基本】修飾語と被修飾語

文章を書くうえで重要な要素のひとつに「修飾」があります。

修飾語と被修飾語の正しい使い方を理解することで、読みやすく明瞭な文章を書くことができます。

今回は、文章の基本として「修飾語と被修飾語」についてお伝えします


Part1. 修飾語と被修飾語の基礎知識

まずは、基礎知識から。

修飾語とは

修飾語とは、主語や述語などを詳しく説明する文節のことです。修飾語を使うことで、より具体的な文章になります。

被修飾語とは

被修飾語とは、修飾語によって説明される文節のことです。

「修飾語」と「被修飾語」

修飾語の種類

修飾語には主に副詞と形容詞(形容動詞)があり、修飾する対象が異なります。

副詞

副詞は動詞を修飾します。

例:ゆっくり歩く

この場合、「ゆっくり」が副詞であり、動詞「歩く」を説明しています。

修飾語は「ゆっくり」、被修飾語は「歩く」です。

形容詞(形容動詞)

形容詞(形容動詞)は名詞を修飾します。

例:きれいなジャイアン

この場合、「きれいな」が形容詞であり、名詞「ジャイアン」を説明しています。

修飾語は「きれいな」、被修飾語は「ジャイアン」です。

Part2. 修飾語と被修飾語の位置関係

位置関係の基本

修飾語と被修飾語の位置関係が適切な文は、わかりやすく、意味をとりやすいです。

基本ルールはこちら。

修飾語は、被修飾語の直前に置く

たとえば「きれいなジャイアン」の場合、「きれいな」が「ジャイアン」の直前に置かれており、読み手はすぐに意味をとれます。

位置関係の複雑さ

一文が長くなると、修飾語と被修飾語の位置関係が複雑になることがあります。

修飾語の位置によっては、複数の解釈が成り立つ場合もあります。そのため、修飾語はできるだけ被修飾語の近くに置くことが大切です。

これにより、読み手の「誤読」を回避できます。

修飾語によってもたらされる「誤読」

ここで「誤読」について説明します。

「誤読」とは

「読み手の解釈」と「書き手の意図」が一致しない状態のことです。誤読は、複数の解釈ができる文章において起こります。

こちらの例文をご覧ください。

私はのび太がきれいなジャイアンが泉に落ちたと思っていたんだと勘違いしていました。

変更前

この文は、修飾語と被修飾語の位置関係がわかりにくく、意味が取りづらいです。

この文をわかりやすくするためにはどうするのがよいでしょう?

まずは、この文を分解します。

① 勘違いしているのは誰か?

「私が勘違いしていた」

これが、この文の核です。

② 何を勘違いしていたのか?

「のび太が思っていたこと」

③ のび太が思っていたことは何か?

「きれいなジャイアンが泉に落ちたこと」

ここで注目すべきは「③ のび太が思っていたことは何か?」です。

「きれいなジャイアンが泉に落ちたこと」が「のび太が思っていたこと」に係ります。

ここまで見てきた内容をまとめると、こんな感じになります。

「私は勘違いした」
→何を?「のび太が思っていたこと」
→のび太は何を思っていた?「きれいなジャイアンが泉に落ちた」

例文を分解した結果

これらの要素を組み直して、修飾語を被修飾語の直前に置くと、以下のようになります。

「きれいなジャイアンが泉に落ちた」とのび太が思っていたと私は勘違いしていました。

変更後の例文

このように、「きれいなジャイアンが泉に落ちたこと」を「のび太が思っていた」の直前にもってくることで、修飾語と被修飾語の位置関係が明確になります。

変更前:
私はのび太がきれいなジャイアンが泉に落ちたと思っていたんだと勘違いしていました。

変更後:
「きれいなジャイアンが泉に落ちた」とのび太が思っていたと私は勘違いしていました。

ビフォーアフターはこちら

Part3. 修飾語の活用と注意点

修飾語の効果的な活用

修飾語を上手に使うと、文章に具体性や深みを持たせることができます。

たとえば「彼は青いリュックサックを背負っていた」は「青い」という形容詞が「リュックサック」という名詞を修飾しています。

これにより、彼が背負っていたリュックサックの特徴(色)がわかります。

修飾語の注意点

修飾語を使いすぎると、文章が冗長になり、読み手にとって理解しづらくなることがあります。

そのため、修飾語は必要な範囲内で使用し、過度にならないように注意しましょう。

修飾語と被修飾語の位置関係を常に意識し、わかりやすい文章を心がけることが重要です。

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

修飾語と被修飾語の正しい使い方を理解することで、文章の質を大きく向上させることができます。

以下のポイントを押さえて、効果的に修飾語を活用しましょう。

1.修飾語は被修飾語の直前に置く
2.文を分解して位置関係を確認する
3.修飾語は適度に使う

修飾語を使う際のポイント

これらのポイントを実践することで、読み手にとってわかりやすい文章を書くことができます。

修飾語と被修飾語の使い方をマスターして、「伝わる文章」を書いてみてください。

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