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ニュージーランドの小学校、学力のリアル

こんにちは。
この前の記事では、小学生の留学先としてニュージーランドを選ぶ利点について書いてみました。
前の記事はこちら↓

今回は逆に、デメリットについて書いてみます。

デメリットに関する情報が得づらい

なぜデメリットについてあえて書くかというと、メリットに比べてデメリットに関する情報は得づらい気がするんですよね。
私はニュージーランドに来る前、インターネットを使ってニュージーランドの生活や教育について色々と調べました。

ブログ、YouTube、note、色々な媒体がありましたが、ニュージーランドの素晴らしさについて書かれたものはたくさん見つけられたものの、デメリットについて具体的に書かれたものはあまり得られませんでした。
私の調べ方も悪かったし、ニュージーランドのエージェントやニュージーランド在住の方は、あまりデメリットについて書きたがらないのが普通だからかもしれません。

でも完璧な国や学校なんてないですし、ニュージーランドの学校にも欠点は確かにあります。
それが予め分かれば留学先として本当にニュージーランドでいいのか事前によく検討することができます。

そしてデメリットを知った上でこちらに来た方が、過度な期待を持たずに色々な準備をして来ることができるのでいいと思うんです。
だから、あくまで私個人の経験をもとにした私個人の考えとして書いてみます。

算数や理科は日本の方が整っている

学校によるところはあるのですが、総じてニュージーランドの小学校は大らかで、子供たちに多くの負荷をかけることをしません。
だから子供たちはとてものびのびと明るく過ごせる反面、算数や理科など科学的な分野の学力に関しては少し物足りなく感じる親も結構います。

特にアジア圏から来る親は、厳しくもきっちりとカリキュラムをこなす学校教育のスタイルに慣れているので、ニュージーランドの教育のあまりの大らかさに驚く方も多く、アジア圏から来たママさんと話すとよくその話になります。

私も来た当初、息子の通う学校に理科室がないことに少し驚きました。
試しにYear6(日本の学校では小5)にあたる子に「実験とかどうやってるの?」と聞いてみると、「実験は全然しない」とのことでした。

また、バス停で少し喋ったニュージーランド在住のお爺さん(幼少期にニュージーランドに移住、医者として働き今はリタイア)は、「公立小ではあまり勉強が身に付かないから、自分の子供たちはみんな私立の小学校に入れた」と言っていました。

そしてこれは、国際的なテストであるPISAの結果としても出ています。
個人的に学力の数値化はあまり好きではないのですが、あくまで算数や科学的思考を測る一例として載せてみます。

古いデータで申し訳ないのですが、算数と理科のスコアを比べると、ニュージーランドの方が日本よりも大分下である事がわかります。

2018年のデータを見ても、算数と理科は日本より低い数値です。
そして、ニュージーランドの学力について警鐘を鳴らしている方の記事も見つけました。

この記事を書いた方は、ニュージーランドはかつて高いレベルの教育大国として名を馳せていたけれど、何十年もかけて徐々に教育の質が下がってきていると指摘しています。
また、家庭の経済力が子供の学力差として如実に現れていること、学校に頼れないと気付いた親たちは自ら子供に教えるなどして対応していることなどが書かれています。

留学の目的や時期は慎重に

小学校低学年のうちの留学先としては、のびのびと遊ぶ時間もたくさんあってとてもいいと思いますが、高学年〜中学、高校での留学であれば、上記のデータなどをもとに、お子さんの適性や将来の方向性なども含めて色々と検討してみるといいかもしれません。

私の場合は、息子がまだ1年生ということもあり、息子に「ニュージーランドの学校で勉強をしっかり頑張ってほしい!」と思ってはおらず、「のびのび遊んで異文化の中で良い経験をたくさん積んで、ついでに英語力を伸ばしてほしいな〜」と思っています。
これからの成長のための種をたくさん畑に蒔いているイメージです。

なので、上記のデータはあまり気になりませんが、息子が中学生や高校生で理系に進学希望だったら、少し気になると思います。

もちろん、このPISAのデータだけでは測れない非認知能力(プレゼン力やコミュニケーション力)などもあるので、この点だけを見てニュージーランドの学力が低いとは言い切れないですし、全てが理想的な国や学校なんて無いと思います。(フィンランドやオランダなど、教育が素晴らしいと言われている国を含めて。)

要するに一番大切なことは、留学に際して親が何を期待するか?留学の目的は何か?を事前にしっかり明確にしておき、その上で留学先や時期を決めることだと思います。

そして、目的以外の部分に関しては多少目をつむるなり、家庭学習で補うなり工夫することも大切かな、と。
他にも書こうと思ったのですが、学力のことだけで長くなったので続きはまた今度。

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