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映像や音楽を「思い浮かべる」ということ

頭の中で思い浮かべる映像や音楽、というものが好きだ。

「音楽を聴く」「映像を見る」というのは、いつでもできる行為ではない。場所と時間と状況を選ぶ。ひとりで過ごしているときだって、再生機器が手元にないときは当然できないし、作業の内容によっては無音のほうが集中できるときもある。

そういうとき、わたしは脳内で映像や音楽を再生する(思い浮かべる)ことが多い。それは既存の曲や映像である場合もあるし、自分が想像した名もない映像や音のイメージであることもある。

ふだん「ぜひ劇場で映画をみたい」と思うことがわたしはあまりないのだけれど、2000年に公開された映画「ダンサー・イン・ザ・ダーク」だけは、劇場で見れて本当によかったと思っている作品のひとつ。

ダンサー・イン・ザ・ダークは「鬱映画」「バッドエンド 映画」とかのキーワードで検索すると必ずヒットする、ストーリーが救われなすぎる映画だけれど(だからもう一回見る勇気は全くないし、人に積極的にすすめようとかは全然おもわないのだけれど)

「実際の状況がどんなに過酷であっても、本人のなかに音楽が流れてたら、そこはいつだってミュージカルの舞台になりうる」というメッセージと納得感があったので、わたしの中では必ずしも「バッドエンドの映画」ではなかったのだった。

単純にストーリーをなぞれば間違いなくバッドエンドであっても、映画館のスクリーンで映像と音楽を体感することによって、説得力を感じられることができて、よかったんだよなあ。(ああ、またサントラが聞きたくなってきた)

いや、だからといって、もう一回見る勇気はないんだけれど……(2回言いました)

(あ、「人に積極的にすすめようとかは全然おもわないんだけれど」とか言いつつ、高校生~大学生くらいのころ、あまり深く考えないで「ダンサーインザダーク、ビョークが最高だった!すごいよかったよ!」みたいな軽いノリでめっちゃ友達にすすめてたかも。罪深いやつ……)

最近、めっきり「劇場で映画を見たい」と思わなくなったのだけれど、かつて見たもの/聞いたものの強烈な記憶に、いまを支えてもらっているのかもしれない。記憶と想像力というのは、人をどこまでも運んでいってくれますね。

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