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一村の絵に心を打たれて

 「田中一村展 奄美の光 魂の絵画」を訪れました。
2024年9月22日 東京都美術館
 一村の絵画は、私にとって心の奥底に響く何かがありました。
千葉と奄美大島という、対照的な自然の中で生きた一村。特に奄美大島での生活は、穏やかな海と豊かな自然、そして時に猛威を振るう台風と、まさに陰陽の如く激しく変化する環境でした。そんな大自然の中で育まれた一村の絵画は、色彩豊かで生命力に溢れ、見る者の心を揺さぶります。
彼の絵は、単に目の前の景色を写し取ったものではなく、心で見て魂で感じたものを表現しているように感じます。奄美の光を浴びた花々、力強く生い茂る植物、そして穏やかな海。それら一つ一つに、一村の深い愛情と敬意が込められているように思えます。

 展覧会では、一村が経済的に苦しい状況の中で、ただひたすら絵を描くことに没頭していたというエピソードも知りました。売るためではなく、自分の心の赴くままに筆を走らせていた彼の姿に、私は深い感動を覚えました。
一方、展覧会では、注文を受けて描いた絵も展示されていました。それらの絵も確かに美しいのですが、どこか心に響かないものを感じました。それは、心の奥底から湧き出るような、生の感情が感じられないからなのかもしれません。
 一村の絵画は、私たちに自然とのつながり、そして自分自身の心の奥底を見つめることを教えてくれます。彼の作品に触れることで、私たちは自分自身の心を豊かにし、生きる喜びを見つけることができるのではないでしょうか。

 今回の展覧会を通して、私は一村の偉大さを改めて感じるとともに、自分の心に何かが芽生えたように思います。これからも、一村の絵画に触れ、その心に響く世界観を味わっていきたいと思っています。

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