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13/ デザインは降りてくる


フランスで舞台衣装家をしています、megumi です。

舞台衣装家をどのように志し、渡仏し、どんな舞台を手掛けて来たか。

思い出しつつゆっくりと綴っています。

前回までは。

過去を振り返り、衣装家のタイトルを取得するまでのお話でした。

今更感はありますが、ここで舞台衣装家のお仕事を軽く説明させていただく事にします。

舞台衣装家とは


自分では職業名だけで内容も説明されていると思ってるのですが、どうも謎らしく良く仕事内容を聞かれるんです。

簡単に言うと、舞台衣装のデザインや制作に携わるお仕事です。

映画や雑誌撮影等のスタイリングのお仕事も、こちらでは同じ"costumière "と言う名称を使いますので、日本で言うスタイリストさんも含まれるかも知れません。

デザイナーはconceptrice 、制作はrealisatrice ですが、私は両方やるのでcostumièreとだけ名乗ることがほとんどです。

元はデザインだけでしたが、ちゃんとした技術と理解力を持った製作者さんにはなかなか巡り会わないし、頼んだ物が例え失敗されていても口が長けてる仏人相手では、言い訳されるのがせきのやま、逆ギレされる事も度々なので、時間が許す限りは自分で制作(少なくともパターン出しまでは)する様にしています。

デザイン出し


まず、演出家さんとの打ち合わせと台本読んだ後、イメージが固まる前に、照明と美術の確認をします。

みんなやりたい放題やるお国柄なので、一度押さえておかないと、気付いたら全く違う感じに仕上げられてしまっていたりするのです。

衣装と照明、美術は同じラインを貫かないと、一貫性のないちぐはぐな印象を持たれてしまいますし、例えば照明さんがこちらの使う色を知らなくて、想定外の色を加えた為に衣装の色が変わって見えてしまった、なんて事もあります。

それに、大抵の場合はそう言う打ち合わせの最中に、デザインが降りてくるのです。

デザインは、降りる?フッと頭の中に直接映像が入ってくる?感じで入って来ます。
デザイナーさんは、みんなそうなのかな?

そして製作

それをデザイン画にして演出家等々のOKが出たら、買い付けや製作に入りますが、予算によって条件、内容は変わってきます。

この辺のことはとっても説明しにくいので、またの機会にご説明させていただきますね。


現在、6月初旬のオペラバスチーユ小劇場の舞台に向けて、絶賛準備中。

去年は同じ舞台の準備中にロックダウンに入ってしまい、中止でした。

なので、衣装のお仕事は実に丸一年振り、オペラバスチーユに至っては前回の担当公演がおととしなので、2年振り!

総衣装数200着越え。
がんばります👍

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