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ポジティブに意味付けすることにした
読了済の小説を読み返しますか?
昨日、久しぶりに小野不由美さんの小説「残穢」を読み返した。
わたしには小説を飛ばし飛ばし読む癖がある。
そのせいかしばらく経つと、結末が思い出せなくなるのだ。
「読むならしっかり読めばいいのに」と思う方もいるだろうけど、今のところこの読み方がわたしには合っていると思う。
先が知りたい気持ちが抑えきれず、説明が長いと省いてしまうのだ。
そのせいか読了済の本を定期的に読み返したくなる。
子どもがいるのでなかなか集中して読めないのがネックである。
ただ今回は週末実家に遊びに行き、実親に子どもを見てもらっている間に読んだ(まだ三分の一ほど読めていないが、これから読もうと思っている)。
どんなに印象深い話でも思い出せない
「残穢」に関しては、文庫本が発売されて購入し映画も観に行ったと記憶している。ウィキペディアによると2015年文庫版が発売・2016年映画公開との記載があった。
今から7年前のことのようだ。確かにそれぐらい前のことなら忘れていても仕方ないかもしれない。ただわたしには癖がある。
そう、「読了済の本を定期的に読み返したくなる」という癖が。
なので少なくとも二回以上は読んでいるはず。
たまたま読み返していなかったとしても、本と映画で二回は結末をみたはず。
しかもこれはいわゆるホラー小説の類だ。
今回読み返してまだ読み終わってはいないが、夜中ひとりでそう広くもない我が家のお手洗いに行くのもなかなか勇気がいった。
それぐらいにはわたしにとって恐怖を感じる物語だった。
だが思い出せない。
映画も「結末ど忘れ」する
これと同じ現象が、映画でも起こる。
観たという記憶も、面白かったなど感想も覚えているのに結末を覚えていない。
なので「これ観た?」「観たよ」「どんな話?」「・・・」という会話になる。
一時期わたしは本当に自分の脳みその心配をした。
友人や家族は本や映画の内容を聞くとサマリーをすらすら教えてくれる。
なのに自分はてんで答えられないのだから。
悩んでいた、というか不思議に思う時期も確かにあった。
覚えていないなら、読むこと観ることがそもそも無駄なのでは?と思ったりもした。
でもある時、同じ本を何回も読めて何回も新たに感想を持てるのはお得じゃないか?と胸にストンと落ちてきた。
だからわたしは読み返す
同じ本を読むくらいなら、新しい本を読みたいという方もいるだろう。
わたしも新しい物語を発見したいので気持ちはわかる。
わたしも購入した全ての本を読み返す訳ではなく、一度読んだらもう読まないだろうなという本もある。
「手元に置き続けている本」というのは過去何らかの影響を自分に与え、この先何らかの影響を与える可能性があるのではないだろうか。
なのでわたしは、読み返す機会を得るために内容を全て覚えていないのではないか。
呆れるほどポジティブに、意味付けしている。
10代に読むのと30代で読むのでは、感想はもちろん違うだろう。
10代で行く海外旅行と30代で行く海外旅行が違うように。
この先未来の自分のために、わたしは今日も読んだ話を忘れるのだろう。
と、いうことにしている。
読んでいただき、ありがとうございました!
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