わたしたちはキャメラマンだ | 20世紀生まれの青春百景 #03
友達の変顔も、恋人の笑顔も、青空の微笑も、すべてがカメラロールに流星のように散りばめられている。写真を撮るのが巧いだとか、下手だとか、そんなことはどうだっていい。仲間内でしか判らないノリも、人間関係も、いつしか愛おしくなっていくものだ。
わたしは、そういったところの片隅にいた。あまり人と交わらず、数人の友人と影を楽しんでいた。陽だまりのような心地よい日も、じめじめとしたくそったれな雨も、このグループにとってはあまり関係がなかった。体育の授業も外に出たくないという理由で卓