あなたのお金を守る、一番確実な方法

「え、あのワンピース買ったん、中一やったん…?」

夫が今年イチ、ビックリした表情で言った。

夫と付き合い始めた20代後半の頃に着ていたワンピース。
いや、もっと前からだ。夫と知り合った大学1年生の時から着ていたワンピース。そのワンピースを買ったのが中一の時だと知って、絶句していた。20年ほど着ていたことがバレた。

「全然服買わへんな…」

と半ばあきれ気味によく家族から言われている。が、週5でスーツの私にとって、私服は週2しか着ないので、そんなに買い替えるものでもない、と毎回抗議している。


わたしは、物持ちが良い。

というと聞こえがいいが、まぁ、ずっと同じものを使っている。
今のスマホだって、かれこれ5年は使っている。お財布だって、かれこれ10年は使っている。外回りする時に使っている小銭入れ(コインパーキングで駐車料金を払う用)にいたっては、幼稚園の頃にもらったお財布だ。かれこれ30年目。

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あるモノをずっと使う。これは、性格なんだと思う。「これ、ほんまに必要?」と少しでも迷いが生じると、基本買わない。買わないというより、買えないと言ったほうが正確かもしれない。

が、そんな私でも、これだけはお金を気にせず使っている、というものがある。

人に会うためのお金だ。

毎月、交際費は食費の数倍かけていた。たった10分会うために、電車で往復2時間かけて友人達に会いに行ったこともある。たった20分会うために、往復16時間かけて祖父へ会いに行ったこともある。

ただ、2021年は。コロナの影響で、海外どころか国内にいる友人にも、全く会わなかった一年だった。

こんな時は危ない。
意識しないと、お金を貯めることそのものが目的になってしまう。

これは、私だけではないだろう。
日本人はお金を貯めることが好きだ。

どのぐらい好きなのか、調べてみたことがある。
日本の個人マネーは、約1948兆円ある(2021年)。そして、預金の比率は54%もある。日本には個人マネーで約1000兆円もの預金があるのだ。日本の人口は1億2500万人いるので、平均すると、赤ちゃんも含めて1人あたり約1500万円もの金融資産がある。そして、1500万円のうち800万円は預金ということだ。

そう、日本人は、お金を貯めることが大好きなのだ。

ここで少し考えてみて欲しい。貯めたそのお金、何に使うんだろう?あの世にお金は持っていけない。

お金を貯めることを目的にしてしまう一番のデメリットは、いくら貯めても将来に対する不安は消えないことだ。

では、どうすれば将来に対する不安を消すことが出来るのか。消すことが出来なくても、不安を薄めるにはどうすればいいのだろうか。

答えはシンプルだ。何のためにお金を貯めたいのか、そのためにはどのぐらいお金が必要なのかを考えればいい。そこがハッキリすれば、不安は薄くなる。だってGOALが決まっているから。GOALが決まれば、そのGOALに向かってお金を貯める方法や増やす方法を考えればいい。

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◆なぜ日本人はお金を貯めることが大好きなのか


日本人は、お金を貯めるのが大好きだと書いたが、これは歴史的背景がある。

なぜなら、昔は、郵便貯金(現在のゆうちょ銀行)の定額貯金に預けておくだけで、10年で2倍になったから。お金を貯めておけば、確実に増えた時代があったから。だから、親世代や祖父母世代は、「お金は貯めておこう」という価値観の人が多い。

そもそも、親世代や祖父母世代は、「良い会社に入ること、そのために良い大学に入ること、それがゆたかな人生だ」という価値観の人が多い。

そりゃそうだ、だってあの時代は、実際にそうだったから。終戦した1945年~1997年頃までかな。日本の会社はどんどん成長していった。高度成長期を経て、日本のGDP(一人当たり)は世界2位までに成長した。1997年には、ハーバード大学出身のアメリカの社会学者が、「Japan as Number One」という本を出版したほど。

どんどん成長していく日本の一流企業に入れば、それに伴って個人も豊かになってきた。いい会社に入れば、給与だってどんどん増えた。いい会社に入ってお金を貯める、というみんなと同じことをしていれば、それで良かった。終身雇用だったし、年金ももらえた。

でも、その時代は終わった。

終身雇用はなくなった。年金は減った。人口構成は変化し、当たり前だった社会全体の仕組みは、当たり前ではなくなった。社会の仕組みが変わったので、今までのように、いい会社に入ってお金を貯めていても、どうにもならなくなった。かつては2位まで成長した一人当たりGDPは、今や24位になった。かつては入れておくだけで10年で倍になった定額貯金は、今や倍にするには36000年かかるほどの低金利になった。

◆今の時代を生きていくための4つの解決策

終身雇用がなくなり、年金も減ったということは、会社や国に頼っていてはどうにもならないということ。以前の正解だった「預貯金」も、今や低金利でほとんど増えない。個人レベルでどうしていくかを考える必要がある。

この時代を生きていくための解決策は、以下の4つがあると思っている。

1.節約する
2.自分に投資する
3.長く働き続ける
4.お金に働いてもらう

1.「節約する」は、ある程度ならいいけれど、過度な節約はしんどい。何より、行き過ぎた節約は「節約することが目的」になってしまう。つまり、「お金を貯めることが目的」になってしまうのだ。節約は、あくまでも手段だ。目的にしてしまってはいけない。それでは、いくら節約しても不安は消えない。

2.「自分に投資する」については、ズバリ、「学び続けること」が大切だ。今は昔と違う。昔は、日本の一流企業に入れば、それに伴って個人も豊かになってきた時代。いい会社に入れば、給与だってどんどん増えた時代。いい会社に入ってお金を貯める、というみんなと同じことをしていれば、それで良かった時代。でもそんな時代は終わった。個人で何とかしていかないといけない時代になった。この時代の変化に対応するためには、「学び続ける」ことがどんどん大切になってきている。

3.「長く働き続ける」ためにも、「学び続ける」ことがどんどん大切になっている。そして「自分に何が出来るか」という意識を持って学び続けることで、長く働き続けることが出来る。現状、残念ながら「社会人になって学んでいる」という人はそれほど多くない。だけど時代の流れとして「社会人になっても勉強したい」という人は増えてきているように感じる。

4.「お金に働いてもらう」について。
ここで「お金って何だろう?」と改めて考えてみて欲しい。日本人のお金に対するイメージは悪い。しかし、お金はあくまでも交換の手段。色んなチャンスや選択肢を広げるもの。ということは、お金は使って初めて、価値が出るモノ。

だから、貯蓄してあるお金は、まだ価値がないもの。もちろん、当面の生活資金とか、子どもの教育費とか、もうすぐ家を買うための資金とか、使う予定が決まっていればそのために預金に置いておくのは全然問題ない。だけど、「なんとなく貯蓄しているだけ」のお金って、チャンスをものにしてないんじゃないかなぁ。私からすると、時間があるのに何もしていない、みたいなイメージ。そんな預金が、約1000兆円もある日本。

でも、貯蓄を全部使っちゃうわけにはいかない。だって昭和の頃と違って、日本経済がどんどん上向きになっているわけでもないから。今後のことを考えれば考えるほど、不安が膨らんでいく。だからお金を貯めちゃう。その気持ちも、とーっても良く分かる。

「貯蓄から投資へ」というスローガンを日本が掲げたのが2016年、5年前。では、投資とは何か。一言で言うと、お金を託し、その投資先が成長すれば、託したお金も増えるということ。託したお金の投資先が自分であれば、自分が成長すればいい。託したお金の投資先が個別の会社であれば「株」だし、地域やパッケージであれば「投資信託」になる。

例えば株。リスクをとって投資すれば、投資してもらった会社は、そのお金を原資にして、色んな挑戦が出来るようになり成長する。会社が成長すれば、投資したお金も増え、その個人の資産も増える。そういう好循環が生まれる。

「投資」の悪いイメージを払拭して、本来の「投資」を日本人がどんどんしていけば、経済の好循環が生まれると私は本気で思っている。海外の投資家は、日本株を「アンダーウェイト=弱気」にしか見ていない。これからの日本は魅力が弱いと思われているということだ。確かに、これから日本の人口は減っていくだろう。少子高齢化も今まで以上に進むだろう。アンダーウェイトになるのも分かる。

でも、日本人が本来の「投資」をすることによって、経済の好循環が生まれたら。預金に眠っている1000兆円が動き出せば、経済が回る!

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そうは言っても、リスクは出来るだけ抑えたい。リスクを抑える方法としては分散投資や長期投資があるのだけど、どうしてもうさんくさい方法やデマ等もある。そんなデマや詐欺に合わず、あなたのお金を守る一番確実な方法はこれ。

「自分で判断できる知識を持つ」こと
つまり、金融リテラシーをつけること


もう、これにつきる。

最初に、この時代を生きていくための解決法は4つあると書いた。

1.節約する
2.自分に投資する
3.長く働き続ける
4.お金に働いてもらう

2~4に共通しているのは、「学び続けること」だ。

自分で考えて、自分で判断するクセをつけること。


有名ブロガーや有名YouTuber、アナリスト、銀行や証券会社の営業担当者やファイナンシャルプランナーの言うことを、そのまま聞くのは簡単。でもね、その人が言っていることが本当なのか嘘なのか、どうやって判断するの?

そういう時に、それを信じていいのかどうか、判断するのはあなた自身。

有名なYouTuberが、今はこの株がいいと言っていたから
有名なあの人が、本で今は預金がいいと言っていたから
CMでよくやっていて、みんながFXを始めたから

あなたの大切なお金を、そんな理由で投資するの?

有名なあの人の意見を、みんなの意見を、聞いてもいい。
周りの信頼のおける友人に相談するのは、むしろ大賛成。

でも、それが良いのか判断するだけの知識をつけていくことが、最も大切で、最強。その知識が「金融リテラシー」だ。

その知識をつけていけるよう、金融リテラシーが少しでも高くなるよう、情報発信をしていくのが、このnoteのテーマの1つ。

投資初心者にこそ、知ってもらいたい。

「学び続ける」のがとても大切なこの時代に、金融リテラシーを高めるのは、自分の大切なお金を守る一番確実な方法だから。


その一環として、私はこのnoteで「経済を分かりやすく説明する」ことを心がけ、少しでも投資に興味を持ってくる人が増えたらいいなぁと思っています。2022年も、noteで発信し続けます。よろしくお願いします。


追記)このnote、日本証券業協会×note「お金について考えていること」で、なんと!3,063件もの応募の中からグランプリを受賞しました!やった!

追記)プロフィールはこちら


この記事が受賞したコンテスト

ありがとうございます!サポートとても嬉しいです。いただいたサポートで、娘に絵本を買っています。