「親が働くことは、子どもにとってプラス?マイナス?」子育てハッピーアドバイスを読んで~大人の読書感想文vol.25~
表紙の写真。
なんてことのない、歯みがきセットです。
が私にとっての元気の源。
これ、娘がシールを貼ってくれたんです。
「ママ、このドラえもんのシール、ここに貼るね!ママ、頑張ったね!」って言いながら。
毎日、会社でお昼の後歯磨きをするたびに、このシールを見ては、貼ってくれた娘のことを思い出すんです。
このシールのどこがいいかって、「がんばれ!」じゃなくて「がんばったね!」ってとこなんですよ。
「がんばれ!」だと「もうじゅうぶん頑張っとるわぃ!」って思っちゃう時もあるじゃないですか。でも、「がんばったね!」だと「あぁ、うんうん、ありがとう」ってなりませんか?
私は毎日お昼、歯磨きをしながらこのシールを見て、「午後もがんばろ!」って思えます。
そんな日々を過ごしていたら、ある本に、こう書いてあったんですよ。
「その通りー!!」ってなったんです。ほんまそれ。
他にも、いいことがたくさん書いてあったので、紹介させてください。
一部は子育てだけでなく、仕事でのマネジメントにも使えるかと思います。
この本を読んだきっかけは、尊敬する先輩が、「支店長になった時と同じタイミングで子育てをすることになり、その時に読んだ本だよ」とおっしゃていたことです。「この人が読んでたなら私も読もう!」と思って、手に取りました。
読み進めていくと、参考にしたい言葉、考え方がどんどん出てきました。
・「ありがとう」という言葉を、どんどん使おう
これは、ドキッとくる言葉。
そう、子どもに「ありがとうは?」という前に。大人の私が10倍の「ありがとう」を言おう。他人にはもちろん、子ども自身にもたくさんの「ありがとう」を言おう。
そう言えば、レオス・キャピタルの藤野英人さんも言ってたなぁ。
って。
本当にその通りだと思う。
「ありがとう」と言うことは、相手が子どもか大人かに限らず、大切なことなんだなぁと思う。これからも意識して、どんどん「ありがとう」を言っていこう。そう思いました。
どんどん紹介していきます。
例えば、共働きがマジョリティになったきたこの時代。こんな言葉もありました。
・お母さんが働くことは、子どもにとって、プラス?マイナス?
※ ここで「お母さん」に限定されていることに違和感があるかもしれませんが、ご勘弁を。この本、2005年に第1刷発行なのです。今から18年も前の話。あの時代はまだ子育てにおいて「母」のみにスポットライトがあたっていた気がします。
これについて、厚生労働省の研究班が平成16年5月に発表した興味深い研究結果が載っていました。
アメリカで1998年に発表された調査でも、母親が働いているかいないかで子どもの心身の発達、子どもの心身の発達、社会性や行動上の問題、学業成績など、いっさい差が見られなかったそうです。
そして、これに対するこの本の結論がとても良かった。
激しく共感!!!
ここでふと、朱野帰子さんの小説『対岸の家事』を思い出しました。
今や共働きが主流の世界。専業主婦は世の中に3分の1ほどと言うけれど、30代の私の周りでは感覚として10%もいない。主婦がマジョリティの時代ではなくなった。共働きが主流となった。大きな風が吹いた。共働きの方が生きやすい時代になったことは否めない。
子育てしながら働くことを選択しても、働かずに子育てに専念することを選択しても、どちらでも。大切なことは「子どものために働く/働かない(働くのを諦める)」ではなく、「親自身が自分の意思でそれを選択し、自分の選んだ選択肢に自信を持って人生を歩んでいく」ことなんだろうなと思う。
「子どものために、本当は働きたいのにキャリアを諦めた」とか、
「子どものために、本当は働きたくないけど仕事を続けた」とかではなく。
「私自身が働きたいから働く」とか
「私自身が子育てに専念したいから働かない」という風に、あくまでも自分を主に選択し、選んだ道を正解にしていくように人生を歩んでいくことが大事な気がする。自分が選んだその道を、子どものせいにしてはいけない。我が子といえど、自分以外は全員他人。自分の人生に責任を持つのは、誰よりも自分自身。そう思っています。
以前、イチローも新聞でこう語っていました。
子どもや家族の「ために」働くのではなく、自分のために働く。でも子どもや家族のことを「思い」ながら働く。私にはその働き方が合っているな、と今でも思います。
ちなみにもう1つ話題がありましたね。
保育園で過ごす時間の長さはほとんど影響ないけれど、家族で食事をしているかどうかは影響がある、と。
家族で食事をする機会がめったにない子どもは、対人技術の発達が後れるリスクが70倍、理解度が後れるリスクは44倍高いという結果が出たそうです。
そういえば私のバリキャリ夫婦の友人(子3人)も、「家族で食事を一緒にとることを意識している」って言ってたなぁ。
さらにさらに。
「とは言え、共働きでなかなか時間がとれないよーもう少し子どもと過ごす時間が欲しいよー」と思っているあなたへ。それについても、この本に書いてありました。
・共働きで、子どもに接する時間をじゅうぶんにとることが出来ない時、どうしたらいいか
結論から言うと、「子育てを誰かに任せきりにしない」でした。本当にその通り。詳細はここでは割愛します。
さらに、子どもの育て方の話もたくさん載っていました。
・甘えない人が自立するのではなく、甘えていいときに、じゅうぶん甘えた人が自立するのです
これを読んで、夫が浮かびました。
私からみて夫は、いつも「自立してるなー、自己肯定感高いなー」と思うのですが、その背景は何だろうって考えていたんですよ。たぶん育った家庭が影響しているんだけど、どういう育て方したらあんな風に「自立している、自己肯定感高くなる」のかなって。いつか義理の母に聞いてみようかしら、なんて思っていました。
でも、この本を読んで分かりました。夫が自立しているのは、たぶん幼少期たっぷり甘えていたからなんだな、と。そうだろうな、というエピソードを義理の実家で聞くこともあったからです。
子どもが小さいうちは、たっぷり甘えてもらう。それが安心感につながる。そして相手を信じることが出来る。思いやりも持てる。相手を信じることが出来れば、きっと自分も信じることが出来る。それが自立や自己肯定感UPに繋がるんだろうな、と思いました。我が子にもそうなって欲しいな。だから親の私として出来ることは、子どもにとって家庭がいつでも安心できる場所であることにすること。そのためには、幼少期は甘えてよい環境を作ること。
ここまで読んでこう思った人も多いはず。
「甘えさせるのが大事なのは分かるけど、やりすぎもダメな気がするし…甘やかすのもダメな気がするんだよね。」って。
その次のページは、まさにその疑問に答えてくれます。
・甘やかすのと、甘えさせるは、どう違うのか
具体的な例も、漫画でいくつかありました。シーン別でとても分かりやすかったです。ここでは一例のみご紹介します。
・甘えさせる…情緒的な要求(スキンシップや赤ちゃん返り)を受け入れる、子どもがどうしてもできないことを手伝う
・甘やかす…物質的な欲求(金やもの)をそのまま受け入れる、できることをさせないで、大人がうやってしまう
その先も興味深かったです。
・叱っていい子と、いけない子がいる
あぁ、分かる…!結局は親子間の信頼関係があれば叱っていいし、そうでなければ叱るのに注意が必要ということですね。
その上で、叱るのに注意が必要なタイプにはどうすればいいか、子どもを叱るときに注意することは何か、ということも具体的に書かれてありました。ぜひ読んでみてください。
本の最後に書かれてあった、「一番大事なこと:私は私でいいんだ、この子はこの子でいいんだ、と思うこと」というこの本の〆にも腹落ちしました。
ちなみに、職場の先輩がこの本を読んでいたことを知ったきっかけは、これでした。
その先輩が感想をくださったのです。
その方、めちゃくちゃ仕事が出来る人でして。口数多いタイプではないのですが、そしてたった半年間同じ職場にいただけなのですが。会議などの発言、まとめ方、人へのアドバイスの仕方。すべてにおいて、「こ、この人、ほんま仕事できる人や…!」と思わずにはいられないほどでした。衝撃でした。
でも、近寄りがたい雰囲気があるかというと全然そんなことなくて。
やわらかい雰囲気をまとっているのです。
その方が下さった感想の中で、この本読んだよって話があったんですよ。
尊敬する大先輩が読んでた本です。
もう、これは私も読むしかない!と。
この感想をもらった次の日には、手元にありました。
早速読んでみて、ここに感想を書いているという次第です。
2005年(平成17年)12月1日に第1版が発行されているので、少し古いです。
価値観もちょっと古めなところがちょいちょいありますが、当時はそんなもんだったんだろうなぁと。
何より、第1版から1年経たずの2006(平成18年)8月25日には、もう
第131版
なんですよ。それだけ人気ってことでしょう。
漫画も多くサクッと読めるので、とてもオススメです。
(5,648字)
ありがとうございます!サポートとても嬉しいです。いただいたサポートで、娘に絵本を買っています。