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中絶手術の日のこと

当日は母に病院まで送ってもらい、受付を済ませて病棟までやってきました。
日帰りですが一応入院という形で、病室は個室を選びました。

あらかじめ言われていたのですが、
妊婦さんや産後の方と一緒の階になるので赤ちゃんの声など聞こえてくることはご了承くださいとのこと。

実際に到着した瞬間から新生児の泣いている声や
産後のゆっくり歩いてる人や
のんびり髪を乾かしている人などがいましたが、
ここまで来たらそれを見て動揺したりもせず
それよりも「無事に終わりますように」と思っていました。

到着したのが10時過ぎごろ、
手術は13時予定と言われしばらく暇になり、ずっとスマホをいじっていました。

たまに遠くの方から赤ちゃんの泣いている声が聞こえてきて、
息子を出産して入院していたときもこんな感じだったなと少し懐かしくなりました。


そんなこんなで時間が経ち、
手術前の点滴を打ってもらったのですが

どうやら私の血管はかなり入りにくいみたいで
4回失敗されました泣
注射ほんと苦手だし痛いし勘弁してほしかった…。

最終的に注射のプロ(?)みたいなガタイのいい看護師さんがやってきて一発で成功してスッと帰っていったのでかっこよすぎてちょっと笑いました。

指輪やらコンタクトを外して
看護師さんに付き添ってもらいながら点滴を引き連れて手術室へ向かいました。
目が悪すぎて何も見えませんでしたが
手術室は思っていたよりもカラフルに感じました。

着々と準備は進められ、手術台に寝かされ首から下は見えないように顔をタオルのようなもので仕切られました。
先生が「何かあってもすぐ近くに付いているからね」と言われてなぜか少し泣きそうになりつつ、ついに手術が始まりました。

麻酔というより意識が朦朧とするお薬だったので
先生たちが何かもにょもにょ喋ってるなという意識はあったし
施術が終わって「終わりましたよ〜」と声掛けもされました。
意識はあるけど頭の中が雲のようにふわっふわになっている感じで不思議でした。

ベッドのまま病室まで戻されて
看護師さんに「ちょっと休んでくださいねまた来ます〜」と言われ
朦朧としながら「はひ〜…」と力ない返事をして眠りました。


暫くして目が覚めました。
最初はだるさもなく、痛みも全くなくてなんだか現実味を感じませんでしたが

でもひとつだけ違ったのが
つわりが嘘のように消えていたことです。
それでやっと「あ、私からいなくなったんだな」と感じました。

失った悲しみというよりは虚無感の方が強く
無事に終わってホッとしている自分もいて
言葉で表すのは難しい感情でした。


このあと先生の診察があるので
ゆっくり起き上がり着替えようとしたとき
一気にものすごい吐き気が押し寄せてきて
急いでトイレに行き…。
個室にしておいてよかったと思いました。
慌てすぎて点滴に引っかかるところだった。

もう少し休んだ方がいいですねと
看護師さんに喉の下にアイスノンを置いて貰ったのですが
これがものすごく気持ち良かったです。
もっと前から知りたかった〜。
皆さんも是非吐き気が辛いとき一度やってみてください。


無事に診察を終えて退院となりました。
費用は17万くらい。


終わったあとは
深いことはあまり考えたくなかったので

家に帰って息子をぎゅーっと抱きしめて
ご飯を食べて、ゆっくり過ごした
そんな一日でした。

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